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「ニヒリズム……それは強さの兆候でありうる」
「いったいこれはありうべきことだろうか。この老いた超俗の人が森にいて、まだあのことをなにも聞いてはいないとは。神は死んだ、ということを」
「もし神の死が起こったとすれば……何よりもまずわれわれの腕に神の死骸が残される……」
まずは、「ニート」と言っても、その統計的実態は未だ藪の中であり、そうした統計的実態が詳らかになってもその様態は千差万別であろうことを確認しておこう。その上で、ネット上でのニートを巡る議論において、ある種のニヒリズムに陥っていると見られるニートが前景化されているように見える、というのもまた認めざるを得ない。そして、そうしたニヒリズムに陥る要因の一端が、山田昌弘が「希望格差社会」と呼ぶものにあるということも、あながちはずれた話とは言えないだろう。
学校で、職場で、家庭で、あらかじめ希望を奪われたものたち。その上、日本自体の先行きも、どう考えたって明るいとは思えない。そのくせ、メディアには「成功者たち」の雄姿が溢れ、「誰もが頑張れば成功できる」かのような幻想を煽り立てる。そして、人生が勝ち負けのアナロジーで語られ、「成功者」になれるべくもない、と悟ったものたちは自らを「敗北者」として位置づけてしまう。「働くこと」が人生における至高の価値となり、働くことから得られる対価がその人の価値となる。その「至高の価値」が「低いもの」として否定された場合、人はニヒリズムに陥るしかなくなる。
しかし、ニーチェによれば「ニヒリズム」は「受動的ニヒリズム」と「能動的ニヒリズム」に分けられる。受動的ニヒリズムは、その「至高の価値」の欠如に打ちひしがれるだけだが、能動的ニヒリズムはそうした状態を「永劫回帰」として引き受ける。「永劫回帰」とは、つまるところ、「人生そのものには、何の意味もない。それは、醜悪で、不気味で、誤謬で、虚偽で、無であり、無目的なまま、永遠に同じ形でくり返されるだけである」ということを認め、それでもそのことを全肯定してその生を生きていくことである。そして、「超人」とはそうした永劫回帰の最中、自ら価値や意味を定立していくものの謂いなのだ。
このことを、「希望格差社会」に打ちひしがれニヒリズムに陥ったニートに適応するとどうなるか? そこから帰結されることは、職能や生涯賃金といったもので判定される「勝ち負け」を振り払い、「今生きて、ある」そのことを肯定せよ、そしてその「虚無」の中で自ら意味や価値を打ちたてよ、ということだろう。そしてこれは、私が「ニートを肯定する」で語ったこととも重なる。
しかし、このことは言うほど簡単なことではない。というか、下手をすれば「凝っと受動的ニヒリズムを耐える」ことよりも困難だろう。何よりも「神の死骸=『至高の価値』を把持し続ける現実」が立ちはだかっている。だが、その「肯定」の向こうには、「ただ生きて、ある」ことの持つ晴れやかさが拡がっていることもまた確かなのである。
そこでは「希望」は、時間の向こう側(「将来に対する希望……」)に定位されるものではない。「希望」は「いま、ここ」にあるのである……。
それで返信やら逃げるやらにはもうちょっと時間を下さい。
それで議論を茶化すつもりは全く無いのですが、「永劫回帰」のご説明、これは以前ドゥルーズ「ニーチェ」でも読んだ記憶があって、その時は分かったような分からないような騙されたような気分になったというものですが、改めてはやしさんの説明を読んでみるとそれはうんこについても、
つまり「人生」を「うんこ」に当てはめて読んだ場合にも見事に符合するような気がして、だからなんだといわれても困るのですが。
とりあえずはふざけたつもりは全然無いのですが、正直に告白すると多少はあったのですが、このようなふざけたコメントですいませんでした。
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