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リクエストがありましたので、クラウトロックを聴くうえで、「これは絶対に落とせない」というアルバムを厳選して5枚紹介。多少の個人的好みは入っているかもしれませんが、誰が選んでもだいたい以下のようなセレクションになるのではないかと。それでは、wollen wir anfangen!
Yeti Amon Düül II (Liberty Records, 1970) |
当初はLP2枚組の発売で、おれもアナログで聴いていたクチなので、1枚目の、伝統的な意味での「ロック」っぽさを保った聴きやすい側面と、2枚目の、「これぞクラウト!」的インプロが大爆発する側面のけじめがつきやすかったのだが、いまはCD1枚で、そういう差異が分からなくなっているのが残念。聴くならぜひ、"Pale Gallery"までのアルバム1枚目と、"Yeti"からのアルバム2枚目をきっちり分けて聴きましょう。
Schwingungen Ash Ra Temple (Ohr, 1972) |
アシュ・ラ・テンペルは、音楽的にはアシュラ(Ashra)名義になって、実質マニュエル・ゲッチングのソロプロジェクトになってからのほうが完成度自体は高いと思うのだけど、「クラウトロック」ということで言えば、やはりこの草とアシッドにまみれきったこのアルバム、でしょう。ただ、どちらかひとつというXOR的なものではないので、当然両方聴くべき、です。アシュラではこのベスト盤がおすすめ(ただ、個人的好みで言うと、おれは「オリジナル音源至上主義」なので、こちらのほうを採る)。
Tago Mago Can (United Artists Records, 1971) |
カンはどれか1枚というのがひじょうにむずかしいが、「1枚選ばなければ危害を加える!」とか脅されたら、やはりこれを選ぶ、と思う。これも当初は2枚組アルバムでのリリースだったので、聴く際には当然そのことを留意すべき("Halleluwah"までが1枚目で"Aumgn"からが2枚目)。
Sowiesoso Cluster (Sky Records, 1976) |
クラスターはカン以上に「どれか1枚」というのがむずかしい。ので、ここは個人的な好みを発揮させて、この「しあわせな空虚感」というものが詰まったこれを(ここから「空虚感」を抜いて、そのかわりに「別の毒」を注入すると、ハルモニアになる)。ただ、クラスターはアルバムによってけっこうカラーが違うので、どれも必聴と言える。
Faust IV Faust (Virgin Records, 1973) |
ファウストのこのアルバムは、「クラウトロック」という枠組みを外して「オールタイムベスと」みたいなのを10枚選ぶとしても、たぶん入るであろうような、そんなアルバム。1曲目のその名も"Krautrock"からB面最後の"It's a Bit of a Pain"まで、「間然とするところがない」とはまさにこのことか、という出来。もちろん、ここにいたるまでのファウストの諸作は、トニ・コンラッドとの共作も含めて、いずれも必聴。そのなかでも「あと1枚」ということであれば、Tapes を推す。
以上は、「クラウトロック」という枠組みを外しても通用するようなある種の「普遍性」をも持ったアルバムを紹介したが、以下では、「クラウトロック」という枠組みのなかで不必要に過大評価されているきらいがないでもないが、個人的に好きかどうかを問われたらいちもにもなく「そりゃ好きだとも!」と答えるであろう、そんなアルバムたち。
Neu! 2 Neu! (Brain Records, 1973) |
ノイ!はこの2枚目か1枚目か迷うところだが、やはり2枚目、であろう。
Viva La Düsseldorf (Teldec Records, 1976) |
ラ・デュッセルドルフはノイ!のところで通りすがりに言及すればじゅうぶん、という気もするのだが、やはりこのアシッドにやられきった能天気さというのは別項を設けて指示したくなる何かがある。
UFO Guru Guru (Ohr, 1970) |
バンド名が「グルグル」で、アルバムタイトルが「UFO」、そして収録曲も"Stone In"やら"LSD March"やら、ある意味最強な1枚。最後まで、ベスト5選に入れようかどうしようか迷ったが、やはり全体的なバランス言うと、上記の5選にはちょっと劣る、と思う。
以下は、別に「クラウト」という文脈をそれほど必要としないであろう知名度があると思われるので、あえて5選からは外した。
Electronic Meditation Tangerine Dream (Ohr, 1970) |
おれはやはりこれ、と思うが、やや個人的嗜好が入っているやも。
Radio-Activity Kraftwerk (Kling Klang, 1976) |
クラフトヴェルクは、つい昨日(か?)"Noise/Music" Discsでひとことふたことしたばかりだけど、クラウト文脈ということで言えば、おれはこれ、だと思う。最初期は、"K"のクラスターと同様、クラウトというより、ちょっとちがうところにいっちゃってるし(まあ、好きですけど)。
というわけでけっきょく10枚(じっしつ、それ以上)。いずれにせよ、ここいらはいずれも「基本中の基本」だと思いますので、どれも聴くべき、です。
ちなみに、8tracks に Krautrock: A Primer と称して、クラウト・ロック入門ミックスをあげてありますので、よろしければお聴きください。(ただし、ここで紹介した音盤と1対1対応するものではありませんので、その点ご注意を)
Herzlichen Dank für Ihre Hilfe.
行きつ戻りつ色々な時代の音を聴いてても、やはり自分の琴線にふれる「何か」というのがあるようで。
では、羅針盤に従って探索に出かけます。
ともあれ、よい旅を!
Popol Vuhは…難しいですね、アコを取ればクラウトの根幹たるアヴァンギャルドさが薄れ、エレを選べば前提たるロックが遠のくという。どちらも独特で、はやしさんのいう『色んなこと』をひとりでやっちゃってるなぁと感じました。
僕は殺されそうになったら無難に『ファラオの庭にて』を選ぶと思います。
感想、おすもう、嬉しいですね。いつでも歓迎いたします。
で、ポポルヴは、ほんと、最後の最後までどうしようかと迷ってたんですよ。で、けっきょく、アルバムの紹介枚数を10にしたいという、ひじょうにばかばかしい(ただ、個人的には切実な)理由でけずってしまったんですが、今考えると、ラ・デュッセルドルフは外してポポルヴを入れるべき、だったですね。ただ、その場合も、電子路線とアコースティック路線どちらを選ぶか、悩ましい。zzyさんなら、何をチョイスしますか?
あと、全然関係ないですけど、ちょっと前(いや、かなり、かな)zzyさんが公開していた音源に感想を寄せようと思いつつ、ちょうどめったくそ忙しい時期に重なってしまっており(って、いまもめったくそ忙しいんですが)、そうこうするうちに「さすがにいま感想を寄せるのもなあ」というぐらい月日が経ってしまったわけですが、better late than neverということで、近々何がしかのコメントは寄せたい、といまだに思っております(つうか、ほんとは、時間があればまた、他人のふんどしで相撲を取りたい、と思っていたのですが、それもかなわず)。
で、「忙しい」の連呼で、「こんな忙しいのに返事書いてやってるんだからな!」みたいな印象を少し与えてしまったかもしれませんが、当然そういうことではなく、「いまだそういう状況だからすぐには感想とか書けないかもしれないけど、勘弁ね」といういつもながらのエクスキューズと受けとっていただければ、さいわいです。いや、でも、ほんと大変なんすよ(って、また言ってる)。
それはともかく、「探した」って、ダモ鈴木が路上でめちゃくちゃなフリーインプロを(しかもアコギ1本で)かましているところを偶然見つけただけだったような気が? もっとも、「ちゃんとうたえない人をさがしていた」ということかも。つうか、前任者が前任者だけに、そういうことだろうな。
今8tracksつくり終わったあとなのですが冷や汗をかいておりますw
やっぱりデータで音楽を聞く、CDで音楽を聞く、LPで音楽を聞く。すべてに置いてアルバムを聞いたあとに違ったニュアンスがありますね。
やはり好きなだけにLPでしっかり集めたいと思います!!
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