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「ひさかたの」というのが「神田詣」の枕詞となりつつありますが、ともあれ、詣でてきました。

んで、当初の目的は、と言うと、あちらアメリカで英語で論文を書くとき、母国語ではない言語というのは、かなしいかな、やはりどこまで行っても執筆のさいの「隔靴掻痒」感というのが消えないもので、それをあたうかぎりなんとかせんと『英語活用大辞典』と『斎藤和英』を買おうと思っていたのだが、残念ながら古本では掘り出せず。しかたがないので、あちらでは手に入りそうもないか、もしくは手元に持っておきたいと思うものに標準を合わせ、以下の買い本をした。

  • Nicolai Hartmann, Métaphysique de la Connaissance , Aubier
    しょっぱなからイロモノ、というか、ドイツ語で書かれたもののフランス語訳というびみょうなものだが、ハルトマンというのはほとんど読んだことがないので、まだアンカットの2巻組みのこの本を。書籍としては処女作にあたる、のかな? ともあれ、ストロングスタイルであることはまちがいなさそうです。

  • Christiane Chauviré, Peirce et la Signification , PUF
    パースは、ドゥルーズとのからみもあって、通り一遍以上の理解をしておきたいとつねづね思い、あまつさえ電子テクスト版で全集まで持っているのだけど、いまだにその思想のコアを押さえきれていない人のひとり。副題に「曖昧さの論理入門」と付いていますが、どういう感じなんでしょうか。

  • Edgar Morin, La Méthode 1. La Nature de la Nature , Seuil
  • Edgar Morin, La Méthode 3. La Connaissance de la Connaissance/1 , Seuil
    モランの『方法』(全4巻)も、ずーっと読もう読もうと思いつつ読んでいない本のひとつ。第1巻と第3巻というはんぱな組み合わせではあったけど、安かったので確保。ただ、現行容易に手に入るポッシュ版ではなく単行本版なので、第2巻と第4巻を買い揃えたときの不整合が気になりそう。できれば、第2巻と第4巻も単行本で手に入れたい。(いまアマゾンフランスで調べて知ったのですが、『方法』って現在6巻まで出てるんですか? ぜんぜん知らんかった)

  • Étienne Souriau, L'Avenir de la Philosophie , Gallimard
    スーリオは『美学事典』でその名前だけは知っていたんですが、こういうのも出してたんですね。どちらかと言えば、これの姉妹編である『美学の未来』のほうを読んでみたい気もしますが、そう贅沢は言っていられません。

  • Jacques Van Rillaer, Les Illusion de la Psychanalyse , Mardaga
    精神分析黒書』でおなじみ(なのか?)のリラエによる精神分析糾弾の書。何をいまさら、という感じもしますが、こういうのはやはり読んでてスカッとしますね。精神分析の擁護者たちも、狭いサークルに閉じこもりきりになるのではなく、どんどん反撃すればいいのに、と思います。まあ、勝ち目はないでしょうが。

  • E. Müller, Pali Language , Teubner & Co.
  • Wilhelm Geiger, Pali Literature and Language , South Asia Books
    この手の本はあっちの図書館にいくらでもあるんですが、語学書はやはり常時手元において参照できたほうがいいので。ただ、今日買った2冊とも、ちょっと音韻論にページを割きすぎのきらいはあり、そういう意味ではこの本の付録に付いている「文法のまとめ」みたいなやつがいちばんまとまってたりするんですが。

  • Andrew Ross (ed.), Science Wars , Duke Univ. Pr.
    「ソーカル事件」でハメられたほうによる反撃の書? そのわりには、ぱらぱらと見たかぎりソーカルにも、いわんやブリクモンにもいっさい言及がないのはいぶかしいかぎり。何か、みっともないからやめておいてほうがよかったのでは?という気がつよくします。

  • R.S. Crane, The Idea of the Humanities , Univ. of Chicago
    こういう、品と余裕のある「人文学」というものはじつにいいですね。何というか、下手な実用志向も、そして変な対抗意識もなく(「17世紀における文学と自然哲学の対立」なんていう興味深い論考も収められていたりしますが、そこには「人文学>自然科学」というヒエラルキーを無理に打ちたてようという哀れな下心はまったくありません)、じつにゆったりとした筆致で「人文学の理念」が語られております。人文学は人文学で、その本来の持分をつつがなく遂行していれば、じゅうぶんに立派な仕事ができるんですから、訳の分からん色目や敵愾心を持ち出すべきじゃないと思います。

  • Gareth Knight, A Practical Guide to Qabalistic Symbolism , Red Wheel Weiser
    魔術ものではおなじみのガレス・ナイトによるカバラ実践ガイド。ただ、そもそも魔術なんてぇものに1ミリたりとも信を寄せていないものは、そこに現れるマジカル(=珍妙)なシンボリズムと論理の飛躍をたのしめばいいのです。ともあれ、カバラ理解は、ベンヤミンの(そしてもちろん、カフカの)理解にもじつは必要だったりするので、そうそうバカにはできません。

  • ゲッツ・W.ヴェルナー, ベーシック・インカム, 現代書館
    第1章インタヴュ部分の、ほとんど喧嘩すれすれのやりとりがたのしそうだったので。ベーシックインカムについては、まあ、どっかが思いきって実施してみりゃいいんですよ。

  • 清水義夫, 圏論による論理学, 東京大学出版会
    マクレーンの『圏論の基礎』(原題『現場数学者のためのカテゴリ論』)が出たとはいえ、まだまだ日本では(いや、もしかすると日本以外でも)カテゴリ論というのは「マイナーな分野」に甘んじていると思う。これを機縁にすこしでもカテゴリ論の知名度が上がれば、これに過ぎるはなし。
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