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いや、やっぱりこれはよく書けてますね。

もちろん、パトナムの議論に全面的に賛成というわけではないんですが(賛成か反対かということでいえば「やや賛成」という感じだけど、パトナムが前提とするような素朴な対応説は問題なしとはしえない、と思う)、文章もクリアだし、議論の進め方もうまいし、何より読んで楽しめる。

で、議論の本筋とはあまり関係ないんですが(じっさいにパトナムがどういう議論を繰広げているか気になる人は、実地に論文を読んでください)、パトナムが「培養液のなかの脳」のような議論を思いついたきっかけというのが、レーヴェンハイム=スコーレムの定理について考えているときに、その定理と『哲学探究』のなかのいくつかの議論とのつながりに思いいたったから、と書かれていて、これがものすごく気になる。

てなわけで、このことについてじっくり調査・考究をしたいのですが、現在、パトナムの議論のような意味論的外在主義の懐疑論への応答に関してごく短いサーヴェイを書かなければならないので、そんな寄り道をしている余裕はなく、いやはや何とも、でございます。どなたか、レーヴェンハイム=スコーレムの定理と『哲学探究』の議論との関わり合いについて何かつかんでいるかたは、ぜひお教えください。

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はやしさん

まあ自衛隊とかオイラも興味ないっす。外資系の企業の勤務してるとトップが何人でも関係ないっす。オイラが言いたかったのは、他民族の支配にあまんじる<屈辱>なんて神話をダラダラ引継ぎすぎるから21世紀になっても問題は解決しないですよね。まあ、これは日本だけじゃありませんね。

さてパト君の脳ですが…もしかして原文で読み返しました?「理性・真理・歴史」法政大学出版には脚注でかなり詳しく言及されてまっせ!必要なら引用をこのブログにアップしやす。
藤崎達哉 2007/09/18(Tue)15:21:00 編集
最近はサブプライムがらみでCDOの評価だとか、為替や日経225にリンクしたストラクチャーの評価ばっかの講義やコンサルしてたので…フラストレーションがたまっていた。たまには哲学に戻っちゃおう!パト君と哲学探究の関係は脚注で以下のように説明されてます。↓

パトナムは「モデルと実在」で、「哲学探究」における<<理想的機械もしくは神が計算できることについて話すことは、数学内部での話(偽装された仕方で)であって、数学の解釈を固定することはできない。>>とゆ〜論点に言及している。おそらく第1部352節や426節での映像とその適用についての議論を念頭においているのだろう。

また<<異なる時点のセンスデータの類似性の関係が、それ自体、私の心で現前するようなものではない。つまり…あるセンスデータを指して、オイラが「赤」といってるのは、このセンスデータみたいもんを指すと言ってみても、それは決して類似性の関係を取り出すことではない…>>>とゆ〜論点。

はたまた、<<真理という概念は公共的言語を必要とする>>とゆ〜論点にも言及している。これらも352節〜426節周辺の議論である!

・・・って書いてるぞ!(ちょっと脚色したかもしれん)
藤崎達哉 2007/09/18(Tue)21:45:00 編集
藤崎さん、お仕事のフラストレーションを増やす話を振って申し訳ありません。
CDOの話なのですが、素人ながら、結局FRBの利下げで、落ち着くところに落ち着くと見ていますが、甘いでしょうか。
98年に、野村證券が倒産寸前まで行ったのは有名な話で、イーサンペナーなるトレーダが一手にCMBSのトレードをやっており、流動性の欠如から、含み損を1兆円抱えたと言われています。LTCMの問題に直接関係なくとも、LTCMがらみのクレジットクランチからCMBSの流動性が突然消滅して一気に値段がつかなくなりました。
しかし、FRBが、利下げに動くと、また、ちゃんと値段がつき出して事なきを得たと記憶しています。
LTCMの問題は、超高レバレッジ投資家が、一手に50兆円ものポジションを抱えて大損を出したことであり、勿論、話が大きすぎるので、いつも日本の奉加帳を馬鹿にしていたアメリカが、なりふりかまわず奉加帳を銀行に回して、危機を乗り切りました。
それの類推で、CDOの問題は、救済策をまとめないと終わらない との論調がありますが、私はそんなことはないと思っています。
CDOの問題は、LTCMより、野村のCMBSの問題に近く、結局、利下げで流動性が戻れば、綺麗に評価損を計上して、それで、終焉すると見ています。
勿論、サブプライムで借りている人が、沢山支払い不能に陥るのはこれからだと言われていますので、それなりに引きずるでしょうが。
CDOの問題は、LTCMの問題とは異なり、それなりの量があるとはいえ、広く浅く沢山のインベスター、スペキュレーターに分散されていますので、「利下げでCDO市場に流動性が戻り、皆が含み損を吐き出せば、それで、落ち着くところに落ち着く」問題であり、特段、いつもの金融危機の時のような、救済策も必要ないのではないかと思っています。私の認識ですが、甘いでしょうか?
ぷっつん大吉 2007/09/19(Wed)04:08:00 編集
ぷっつん大吉さま

パトナムのエントリーで相場の話ですか?久しぶりにはやしさんと関係ないやりとり復活ですね。でも、それじゃぁ運営者のはやしさんに失礼なので<無理やり>つなげましょう。

CDOと言うとき・・・実際の負債を一旦束にして分割する現物CDO以外にも、負債がデフォルトした場合だけ損失補てんするクレジット・デリバティブという金融資産を束にした合成CDOという取引があります。簡単にいえばデリバティブ取引を200取引くらい束ねて…それを危ない順から切り刻んでバラ売りしているわけです。

このようなデリバティブ取引は、メタフォリカルに表現ですが、ZF公理系における現物=自然数に対して冪集合です。まあ実際は加算ですが、市場のプロでさえ世界にどのくらい流通しているかわからんのです。今回のサブプライム問題にプロほどビビリが入っているのは、少なくともかなり流通していることを皆知っているからです。

ただレーベン・スコーレムの定理が適用されれば、意外と市場は落ち着くかもしれまへん。
培養液の中の藤崎 2007/09/19(Wed)10:10:00 編集
「他民族の支配にあまんじる<屈辱>なんて神話をダラダラ引継ぎすぎる」って、それはけっこう重要なポイントかも、ですねえ。でも、ほんと、じっさいのところ、「上司」が何人かなんて、やることさえちゃんとやってくれて、べつだん無体なことさえなければ、どうでもいいですよ(逆から言えば、やることもやらず、無体なことばっかしているやつは、たとえ「同胞」といえども免責してはあかん、ということでもあります)。

で、パトナムとレーヴェンハイム=スコーレムの関わりについて、じつはおれも実地に「モデルとリアリティ」論文を手に入れ、んでもって『探求』も図書館から借りてきてぱらぱらめくってはみたんですが、いまもってなお、つながりは明瞭ではない、んですよねえ。ともあれ、情報提供どうもでした。
はやし 2007/09/19(Wed)12:34:00 編集
藤崎さん、本当にすいません。
はやしさんなら藤崎さんの文意をちゃんと読解可能なのでしょうが、おつむが悪い私には、今のところ、理解できませんので申し訳ありませんがヒントをください。
HNですが、これ、本気で書いておられるのでしょうか、それとも、(深い意味は全く無い)洒落なのでしょうか。
それと、
>ただレーベン・スコーレムの定理が適用されれば、
の件の「されれば」の部分ですが、これは「もし適用可能ならば」という意味なのか
それとも「必ず適用されるだろうから」の どちらの意味か 教えてくださいませ。

何せ、何度も書いていますが、まず、レーベン・スコーレムの定理どうのこうの以前に私は、集合論について「しゅうごーろんぼん」しか読んでおらず学術的知識としては無知に等しいですし、パトナムも藤崎さんやはやしさんのように、ちゃんと読んだことなんて勿論一度もないわけでして・・・・・・。お願いいたします。m(__)m  汗汗汗。 
ぷっつん大吉 2007/09/20(Thu)04:34:00 編集
すいません、以下貼り忘れです。

おれ、やばいんですよ。藤崎さんがご登場されると、なんか、どういうわけか、身を削ってまで書く気が出て自分なりに必死で書いちゃうんで・・・・・・。最近は、体まで真剣やばいので、助けてください。
ぷっつん大吉 2007/09/20(Thu)04:42:00 編集
あ、そうそう、藤崎さんのご登場、ほんと、お久しぶりなので、折角ですから、いつものあの方も 一度お呼びしてみましょう。  Mr.げばらさあああん じゃなかった、 み や も と さ あああああ ん。
ぷっつん大吉 2007/09/20(Thu)05:02:00 編集
おれがしゃしゃりでるところではないかもしれませんが、藤崎さんが言っていることは大略、「デリバ取引の量ってのは、市場(ZF公理系)での現物にくらべてめっちゃ多い(羃集合)から、その数はやりようによっては「たかが知れている」(=可算)とはいえ、専門家でもビビっちゃってるわけです。でも、「ある理屈が正しい」という信念が市場形成に組み込まれているであろうことを考えると(LS定理)、いずれは落ちつくべきところに落ちつくのでは?」ということですよ(たぶん)。何にせよ、これらの表現はあくまで「メタフォリカル」なものなので、それほど気にする必要はないかと(って言っちゃ失礼か)。

で、「身を削ってまで書く」って、それだけ聞くと何だか勇ましい感じがしますねえ。それで命でも落とした日にゃ、一種の「誉れ」ですよ。とはいえ、ほんとうに死なれたりしてもあれなんで、適当にご自愛ください。
はやし 2007/09/20(Thu)05:36:00 編集
はやしさん

はやしさんのブログなんだから<しゃしゃり出>なきゃ〜いけません。相変わらず飲みながら投稿していると…助詞の変換がムチャクチャなオイラですが…はやしさんの学問基礎系の問いは、専門家でもおいそれとは答えがでない問いなので(と思うよオイラは…)…オイラがトリック・スターになっているわけです。そんなわけで、オイラにようにアカデミズム外で言いたい放題な奴を存在させる<場>がココとゆ〜わけですね。

…でZF系とLS定理に関するはやしさんの<邪推>はまさにその通りでございます。オイラは定理のインパクトを<浸透>させるには、やっぱメタファーが必要かと思います。ただ…オイラの最近の問題は、そのような啓蒙活動しても意味ないんじゃないか?とゆ〜点です。だって…問題意識ある奴は教えなくても自分マスターするもんね。
藤崎の中の培養液 2007/09/20(Thu)07:12:00 編集
えっと、俺だけど誰か呼んだか?

……。
宮本浩樹 2007/09/20(Thu)20:24:00 編集
藤崎さん、はやしさん
「しゅーごーろんぼん」しか読んでいない私とは言え、藤崎さんの冪集合の件は理解できていたと思います。HNから、藤崎さんが何がしか、パトナムに対して、そして、パトナムがレーベン・スコーレムの定理を持ち出してきて 我々の脳は決して培養液の中の脳ではない(といいきれるかどうか以前に、少なくとも、斯様な形而上学的実在論の発想に陥ること自体が、そもそも論理的に誤謬を含んでいる=自己論駁してしまっている)と主張していることに対して、何がしかの疑念をも抱いて(もしやして、培養液の中の脳である可能性について何がしかの考慮をする必要性もあながち無視できないと考えて)おられるのではないかと、その辺りを色々と考えていると、とうとう最後の文が読めなくなってしまったということでした。

実際、はやしさんのパトナムに関する発言を見る限り、はやしさんは パトナムのようにレーベン・スコーレムの定理を持ち出してきて 我々の脳は決して培養液の中の脳ではないといいきってしまうことに、それなりの抵抗を感じておられるようにも思えますし。

レーベン・スコーレムの定理の詳細は、まだ、全容が理解できたという状態にはほど遠いので、私がかなりの「トンでも」を書いている可能性も大ですが。

はやしさん、藤崎さん、HNの真意をも含めたご解説ありがとうございました。
ぷっつん大吉 2007/09/21(Fri)04:04:00 編集
宮本さん、勝手に呼んで悪かったですか、俺、はやしさんのご忠告に従って、やっぱ身体を自愛させて、いただきまーーす。
ぷっつん大吉 2007/09/21(Fri)04:05:00 編集
まず事実問題として確認しておきたいのは、1)パトナムはオントロジカルな意味で「われわれは培養液のなかの脳ではない」という主張をしているのではなく、じっさいにわれわれが培養液のなかの脳であったにしても、「われわれは培養液のなかの脳である」という言表は論理的にできないと言っている、ということと、2)パトナムがレーヴェンハイム=スコーレムの定理を持ち出したのは(ちなみに、「レーベン=スコーレムの定理」なるものは存在しません。藤崎さんのはタイポかも知れませんが、ぷっつん大吉さんは2回続けてその表現を使っているところを見ると、そういう言い回しが通用すると思っているふしがありますが、通用しません。ちゃんと「レーヴェンハイム=スコーレムの定理」と書きましょう)、あくまでインスピレーションの源としてであり、「培養液のなかの脳」においてレーヴェンハイム=スコーレムの定理が使われているわけではない、ということです。

さて、それで本題の(?)ぷっつん大吉さんが藤崎さんのハンドルに関して述べられていることなんですが、ぷっつん大吉さんの考えははっきり言って「深読み」以外の何ものでもないと思いますね。もちろん、パトナムの議論を念頭において、「培養液のなかの藤崎」という表現に色んな意味づけを忖度しようとすれば、そりゃ色々できるでしょうが、藤崎さんの第一義的な意図としては「ほんのお遊び」と解釈するのがいちばん妥当のように思われます。ちなみに、ぷっつん大吉さんは藤崎さんが「形而上学的実在論」(ちなみに、この言い方には「頭が頭痛」という言い回しにふれて感ずるのと同じ違和感を感じます。何となれば、実在論とは形而上学的である他ないからです)とは異なる立場を取っていることを前提にしているように思われますが、いままでの藤崎さんの発言を振りかえってみるに、藤崎さんの立場はあきらかに実在論的であると思います。

あと、おれがパトナムの議論に感じる違和感というのは、レーヴェンハイム=スコーレムの定理はまったく関係なく(上記のように、「培養液のなかの脳」において、パトナムの議論にレーヴェンハイム=スコーレムの定理は使われていません)、意味論的な礎として外在主義的な立場を採ること、これに尽きます。というわけで、ぷっつん大吉さんはそもそもの議論の背景を理解していないように思われるので、まずこのことについて何かを言うには、パトナムの原論文を読まれてからにしてはいかがでしょうか?
はやし 2007/09/21(Fri)09:56:00 編集
ぷっつん大吉さん

オイラの与太話に付き合ってくれてすいません。オイラは文系のアル中なので厳密な議論はできやせん。大半はたとえ話みたいなもんですので…哲学漫才として受け流してください。

はやしさん

お騒がせしましたね〜。タイプミス多いのでLS定理にしました。藤崎達哉を藤達哉とすれば二枚目俳優だもんね。
藤崎液の中の培養 2007/09/21(Fri)15:22:00 編集
いや、全然「お騒がせ」でも何でもないですよ。つわけでこれからも引きつづき「アカデミズム外で言いたい放題」な「哲学漫才」を期待しております。

持ち上げるようですが、藤崎さんの「漫才」がおもしろいのは、必ずしもまったくのでたらめを言っているわけではなく、何がしかの理論的根拠に(それがたとえいくら危ういかたちでであろうと)基づいていないでもないところにあると思います。ゆえに、それへの応答も、できるだけそれらのリフェランスに則って行なわれたほうが、当の「漫才」自体がよりおもしろくなるであろう、という判断から、ぷっつん大吉さんにはあえて苦言(というほどでもないですが)を呈しました。

あと、リプライするのを忘れていましたが、「ある定理なり理論なりを世間に知らしめるには、やはりメタファーが必要ではないか?」との論点について、いろいろ考えあわせると、これは何ともむずかしい問題ですね。何となれば、たぶんたいていの人はその「メタファー」だけで満足してしまい、当の定理なり理論なりをそれなりに深く知ろうとはしないでしょうし、さらに、そうした「メタファー」が一人歩きしてしまい、いわゆる「トンデモ」と呼ばれる言説の温床にならないでもないかな、という危惧もあります。また、「問題意識のあるやつは自分でそれら定理なり理論なりをマスターする」ってのもまさにそうなんですが、問題は、問題意識を持つ人がそもそも少ない、ということにもなり、さてどうするか、と別の問いを引き出してしまう……って、まあ、どうでもいいっちゃどうでもいいことなんですが、こういうこと(あることに人を向かわせるにはどうすればいいか)はたまに考えないでもないです。

それにしても「藤崎液」って何かすごいですね。
はやし 2007/09/21(Fri)16:36:00 編集
はやしさん、藤崎さん、いや、お分かりだとは思うのですが、もともとパトナムの本格的な話に首を突っ込むつもりなど全くありません。
藤崎さん同様に「最低限のディシプリンなしに、議論の資格無し」というのは私の持論でもあり、思考停止したヤク中のごとく 訳もわからず戯れて、あらぬ混乱や不快感を真面目に議論している人達に与えることなんぞ言語道断というのも私の持論ですので。
はやしさん、今回、不覚にも、CDOという 何らパトナムに関係ない事象に反応しちゃった僕が悪いのですが、とはいえ、マーケットに関心がある人が、CDOって言葉に笑えるほど反応しちゃう ってのは本当のところなんです。それぐらい今ホットな話題ですので。
で、藤崎さん、はやしさんにレスを書いていただいて、「ありがとうございました」と 一言書いておけばすんだものを、また私が色々書くもんだから、はやしさん、そして藤崎さんにも不快感を与えてしまったと思います。
本当にすいませんでした。
そして、藤崎さん、はやしさん、重ねて、丁寧なお返事を書いていただいたことに心より感謝申し上げます。
ぷっつん大吉 2007/09/22(Sat)06:06:00 編集
いや、全然「不快感」なぞ感じていないし、ぼくとしても「ちょっと言い過ぎたかなあ」とほんの少しだけ反省する面もあったので、今後もそのことについて知っていようが知っていまいが、どんどんコメントを寄せていただければ、その都度その都度ぼくの「教育的指導」(「愛のムチ」とも言う)を入れさせてもらいますので、ほんとうに気兼ねなく書込みは続けてください(ただ、とはいえ、あることが話題になっているときに、最低限知っておくべきことは知っておいたほうがのぞましい、ということに変わりはありませんが)。
はやし 2007/09/22(Sat)06:36:00 編集
ぷっつん大吉さま

<胡散臭い>はコメントが多すぎるので…サブプラがらみは<パトナム>でやりませんか?おっと<はやし>さんの許可とってなかった…。

さて今回の世界経済危機ですが…オイラもまったく解説不可能です。…でこのエントリーでやったZF公理系の比喩は正解でしたね。いまだに全体像が掴めていないけど…。

ただCDOに関しては…投資銀行のロンドン支店を通じてEUに最も多くばら撒かれたとゆ~認識は一致しているようです。

さて、そのCDOですが昔もこのブログで解説したように(なんでここで解説してんだろうね)…実際の企業負債(社債等)を束にしたCDO(キャッシュCDO)と仮想的な企業負債の取引(CDS)を束にしたCDO(シンセティックCDO)があります。

つまり、前者は現物で構成された証券化商品であり、後者はデリバティブで構成された証券化商品なのです。

最近の知ったかぶりマスコミの論調で気になるのは…CDO=デリバティブ=証券化商品とゆ~認識です。まったくわかってないよねえ~。

ついでに、も一つマスコミ批判をすればデリバティブの危険度…あたかも現物の証券よりも数倍いや数十倍くらい危険な商品として解説しがちなこと。100億円の債券と100億円の金利スワップは信用リスクとゆ~観点からいえば…後者のほうが圧倒的に小さいのです。なぜか?金利スワップは元本がないからです。

問題なのは…それをいいことに無茶苦茶な金額(=仮想的な元本)で取引をやっちゃうことなんですね。これはFX取引にはまった個人と同じ問題っす。

それでは…今回の世界的経済危機でデリバティブの部分の信用リスクをどう把握するのか?少なくともCDS(=最も単純な信用デリバティブ)の残高が7000兆円だとか騒いでもダメです。CDSも元本はありませんから…。

CDSに代表されるような信用デリバティブと他のデリバティブの際立った違いは…CDSには2つの信用リスクが内包されている点です。

解説しましょう。まず現物のケース。トヨタの債券をナンチャッテ・ブラザーズ証券から購入したとしましょう。ここでナンチャッテ・ブラザーズ証券が倒産しても…トヨタが倒産しないかぎり投資家は痛くも痒くもありません。

次に金利スワップ契約をナンチャッテ・ブラザーズ証券と結んだ場合…。

…あっ!次男を塾の早朝特訓から迎えにいかなきゃ!じゃあ…ぷっつん大吉さん、また後で!
藤崎達哉 2008/10/19(Sun)10:00:13 編集
藤崎さま
最近僕がはやしさんのブログに何も書かないもんですから、長谷部さんが僕ははやしさんのブログをもう見ていないだろうって思っておられていたご様子でした。いやそんなことはないですよって長谷部さんにお答えしました瞬間、ああ藤崎さん、最近見ておられるのだろうかと頭をよぎったもので、ほとんど衝動的に
>そういや、藤崎さん、最近はやしさんのブログを見ておられないのでしょうか?  
って書いてしまいました。m(_ _)m
その後長文をつけさせて頂いたのは、流石に
>そういや、藤崎さん、最近はやしさんのブログを見ておられないのでしょうか?  
だけでは礼に失するなと思い、つけさせて頂いたものですのでもし、お忙しければ、適当に切り上げちゃってくださいね。
それにしても、プロの方に、ちゃんとご解説して頂けるとは光栄であります。

ところで、腐った脳の中ではCDSとは次のようなものかと・・・・・。
私がNGM(NO Good Motors)にLIBOR+(A+B)の金利で100億ドル実際に貸している場合において、私がサラリーマンブラザースに毎年LIBOR+Aの保証料を支払う代わりに、NGMがデフォルトをやった時に、サラリーマンブラザースに100億ドルとLIBOR+(A+B)の金利の金利を払ってもらう契約。
この場合、サラリーマンブラザースが債務不履行を起こさない限りにおいて、私は、必ずBだけの金利は受取可能。
ただし、サラリーマンブラザースが不履行を起こした上でNGMが債務不履行でもしようものなら、私には、100億ドルも毎年LIBOR+A+Bも返還されない。
これが、CDSと考えていました。これは端的に言って誤りなのでしょうか。
これなら、想定元本がしっかり存在してしまいますね。
ありゃありゃであります。
ぷっつん大吉 2008/10/19(Sun)15:20:41 編集
以上はデフォルトスワップでしたか? すると
CDSとは次のようなものかと?????
ここで、同じ額の債権を持つはやしさんを探してきて、はやしさんが受け取っている金利も債権も僕と交換しちゃう。
すると、債権が帳簿から消えて、そして、やりとりがあるのは、金利の(差額の一部の)交換(金利スワップ)だけ。それなら、元本が、私からもはやしさんからも消滅するわけですか?????
素人には、難しいですね。自分の迷走ぶりにあきれています。
ぷっつん大吉 2008/10/19(Sun)15:36:55 編集
次に金利スワップをナンチャッテ・ブラザーズ証券の契約した場合…。

じ…実のところ…金利スワップ契約とゆ~のはお互い倒産可能性が限りなくゼロに近い者同士が…限りなく国債に近い金利水準の固定金利(例えば30年一定とか…)と変動金利(これをLIBORと呼びます)を交換する取引です。したがって信用力のある金融同士の紳士的な?契約とされています(インターバンク取引)。

さて、それにもかかわらず相手側が倒産した場合、どうなるでしょうか?想定元本100億円の取引で固定金利3%の契約と仮定すれば、債券のように103億円の損失にはなりません。期待していた3億円だけがオジャンになります。

デリバティブが面白いのは、これだけじゃないんです。だってスワップ(こ~かん)なんだから、固定金利3%を貰うとゆ~ことは…変動金利を払わなきゃなんない。ここでLIBORが2%ならば実質1億円しか損失はありません。つまり、実際の損失は100分の1以下となります。

さらに面白いのは…もしLIBORが5%なら、近い将来ナンチャッテ・ブラザーズ証券に2億円払う必要があるわけです。この場合、倒産してもらったほうがありがたいわけです。

つまりデリバティブはすべて!…双務的な契約なので、常に時価を評価しつつ相手に対して<勝っている側だけ>が信用リスクをもっているとゆ~わけです。これはCDSも同じです。

ちょっと休憩。
藤崎達哉 2008/10/19(Sun)17:27:35 編集
藤崎さま
イロハから熱弁していただきまして恐縮でございます。
ここの部分、とてもよく理解できました。
「ちょっと」と言わずに、「ごゆっくり」休息のほどお願いいたします。
ぷっつん大吉 2008/10/19(Sun)18:08:43 編集
「そういや、藤崎さん、最近はやしさんのブログを見ておられないのでしょうか?」って、つい最近コメントをくれたばかりじゃないですか!
http://hblo.blog.shinobi.jp/Entry/1872/

とそれはともかく、何であれじゃんじゃんやっちゃってください(それにしても、なんでおれの名前が「<はやし>」とクォートされているのだろう?)。
はやし 2008/10/19(Sun)20:22:53 編集
あかん、ほんまに見逃してもうとった。m(_ _)m実際、帰りが遅くて必ずしも毎日はやしさんのブログを見ているのではない というのは まぎれもない事実です。
ぷっつん大吉 2008/10/19(Sun)21:18:31 編集
さて最後にCDSですが…この取引もデリバティブなので契約時(過去)に確定した保障料(金利スワップの固定金利だと考えてください)が現時点で適正なのかを評価する必要があります。

たとえばトヨタが倒産した場合の保証料が毎年0.1%だったとしましょう。ところが車が売れなくなって倒産の確率が高まると保証料は0.2%になるかもしれません。この場合0.1%固定で5年間契約したヤツは<時価評価としては>勝つわけです。なぜなら0.2%の価値があるトヨタの倒産保険を0.1%で契約しているからです。

しかし、<CDSの勝ち>は新たな信用リスクを内包します。CDSはトヨタが発行した現物社債ではなく、ナンチャッテ・ブラザーズ証券との契約だからです。トヨタはCDSには何の責任もありません。

ここで!よく考えるとトヨタよりもナンチャッテ・ブラザーズ証券のほうが倒産の可能性があるじゃないの?と考えればCDSの価格にはトヨタの倒産可能性だけでなく、取引の相手の倒産可能性を加味する必要があります。これをカウンター・パーティー・リスクと呼びます。

したがって、CDSは2つの異なる信用リスクを内包している商品であるといえます。

整理しますと…実体経済悪化⇒企業倒産増はCDSが対象とした企業の信用リスクの問題。ナンチャッテ・ブラザーズ証券がやばいゾ!というのは業者間で取引していたデリバティブの中で…ナンチャッテ・ブラザーズズ証券と取引があり且つ自分の方が勝っていたケース(カウンター・パーティー・リスク)とゆ~わけです。

いずれにせよ…CDSはデリバティブなので想定元本ではなく実質的な市場価値がどの程度なのかを把握する必要があります。おそらく想定元本の残高(6000兆円くらい?)の3%程度だと思われます。
藤崎達哉 2008/10/20(Mon)06:45:34 編集
⇒<はやし>ガハハ!
藤崎達哉 2008/10/20(Mon)06:48:51 編集
藤崎さん、どうもありがとうございます。
帰ってきたのは先ほどで、今、脳死してますから、脳が蘇生してから熟読させていただきます。すみません。
ぷっつん大吉  2008/10/20(Mon)23:51:40 編集
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