久しぶりにテレビを見た [音]

この間、というか昨日、実家に行って久しぶりにテレビを見たんだけど（自分ちでは全く、1秒もテレビを見ない）、『情熱大陸』という番組に菊地成孔が出ていてのけぞった。

菊地成孔というのが一般的にどれくらい認知されているものなのか、ぼくはさっぱり分からないんだけど、ぼく個人の中での位置付けは、「アングラん中でもややメジャー、かな？」ぐらい。もちろん、東大の講師やってたり、本をけっこう出してたり（この中では『憂鬱と官能を教えた学校』がオススメ。というか、これしか読んだことがないんだけどさ）、タワーレコードと絡んでシングルレヴューやってたりと、それなりの露出度はあると思うんだけど、ユリイカのノイズ特集の鼎談に引っ張り出される、とか、そういうイメージの方が強いからなあ。

テレビ番組自体はまあ、途中からしか見てないというのもあるから何とも言い難し、なんだけど、特筆するようなこともないかなあ。あえて言えば、大方の人と同じく、「ぼくパンツ履かないんですよ」と言いながら、ステージ衣装に着替えるためにカメラの前で何の躊躇もなくフルチンになっていたことぐらいかなあ。でも、それも「豪放磊落なやっちゃなあ」というよりも、露悪趣味というか、いささか狙いがあるというか……全体的に（これは菊地成孔自身も番組中言っていたことだけど）常に他人の目を考えて、その「見られ方」を計算している、という感じだったな。

あと、「音楽は世界平和に役立つか」みたいな「マヌケ」な質問をテレビの人にされてたんだけど、「何の役にもたたないし、むしろ、音楽が戦意高揚のために使われているとか（イラク戦争でもメタリカとかがんがんかけてるって言うしね）、そういう側面に目を向けるべき」という、ごく真っ当の解答をしていて、「あ、意外と地に足着いてるな」と思ったことであります。

それで、実は菊地成孔自身の音楽って聴いたことなかったんだけど、番組中でプレイしていたのを聴いて「けっこういいじゃん」と思ったんで、今度ちゃんと聴いてみよう、と思います。