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今期担当している論理学演習では教科書としてリチャード・ジェフリーの『形式論理学──その射程と限界』(翻訳)を使っていて、みなさんご存知のようにこの本では証明法としてタブロー・メソッドを採用しているんですが、ぼくはあまりこのタブロー・メソッドってやつが好きではないんですね。何と言うか、メカニカルに過ぎる。さりとて、ぼくのような半端ものにはヒルベルト・スタイルはちょっとごりっとしすぎているので(「男は黙ってヒルベルト・スタイル」というセクシスト的な文言が頭をよぎった)、フィッチ・スタイルあたりがちょうどよいようです。
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 Passés cités par JLG
Georges Didi-Huberman
(Les Éditions de Minuit, 2015)

ディディ=ユベルマンのゴダール論とか、そりゃまあ読みますよね。

ところで、言葉を舌のうえで転がすような劈頭の書きぶりに何となくデリダを想起したんですが、思い返すと、ディディ=ユベルマンがデリダに言及した例ってあんまり思い浮かばないんですよね。『残像』(翻訳)とか、テーマ的にもそれなりにデリダを参照していておかしくないのに、言及されていた覚えがない。(とはいえ、『残像』を読んだのはそれなりに前の話だし、何より、「読んだ」と言っても「パラパラとページを繰った」と言ったほうが適当な読み方だったので、その印象の真正性はまったくあやしいのですが)


 Différence, Différend : Deleuze et Lyotard
Frédéric Fruteau de Laclos (Éd.)
(Encre Marine, 2015)

このブログで何回か言ったことがあると思うのですが、リヨタールというのはあんがい好きな書き手で、とくにこの書物のタイトルにも採用されている『相違』(翻訳)は、その文体的および内容的な読みやすさもあいまって、大学生のころの愛読書のひとつだった(あまつさえ、カナダくんだりまで携えてきている)ということもあり、購入。でも、はたしてちゃんと読むかな?


 Lettres et autres textes
Gilles Deleuze
(Les Éditions de Minuit)

これの翻訳が出るとの報にふれ、あわてて購入。書簡というのは、その人の本音があんがい分かりやすいかたちで出ていたりするので、たぶんおもしろいのではないかと。


 The New Annotated H.P. Lovecraft
H.P. Lovecraft
(Liveright, 2014)

大学の生協で見かけ、編者の序章も註釈も読みごたえがありそうだし、それにアラン・ムーアも序文を書いてるしで、まよわず購入。アラン・ムーアの「ラヴクラフトは変わりものだったからこういう特異な物語を書いたのではない。そうではなく、彼が新興勢力の勃興におびえる凡庸な中産階級だったからこそ、こういう物語を書いたのだ」という指摘に「なるほどなー」と思いつつも、「でも、そういう中産階級に属する大半の人たちはこんなとんちきな話を書いたりしなかったので、やはりラヴクラフトはどっかたがが外れていたのでは?」とも思ったり。
これがまあ、忙しいです。

今期担当の演習は初級ロジックなので演習にあたっての準備はそれほどたいへんではないのですが、ほぼ毎週ある宿題の採点だとか毎日それなりに送られてくる質問メールへの返答だとか演習後受講生の人たちの自主勉強につきあったりだとか(ただ、これは、居残る人たちに計算機科学科の人たちが多いこともあり、ざっくばらんに数学基礎論小史だとかロジックの計算機科学への応用例として停止問題だとかプログラミング言語の意味論だとかについて話すことができ、ぼくとしても知識の再点検になってありがたくはあるのですが)、なかなかに時間が取られ、論文執筆は言うに及ばず、週一で開催している自主研究会の準備や、そして(おそらくはいちばん重要なこととして)娘と遊んだりもしなければならないので、自分の趣味的な時間の確保どころか、じゅうぶんな睡眠時間も取れないような状態です。

いま博論の最終章の執筆中なので、それを書き終えればちょっとはらくになるかな、と思っているのですが、どうなることやら。
娘が見ているアニメについて奥さんに「これ、どういうアニメ?」と聞くと「前のめり気味なネズミと白痴のネコのアニメ」とか「ちょっとヘタレな男の子が妄想のなかで恐竜と遊ぶアニメ」とか「どういうアニメだよ、それ」と思うもじっさいにそれらアニメを見てみると「なるほど、たしかにそういうアニメだ」と納得してしまうような答えが返ってくるのでおもしろい。
今日は指導教官との面談があるのできっちり寝ておこうと思うも、予定があると思うと寝られないという宿痾ゆえけっきょく起きる予定の二時間前になっても寝られず、しかたないのでのそのそと起き出し少しばかり資料読みを進め、庭のリンゴの収穫を手伝い、そしてよろよろと学校に出かける。

指導教官との面談はつつがなく終了。指導教官は、いつもポジティブな言葉でこちらのやる気をふるいたたせてくれるのでありがたい。ともあれ、博論もやっとのこと終わりが見えてきたので、気を抜かずにがんばっていきたい。

面談のあと、必要な本を借りに図書館に行ったらふとクリスチャン・メッツの本が目に留まったので、『記号論集』と『映画の意味作用について』を借りる(これらに所収されている論文のいくつかは『映画記号学の諸問題』として訳されているはず。ちなみに、ここで前掲書にも収録されているメッツの論文がいくつか読める)。

帰宅してから、奥さんが作ってくれたちょっと早めの夕飯を食べながらビールをかっ食らうとさすがに眠気も限界に達してきたので横になるも、一時間ちょっとで目が覚めてしまったので、今朝の教訓を活かして「眠れないものはしゃーない」とまたのそのそと起き出す。

起きてから風呂に入って残存する眠気をとばし、今日図書館から借りてきた『アメリカのプラグマティズム』をウィスキーをちびちびやりながら読む。パースは、その人となりについてはまったく知らなかったのだけど、かなり問題のある性格の持ち主だったようだ。

そしていま、これを書きつつ、四十時間ほどほとんど眠らずに活動しつづけていることにはたと気づいたので、さすがに寝なければなあと思いながらウィスキーのお代わりを持ってきた。
最近、あまり音楽を聴いていない。精確に言うと、ぜんぜん聴いていないということはなく、ヒット曲(それも、やや古めのやつ)をおもに流す地元のラジオ局はよく流していて、そういう意味では音楽を耳にしてはいるのだけど、それにしたって、そこから流れる音楽にじっくりと向かいあうという聴き方ではなく、何かをしている背景で何となく流れているものが耳に入ってくるというまさにBGM的な接し方なので、「ぜんぜん」でなくてもほとんど聴いていないといってよい。ゆいいつの例外は、おもに日本では「AOR」として流通していた音楽を、中田利樹さん編纂のディスク・ガイドをたよりに、ぽつぽつと聴いている。「AOR」とかつては呼びならわされた音楽はこれまで主体的(あるいは集中的)には聴いてこなかったのだけど、聴いてみると、「曲の全体像はポップなのだけど、そのポップさのなかにひねりが効かせられており、そして、音の細部にも気が配られている」という点で「シカゴ音響系」と(一部で)呼びならわされた人たち(の一部)に通底するものがあり、とても耳なじみがいい。
哲学・思想に材をとった語学読本について書きながら、自分が語学を学びはじめたときに読んでいたあれやこれやの本を思い出していた。以下、そういう本をめぐっての、問わず語り。
哲学ドイツ語読本のエントリを書きながら、そのような哲学・思想に的をしぼった語学読本のフランス語版がかつて白水社から『フランス現代思想を読む』というのが出ていたことを思い出した。

 フランス現代思想を読む
渡辺 諒
(白水社, 1999)

「フランス現代思想」と言えば「定番」であるフーコー、ドゥルーズ、デリダから、果てはゴダールまでが収められており、なかなかすっ飛ばしたできなので、気になる向きはぜひ。
先日、図書館を散歩していたら次のような本を見つけた。

 Modern German Thought from Kant to Habermas: An Annotated German-Language Reader
Henk de Berg and Duncan Large (eds.)
(Camden House, 2012)
カント、ヘーゲル、そして新しめのところではハバーマスといった哲学者たちの代表作からの抜粋が、読解にさいして躓きどころになるような、あるいは解釈にさいして勘どころとなるような箇所についての註釈とともに収められている。文法にかんする解説はほぼなきに等しいので、初級文法を修了し語彙もそれなりに蓄えているといった中級者向けか。ともあれ、将来ドイツ語圏の哲学をやりたいと思っている若い人や、あるいは昔ドイツ語を履修した哲学に興味のあるあまり若くない人は手に取ってみて損はないと思う。
先日、数年愛用していたスキャナーが壊れてしまったので、前々から気になっていたオーバーヘッドスキャナー Czur ET16 を買いました。

クラウドファンディングものということでじゃっかん不安だったのですが、いざ現物が届いてみるとこれが「ふつうに市場に出回っていてもぜんぜんおかしくないじゃん」というぐらいよくできた製品だったので、以下にかんたんではありますがレビューを書いてみます。

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