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先般から、このエントリとかこのエントリとかで、その存在だけは言及していた雑音発生機を一般公開します(動かすにはCycling'74社のMax/MSPが必要ですが、お持ちでない方はここからランタイム版がダウンロードできます)。
とりあえず全体の構成を説明しておくと、上図左側に並んでるのが、全体に関わる操作部、そのとなり右側のなにやらヤヤコシそうなのが蟻集しているのが、言うまでもなくじっさいの発音に関わる操作部、んでもって、その下が見てのとおり音量操作部、となっています。それでは、それら操作部を一つひとつ説明していきましょう。
まずは全体に関わる操作部から。ここは、各操作部左側に付いているラベルを見てもらえればだいたいの見当はつくと思うのですが、いちおう説明しておきます。
いちばん上の「AUDIO START/STOP」というのは全体のスイッチだと思ってください。ここにチェックを入れることで、発音がはじまります。
その下の「FREQ/FADER」というのは、MIDI機器を使ってる場合に、そのCC#80-83および87-90をFREQ2(後述)の操作に割当てるか、FADERの操作に割当てるかを切り替えるもの。MIDI機器を使わない場合はまったく無視でかまいません。
「OPEN REC FILE」および「REC START/STOP」は演奏を録音するためのもので、まず「OPEN REC FILE」で録音ファイルを作成したのち(ファイル形式はデフォルトでAIFFになっていますが、WAVにしたほうが無難でしょう)、「REC START/STOP」にチェックを入れることで録音を開始します。
さて、それではいちばんのキモである、じっさいの発音に関わる操作部。
まず、操作部左側の、上部に「s t p」とラベルがあるパートに注目してみましょう。ここでは発音の元となる波形を選択します。ラベルの「s t p」はそれぞれ、正弦波(sine)、三角波(triangle)、そして矩形波(pulse)をあらわします。百言は一聴にしかずですので、とりあえず音を出してみましょう。
上図のように、1行目とラベル「s」が交叉する部分と、上部に数字ラベルが並んでるマトリクス(以降、「結線マトリクス」と呼びます)の1行1列目の交叉部をクリックして赤くしてください(以降、この赤くすることを「結線する」と呼びます)。そして、操作部の右端で上部のラベルが「FREQ」となっているところに「440」と数値を入れEnter(もしくはReturn)でとりあえず準備は完了です。あとは、「AUDIO START/STOP」にチェックが入っていることを確認し、下部のフェーダの左端1列目を上げると、音が聴こえてくるはずです。ラベル「s t p」の部分をいろいろ切替えて、音の違いをたしかめてみましょう。
さて、上でラベル「FREQ」となっているところに「440」と入れましたが、ここは周波数(Frequency)を指定するところで(「周波数」とは、あらっぽく言って「音の高さ」をあらわす、と思ってください)、ここの数値は、ポインタを指定ウィンドウに合わせてクリックし、ウィンドウ左の三角形を黄色にしたうえでキーボードから数値を打ちこんで指定するか、もしくは、ウィンドウにポインタを合わせ、しかるのちマウス(あるいはキーパッド)を押さえながらマウス(あるいはマウスパッド上の指)を上下させて指定させてください。とりあえず、波形を「s」、数値を「100」にして、「ごぉぉぉぉぉ」という低音を響かせておきましょう。
それでは、全体のキモであるこの操作部の、さらにキモである結線マトリクスについて説明します。まず、上で1行1列目を結線したことを思い出してください。これは、「音声発生部1の出力を音声発生部1の入力に送る」ことを意味します。つまり、この場合、音声発生部1の入力を出力をループさせている、すなわち、フィードバックさせている、ことを意味します(余談めきますが、「フィードバック」はすべてのノイズの基本でもあります)。このように、この雑音発生機の基本は、各音声発生部の入力と出力をつなぎあわせること、と言えます。
もう少しチュートリアルをつづけましょう。上で出した低音に、今度はやや金属的な高音をまぜてみます。下図のように、音声発生部2で、波形に「p」をえらび、音声発生部2じしんの入力を出力に送り返す、つまり、結線マトリクスの2行2列目を結線し、さらに音声発生機1からの出力を音声発生機2の入力に送る、つまり、結線マトリクスの1行2列目を結線し、そのうえでFREQを1000に指定してください。
徐々にフェーダの2列目を上げると、「ごぉぉぉぉぉ」というよりは「こぉぉぉぉぉ」に近い音が聴こえてくるはずです。しばし、波形を切り替えたり、周波数を上げたり下げたりして遊んでみましょう。
さて最後に、上部ラベルが「DEL」となってる部分を説明しましょう。ここは、音の遅れ、つまりディレイ(Delay)を操作する部分で、つまり、音の発生と、それを出力に送り出すあいだの時差を意図的に作り出すためのものです。なぜそういうことをするか、というと、言うなればカラオケの「エコー」のようなものと考えてもらってもいいのですが、この時差を意図的に作り出すことで、発生するノイズにもヴァリエーションが加わるからなのです。じつは、このDELパラメータには、表示ウィンドウはおのおの「0」となっていますが、デフォルトで128が指定されています。ためしに、周波数を指定するときと同じやり方で、このパラメータを0にしてみてください。出音がかなり顕著に違うはずです。
(MIDIコントローラを使いたい人のために)
MIDIコントローラを持ってる方は、周波数、および音量フェーダの操作がMIDIを通してできます。周波数は1つの音声発生部に対してFREQ1とFREQ2の2つのパラメータを操作でき、結果的に発生する周波数はFREQ1*FREQ2になります。割り当てられているCC#はFREQ1がおのおのの音声発生部に対して16-19および48-51、FREQ2が80-83および87-90となっています。また、最初に説明したFREQ/FADERの切替えがCC#44を通じておこなえます。この場合、CC#44の設定をトグルモードにしてください。なお、MIDIで操作した結果の周波数は、波形選択部と結線マトリクスのあいだのところに表示されます。
以上でざっくりとした説明はおしまいです。言葉では分かりにくい点も多々あるでしょうが、習うより慣れろです。いろいろいじってるうちに、いろんなことが分かってくるでありましょう。なにか質問等がありましたら、お気軽にコメント欄へ。
なお、パッチの改変およびその改変したパッチの再配布、もしくはこのノイズマシーン使って制作した作品の配布はまったくの自由です(が、それらの改変物や制作物を伝えてもらえるとうれしいです)。
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