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お題は、スティーヴが近年、ティエリ・コカン(Coq の人)やウラジミール・ヴォエヴォドスキー(フィールズ賞受賞者)とともに精力的に研究しているホモトピー型理論についてで、これがめっぽうおもしろかったんでまとめがてら近日中ブログに何か書ければいいなあと思っていますが、今日は、ちょくせつ講演の内容とはかかわらないけどちょっとおもしろかったことを少しばかり。
- 計算機科学のための圏論
- 論理学の哲学
- 数学の基礎(集合論/数理論理学/圏論の初歩)
- 証明論
ただ、今期は、博論執筆にさらに追われるであろうことに加え、モデル理論の勉強会にも参加する予定なので、「よゆう」があるかどうか、はなはだあやしいのですが。
※「計算機科学のための圏論」は、ガロア理論のグロタンディーク的取り扱いがおもなトピックになるとのこと。めちゃくちゃ気になる……。
※※ というか、ガロア理論のグロタンディーク的取り扱いって、計算機科学にそこまでかかわりがあるのだろうか。
クセナキスに謝辞が述べられている。
以前、集合論における重要概念/技法である「強制法」を「バカ dummies」にも分かるように解説したい!という無茶なことを目論んでいたわけですが、Fu aka tri_iroさんのところにひじょうにすばらしい強制法の解説がすでにあることを発見しました。
Fuさんの解説は、集合論にあまり馴染んでいない人や、さらにはそれなりに馴染んでいても素通りしてしまいそうな箇所を直感的な言葉でパラフレージングしつつ、しかもテクニカリティもないがしろにしないというバランスのとれたもので、これはもう、ぼくなぞの出る幕はありません。もちろん、Fuさんとてすべての側面をことごとく解説しているわけではなく(そんなことをしはじめたら、もう本を1冊書くしかない)、読者のがわにじゃっかんの前提知識が要求されるところもありますが、それとても「それぐらい自分で勉強しなよ!」ということだったりするので、きわめて「自己完結的」というに近いものになっていると思います。
というわけで、べらぼうにおすすめです。ぜひ。
飯田『言語哲学大全』隆大先生の証言によると、どうもすてきにおもしろそうなラッセルの『数学の諸原理』ですが、待てど暮らせど翻訳される様子がなく、また、今後もそういう運びになるようにも思われないので、勉学のあいまの息抜きもかねて、ちょぼちょぼ翻訳をしていくことにしました。
『数学の諸原理』原文はすでにパブリックドメインに入っており、ネット上で全文参照可能ですので、どなたでも「やるぞ!」という方は手伝っていただければ。
前回まででブラウン著Philosophy of Mathematicsにおける、「連続体仮説がまちがっている」ことのひとつの「説明」を見たが、そこでの議論は、「集合論をすこし齧ったことがある」という程度のおれのような人間にも「この議論の運びって、ありなの?」という疑義を出来させずにはおかないものであった。今回は、そうした「疑義」を指摘しつつも、そうした「穴だらけ」と思える「説明」の「功徳」とでも言える点を、せいいっぱい擁護したい。
周知のとおり、ZFCにおいては整列可能定理が成り立つわけですが(じっさいには、選択公理と整列可能定理とは同値)、他方、Rの整列部分集合は可算となることが示せます(たとえば、Set Theory and Its Philosophyのp.177などを参照)。ところで、このエントリで見たように、範囲[0,1]は可算となりませんが、しかし、範囲[0,1]は整列可能定理により整列可能であり、かつRの部分集合なのですから、「Rの整列部分集合は可算となる」という主張により、これは可算でなければならない。つまり、ここで言われたことはいっけん矛盾しているように見えるわけですが、ここいらはどのように切り抜けるんでしたっけ?
マイケル・ポッターの『集合論とその哲学』は、たしか出てすぐに買ったにもかかわらず、ぱらぱらと流し見ただけで(「読んだ」ではない!)「あんま哲学っぽい記述がなくって、ふつうの集合論の教科書みたいだなあ」と思ってしまったので、ながらく積ん読状態だったのですが、さいきんまたしても懲りずに始めてしまった新企画「連続体仮説を反駁するために」を書くさい、その一部をそれなりにちゃんと読んでみたところ、これが何ともよい出来で、「買ったときすぐにちゃんと読んでおけば」と後悔しました。
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