聴音日記 [音]

ここのところ、音関連のエントリはさっぱりご無沙汰だったのだけど、じゃあ、音がらみのこととまったくかかわりあいなく暮らしていたの？と言えば、もちろんそんなことはなく、日々あたうかぎり新譜を追っていたり、いまだ聴いていない旧譜を掘りかえしたり、あまつさえこちらでギターをあらたに買いもとめて（！）弾いていたりするのだけど、それについて書く時間と気力がなかっただけの話。それではひさかたの聴音日記、どぞ。

The Esc EP Shuutobi (Dephonic Records)

いつも聴いているウェブラジオSomaFMのcliqhop idmセクションで耳にし、「いいな」と思ったので聴いてみた。細かい音の粒子が部屋に拡散していくような、アブストラクトで落ち着ける音です。名前はもしかして「醜と美」？

Gentle, Amoral Robot Music Tachikoma-Kun (Shima Records)

これも上記SomaFMで耳にし、気になったので聴いてみた。音自体はすごくよく、細かい刻みに耳なじみのいいパッドがおおいかぶさる（あるいは、耳なじみのいいパッドに細かい刻みがおおいかぶさる）、手短かに言えば「おれの好きな音」なんだけど、惜しむらくは、日本産アニメの音源がいたるところ散りばめられていて、それがひどく気になる。外人にとっては、意味形成をしない「音」のひとつに過ぎないんだろうけど。

Dealin with Signal and Noise Guitar (Onitor)

Guitarの最新作、なのかな？　ともあれ、いつもの「エレクトロシューゲイズ」と呼ばれる路線を基本的には継承しつつも、作を重ねるごとにどんどん抽象度を高めていっているような気がします。もちろん、これはこれでわるくはない、んだけど、やはりSunkissedのころのような豪速球なもののほうがいいかな。

Goodbye Ulrich Schnauss (Domino)

上記Guitarからの流れで、同じくエレクトロシューゲイズものを。で、ウルリッヒ・シュナウスはそもそもそれほどいいとは思わないんだけど、この新作もそんなに好きじゃないかなあ。いまひとつバランスが取り切れていない、ように思う。

Melody Mountain Susanna and the Magical Orchestra (Rune Grammofon)

最近ソロ作が出た（んですよね？）スザンナのバンドもの。で、このアルバムはカヴァーアルバムなんだけど、カヴァーされてるアーティストが、レナード・コーエンとかジョイ・ディヴィジョンとかは、ひじょうに分かりやすいというか、「なるほど」なんですが、AC/DCやらキッスやらも飛びだし、そのカヴァーがまたわるくない、というか、前述の「分かりやすい」カヴァーより、こっちの意外性があるもののほうが、むしろはまってたりします。音は、極限まで音数を抑え、そして限りなくスローペースで奏でられるドゥ（リ）ーミーフォーク。

Now the Day Is Over The Innocence Mission (Badman)

ゆったりとした女声ヴォーカルのカヴァーアルバム、と言えば、以前紹介したことのあるこれを忘れてはいけません。ひさかたに聴きましたけど、やっぱりいいです。

おまけ

値段も安かったし、なかなかにビザールなシェイプをしてるし、ネックの仕上げもナチュラルタイプだしで、やや出音に粘りがないとはいえ、いい買い物でした。