情報鎖国 [雑]

そもそも日本にいるときから「情報」に執心する質ではなかったのだけど、こちらアメリカに来てからさらにその「情報への執心しなささ」が加速していて、ひどい。

日本にいるときは、まがりなりにも週に数回は本屋やレコ屋に足をはこび、新刊や新譜をそれなりにチェックしていたのだけど（ただ、日本にいる当初から、「人文系」と呼ばれる領域の和書は、あまりチェックしていなかったが）、いまいるアメリカの片田舎にはそんな便利なメガストアタイプの本屋やレコ屋なぞあろうはずもなく、日本にいるときにあったそういう「情報との接点」も絶たれてしまった。

もちろん、あらゆる情報の電子化が喧しい昨今、その気になればネット上でいろいろの情報収集も可能なのだろうが、いちいち個別のページでもろもろの情報を定期的にちまちまチェックするなぞうっとうしくてやっていられない。だから、ごく少数の版元やレーベルから送られてくる新刊新譜情報と、定期購読している学会誌（うち数誌は学術系書評誌）ぐらいがおれの情報源のほぼすべてで、「新しいこと」（ニュース）など、ほとんど何も知らない。

ただ、開き直るわけではないが、これまでばかみたいに蓄積してきた音源と、そして、「情報の新鮮さ」という観点からではなく、「いま自分は何に興味があるか」という側面からその都度その都度引っかかってくる書籍情報でじゅうぶんかな、とも思う。