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ボルヘスのものとされる有名な言葉に「藝術とは(あるいは詩とは、またあるいは幻想文学とは)火と代数(の結合)である」というものがある。「ボルヘスのものとされる」ともってまわった言いかたをしたのは、この言葉で検索をかけてひっかかった記事にはその出典情報がまったく見あたらないからだ。
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昨日に引きつづき、中世ラテン語の文献を読みながら出会った文言をめぐっての脱線記。
ラカンの "L'étourdit"(Autres Écrits 所収)の翻訳書名がフランス語の読みそのままの『レトゥルディ』となっているのは納得のいくところで、それもそのはず、この "L'étourdit" というタイトルは「いかにもラカン」といったものであって、これを音として聞くと、おそらくは "L'étourdi" と、動詞 étourdir の過去分詞が名詞化したものとして解釈されると思うのだけど、それを文字として見ると、"L'étourdit" と三人称単数の活用形であることを表す語尾が付いており、そうであれば、"L'" は「彼/彼女を」という目的語として捉えなければならず、すると、「では、何/誰が彼/彼女を面食らわせるのか」というとうぜんの問いが湧きあがり、それはたぶん「エス ça」であるはずで、さらに、じゃっかんの発音のちがいを度外視すれば、「レトゥルディ」という響きからただち想起されるであろうものは「しゃべられた言葉」を意味する "lettre(s) dite(s)" という文字列であって、つまり、"L'étourdit" というタイトルは、それが音として聞かれたときと文字として見られたときとでは異なる相貌を現わし、そして、その異なる現われそれ自体もまた、「レトゥルディ」という響きから連想されるもうひとつの(あるいは、エスとしての?)文字列によって(さながらポーの「盗まれた手紙」のように)明々白々と暗示されている……といったわけで、かようにラカンを読むのはほんとうにめんどくさく、おもしろい。
国書刊行会が創業40周年を記念して「各界著名人」が国書刊行会の書籍をひとり3冊づつ挙げている。「だれそれがこういう本を選んでいる」という観点はとりあえず捨象して(というのも、ぼくが知っている人にかぎって言えば、「まあ、この人はこれを挙げるだろうね」という書目を挙げていることが多く、ゆえに、そういう観点からこれら推薦図書を見てあまりおもしろくないだろうから)、「どういう書籍が、著者が、そしてシリーズが多く選ばれているか」という観点から、ぼくのよけいなおしゃべりをまじえつつ、これら推薦図書を眺めてみたい。
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