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以前、多様性を認めるとすれば、「多様性を認めない」という人をどうするべきか、ということについて一文を物したことがあったが、これとほぼ同じ問題をめぐる立岩真也の文章を見つけた。
そこで言われていることを乱暴にまとめてしまうと、多様な信・考えが互いに衝突したとき、
- 中立的な裁定者を装うのでもなく(なぜなら、そんな立場は存在し得ないから)、
- 「あなたはあなた、わたしはわたし」という住み分けを提唱するのでもなく(なぜなら、あらゆる信・考えは、その信・考えを抱く当のものたちの思惑を超え、存外遠くまで及ぶものだから)、
- 言いたいことは言い、積極的にそれら信・考えの内容にまで立ち入り、争論するべきだ
ということである。
これはある意味、「話せば分かる」という「お人よしな考え」と取られるかもしれない。そうでなくとも、何を当たり前なことをことさらに、と白ける人もいるだろう。
だが、もちろんのことだが、立岩真也は「話せば分かる」などとは思っていないし、さらには、当たり前のことを当たり前のこととして確認し、さて、それではその「当たり前さ」はどこから来ているのか、と問うことは、一見「当たり前」に見えないことを「実は、当たり前(理屈で考えて、それほど奇異ではない)なんだよ」と示すよりも、よほど骨の折れることなのだ。
「話せば分かる」というのは、とりあえず常識的で健全な「信」である(ここで「常識的で健全な」という言い回しには、一切の皮肉は含まれていない。大抵の場合、「常識的で健全な」ことは肯定される)。しかし、その「信」にはある種「願望」と言ったところもある。さらには、「じゃあ、話してもわかんなかった場合、どうするの?」という問いについても、この「信」は何も言わない。
ただ、だからと言って、他のやりようがあるわけでもない。話したところで分かるか分からないかは、それこそ分からない。それでも、こちらの言いたいことは言い、聞くべきことは聞くしかない。
こう言ったところで、これもやはり「当たり前」に属するようなことではある。だが、繰り返しになるが、こうした「当たり前」なことをちゃんと言うのは、大変なことだ。
立岩真也の仕事は、極言すれば、「当たり前」のことを、「当たり前」なこととして「ちゃんと言う」ことに尽きている、と言える(「当たり前なことをちゃんと言う」ことの異様さというのは、立岩真也の著作に少しでも触れたことのあるものは、すぐに了解できるだろう)。そして、その「当たり前」とされていることのなかにも、それほど「当たり前」ではないことがあり、その「当たり前でなさ」は決して無視できるようなものではないことも明らかにしていく。
その上で、自らが思う「当たり前さ」というのも、不偏ではありえず、必ず「ある一定の見地から見た場合の、当たり前さ」にどこまでいっても留まる、ということも立岩真也は忘れない。だからと言って、決して相対主義ということではない。
それは、立岩真也の中には並外れた「信」があるからであり、そしてそれゆえにこそ、「他者の信」の並存をも認めていこうとするのだ。
もし裁定者の立場に立ちうるとするならば、両者の<公理系>を明文化するくらいの腕力が必要です。ただ、議論の多くは、<公理系>を明らかにする以前の問題…つまり基礎知識、基礎学力、論理的推論が欠如しているケースだと思う。
今日は、ボヤキが多くて、
「一文…うーん…出かけていくのかよ」
「イマイチイマイチいうか」
「失敗したものであるってなんだろう?」だって。
極めつけは、最後に「カス♪」(泣)
ただ、まあ、あれですよね、問題の根深さや深刻度の大小は違えど、「すれ違い」ってのはいつ、どこにでも生じる可能性があるわけで、そんな日頃のごたごたにいちいち裁定者を立ててるわけにもいかず、じゃあ自前で、それなりに「実り多い」と言われるような「議論=対話」を遂行するか、っつーと、うーむ、なわけです。
おれの場合、性根がいー加減なもんで、「ま、おもろきゃいっか」と流しちゃいますけど。
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