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夏中に学位論文をそれなりのところまで仕上げなければならないとはいえ、夏休み中はもちろんゼミ等はないのでその分、もっぱらたのしみのためだけになすアクティヴィティに割ける時間もすこぉしだけあるかな、ということで、かがみさん予言を成就させるべく、「100万人のフォーシング」と言うか"Forcing for Philosophers"と言うか"Forcing 101"とでも言うようなものを一般向けに、つまり、広義に謂う「ロジック」の知識を前提とせずに語ってみたいな、と思う。

現時点ではそれをいつから始めるかはまったく未定なれど、全体の構想としてはトップダウン方式で、つまり、なぜ「フォーシング」なるものが考え出されたのか、ということを出発点に(だから、まずは「連続体仮説」とは何ぞや?というところから始める、と思う)、大括りな説明をさいしょに与え、しかるのち細部に進んでいく、つまり、またしても言いかえれば、「フォーシングとはおおざっぱに言ってこうこうこういうもので、それがそうであるのはこれこれのことを処理するためで、それが有効であるのはかくかくしかじかだからであり……」というふうに進めていきたい。

もっとも、とりあえずは、多忙ゆえにぱったりと中断させてしまっている「プリンキピア・マテマティカを読む」をある程度のところまで進行させるほうを優先させるやもしれず(じつは、それなりに原稿は書きためてあるのですが、その原稿を英語で書くなどというばかなことをしてしまっているため、日本語になおしたり、必要な補足をしたり、いろいろ手間なのです)、どうなるかははっきり言ってGod only knowsですが、やる気は満々と言ってもよろしいかと思いますので、おたのしみに(たのしみにしてくれる人がいるとして)。

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ヘブンノウズ…。

「まずは「連続体仮説」とは何ぞや?」なら俺が食い付かざるを得まい…。
期待、してるよ。
宮本浩樹 2008/05/03(Sat)21:26:00 編集
数年前の話ですが、連続体仮説そのものの意味よりも「公理系から独立」の意味が良く分からなかった時期があります。あ、独立性の意味というより、ある論理式とその否定それぞれを充足するモデルが存在すれば良いことが分からなかったのです。ジェネリック拡大は本来の意味でのモデルと言えるかどうかは微妙ですが。さらにその時の経験で、モデル理論で良く使われる「モデルの解釈で真」という言葉は誤解を招きやすいと思います。特に当時はモデル理論を集合論に埋め込んで考る発想がなくて、中途半端に超数学的なイメージを持っていたので、なおさら難しかったのかも知れません。その辺り「モデルで従属可能」と統一すれば良いのではといつも考えています。余談ですが、不完全性定理や連続体仮説のステートメントと直感的な内容は少しずつ世の中に浸透しつつあるような気がします。今一番だめそうなのは「完全性定理」かも知れません。その辺りも含めて面白いお話を聞かせて頂けるとうれしいです。でも『「ロジック」の知識を前提とせず』ということですので、趣旨違いかも知れません。ご容赦の程お願いいたします。
かがみ 2008/05/04(Sun)10:50:00 編集
「モデルで従属可能 」→ 「モデルで充足可能」

一番肝心な言葉を間違えるとは情けないです。
かがみ 2008/05/04(Sun)10:59:00 編集
連続体仮説はメインテーマではないので、それ自体について突っ込んだ記述をするつもりはいまのところないけれど、もっつぁんはいまだによく「連続体仮説とは何ぞや?」についてよく分かっていないと思われるので、これを機会にしっかり学んでください。
はやし 2008/05/04(Sun)15:59:00 編集
以前いずこかで、「不完全性定理より完全性定理のほうが深いような気がする」というようなことをかがみさんが仰ってたと思うんですが、それはぼくも何となくそういう気がするんですよね。何となれば、不完全性定理は、そりゃあもちろんどえらい成果で、証明の手管も見事なものですが、ふしぎに「噛んでも噛んでも味が出る」という感じではない(ぼくの理解が浅いだけだ、と言われたら、返す言葉もないのですが)。そして、その主張するところも、むしろ平明で、「まあ、そうだろうな」という印象を受けてしまう。ひるがえってフォーシングは、と言うと、こちらはこちらでForcing Co. Ltd.とでも呼びたくなるような感じで、へそまがりなぼくとしては「てやんでえ」と思うところがじゃっかんないでもない。それに比べると、完全性定理は控えめでありながら、真に驚嘆すべき主張を含んでおり、しかもそのすごさはまだ汲み尽くされていないような気がする(繰りかえしますが、うえで言ったことはほんとうに「たんなる印象」を1ミリも出るものではなく、浅学ゆえにそう思うだけというところが多分にあると思います)。ただ、とはいえ、完全性定理や不完全性定理や、そして連続体仮説や選択公理に関しては、一般にもそれなりに知られている反面、フォーシングはまだまだマイナーとの観が否めない。ゆえに、当エントリにも書いたように、かがみさんの「不吉な予言」を成就させるべく、立ち上がったわけです。

完全性定理やモデル理論について、何か身のあることが言えるような気もしませんが、そこいらも射程に入れつつ、がんばってみます。
はやし 2008/05/04(Sun)16:13:00 編集
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