『社会的選択と個人的評価』 [本]

ここ一週間ぐらい、アローの一般可能性定理（今まで「一般不可能性定理」と記していたけど、アロー自身はGeneral Possibility Theorem と表記しているので、以後これに準ずることにする）とがらみで検索エンジン経由からここに辿り着く人が有意に多いのだけど、何かあったのだろうか？

容易に思いつくのが、どこぞかの大学かなんかでレポート課題として「アローの一般可能性定理について何か書けや」というものが出された、ということだが、それにしては複数人の人が時期を隔てて検索しているみたいなので、もっと一般的な興味を持って調べた、という感じなのかもしれない。

何にせよ、アローの一般可能性定理（の否定的帰結）が選択理論や、それにとどまらず社会科学（の哲学的傾向が強い分野）一般に与えた影響というのは甚大なものがあるし、それに何より、そのフォーマライゼーションの仕方をそれだけとってもまことに興味深い。

アローの一般可能性定理とは何ぞや？に関しては、このブログでたらたら書いた一連の記事（このエントリの下の方に「総目次」めいたものあり）を読んでもらいたいが、とはいえ、そこで為されているのはあくまで「二次資料を元にした解説」であり、アローの原典Social Choice and Individual Values （邦訳はあるにはあるが、絶版）をちゃんと読んでいるわけではない。

というわけで、オンライン読書会の方で個人的に読書メモを付けることにした。今のとこ目次を掲げているだけだし、何より、今までの諸々の経緯からいくと、目次を掲げて放置、ということも大いに予想されるのだが、おれはけっこう粘っこい性格なので、誰もアローのことなんか気にしなくなっても、一人でのったらのったら読んでいこう、と思っています。