I am I and I am not I. [ちょっといい話]

言語哲学を少しでも齧ったことがある人は、同一対象を指し示す異なる言葉が引き起こすパズルについては先刻ご承知でしょうが、今日からはじまった言語哲学ゼミでもさっそくその話題が出ました。

で、そうした同一対象を指し示す異なる言葉が引き起こすパズルの例として定番なのが、フレーゲの「ヘスペラス」と「フォスフォラス」だと思うんですが、今日先生が出した例が

Black Francis wrote the song "Gauge Away."
Frank Black wrote the song "Gauge Away."

というなかなかイカしたもので、「Frank Black and the Catholicsしか知らない人は、ひとつめの文章からあらたな情報を得ることができる」とか、「んなわけあるかい！」なことを宣っておりました。

ちなみに、Frank Black formerly known as Black Francisの本名はCharles Michael Kittridge Thompson IVというそうです。

ちなみにちなみに、この例を出した先生は、「だから神はいないんだ！」と絶叫しつつ教室にあるモニタにしたたか頭を打ちつけてしまった先生と、ラジオヘッドとヴィッゲンシュタインについて語っていた先生と、同一人物です。