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昨日に引きつづき、中世ラテン語の文献を読みながら出会った文言をめぐっての脱線記。

14世紀に活躍したイギリスの神学者・哲学者ウォルター・チャットンが無限について論じる文章のなかで、"stultorum infinitus est numerus" という聖書の一句を引いていた。この一句には注が付されていて、それによると伝道書1章15節にあらわれる文言らしい。

さっそくペルセウスでウルガタ聖書の該当箇所を見てみると、"perversi difficile corriguntur et stultorum infinitus est numerus" とある。そして、この箇所の英訳は "That which is crooked can't be made straight; and that which is lacking can't be counted" であるという。"perversi difficile corriguntur" の部分はともかく、チャットンが引いている "stultorum infinitus est numerus" にかんしては、ラテン語と英語とではやや趣きをことにするように見える。すくなくとも、ぼくには英訳からラテン語訳で言われていることを想起することはむずかしい。そこで、バイブル・ハブでこの箇所のヘブライ語原文を調べてみた。ヘブライ語原文は次のとおり。

מְעֻוָּ֖ת לֹא־ יוּכַ֣ל לִתְקֹ֑ן וְחֶסְר֖וֹן לֹא־ יוּכַ֥ל לְהִמָּנֽוֹת׃

これを見ると、原文により忠実なのは英訳のほうであることが分かる(もちろん、ラテン語訳も忠実ではあると思うけど、じゃっかん意訳が入っているように思う)。

さらに、ついでなので文語訳聖書ではこの箇所がどう訳されているかを見ると、「曲れる者は直からしむるあたはず缺たる者は數をあはするあたはず」とあり、この訳からも「足りないやつはたくさんいる」という意を汲むのはぼくにはむずかしそうだ。

というわけで、あくまでこの箇所だけからの判断になるけど、ラテン語訳がいちばん分かりやすかったので、もし聖書をがっつり読むことがあれば、ウルガタを基軸に据えようと思った。(ただ、「聖書をがっつり読むこと」なんてのは、たぶんない)
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