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そんな曲もぼくは好きだ。
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そんな曲がぼくは好きだ。
映画をみていると、既存の曲がとてもうまく使われていることがあって、ある場合には、「うまい」というを通りこして(よきにつけあしきにつけ)「ずるいなあ」と思わされることがあります。その「ずるさ」ってのは、「くさいほどはまっている」というものから、「ここでこれを使うのか!」というものまでいろいろあると思いますが、(いま思いつくかぎりで)ぼくのなかで印象に残っている「ずるい音楽の使われ方がされている映画」は以下のような感じです。ひとつめとみっつめは「くさいほどはまっている」という「ずるさ」、ふたつめは、これはその「ずるさ」自体が話題になったりもしたので、「ああ、あれか」と思う方も多いと思いますが、「ここでこれを使うのか!」という「ずるさ」ですね。(どんな曲がどういうずるい使われ方をされているのかはふせておきますので、どの映画もそれなりにおもしろいことですし、気になる方は実地にたしかめられることをおすすめします)

あと、全体的にクラシック・ロックが効果的に使われている以下の映画も、ある音楽が「ここでこれをこういうふうに使うか?」という(人によってはじゃっかん「あしき」のほうに印象が流れるであろう)使われ方をしていますね。ぼくの奥さんは、その音楽が使われるシーンを見るたび、「ほんとどうなの、これ」と言います。

また、全編ダーク・アンビエントやブラック・メタルが流れる以下の映画も、通常あまりこういう映画と結びつかないであろうあるアーティストの音源も効果的に使われており、映画の雰囲気を逆照射してそのアーティストの音盤を聴きかえしてみるのも一興です。(過去にこの映画の音楽について記事を書きましたが、まだこの映画を見ていない人にいらぬ先入見をあたえないためにも、あえてリンクははりません)ほかにももっと「ずるい音楽の使われ方がされている映画」はあったはずなんですが、いま思いうかぶのはこのぐらいしかないので、とりあえずこれにて。
大学生のころの話。友だちの一人が本郷に下宿していた。そこは、風呂なしトイレ共同という絵に描いたような安下宿で、そんなところだからとうぜん冷暖房は設備されていない。だから、冬になるとその友だちは、ありったけの服を着こんで、「寒いね」と笑いながらウォッカをあおっていた。

ある夏の日、ぼくはその友だちのところに遊びに行った。とても暑い日だった。いつものように、高尚なようなどうでもいいようなことをめぐって、ああでもないこうでもないと話こんでいつのまにやら夜を明かし、しばしの仮眠をはさんで迎えた次の日の昼下がり、友だちが一枚のCDをかけた。それは Verve からの Nova Bossa というボッサ(というか、トロピカリアの、と言ったほうが適当かな)のコンピ盤で、うだるような暑さと徹夜明けでぼんやりした頭に流れこんでくるそれは、とても気持ちよかった。
ジョン・フェイヒイのドキュメンタリー『ブラインド・ジョー・デスを探して』を見ました。

見たことのあるフッテージも多く、関係者による証言もそこまで新しい発見をもたらしてくれるわけではありませんが、動くジョン・フェイヒイがまとめて堪能できるという点ではよかったです。とくに、女の司会者の人との番組で、目はトロンとしているししゃべる言葉は不明瞭きわまりないしその受け答え自体も人生なめきった感じなのに、いざギターを弾かせるとやっぱりあの「ジョン・フェイヒイ」に他ならず、その人柄の徹頭徹尾自堕落な感じによって演奏の神気迫る感じが際立つところとか何とも言えません。


それにしても、つねにトロンとした目でしゃべる言葉は不明瞭きわまりなくベッドサイドには薬の瓶が散乱しているというどこに出しても恥ずかしくない社会不適合者なのに、何食わぬ顔でUCバークリーの哲学科を経てUCLAで修士を取ってるとか、ちょっとずるいですね。(もっとも、社会不適合者だからこそ、そういうキャリアをたどった、とも言えそうですが)
「スクラッチ・アシッドをサンプルに使った Alt R&B!」ということで(ごく一部で)話題になっているシャミールの「ダーカー」ですが、「スクラッチ・アシッドをサンプルに使った」という部分のみに惹かれて聴くと、その使われているサンプルはあまりスクラッチ・アシッドっぽくないもの(「オウナーズ・ラメント」)なので、ちょっと肩すかしかもしれませんけど、「ダーカー」自体はひじょうに良質な Alt R&B なのでアルバムも聴いてみようと思っています。
ここカルガリーでは毎年 Sled Island という街をあげての音楽祭が開かれており、例年「どマイナーというほどではないけどそこそこマイナー」といった感じのいい塩梅な人たちがけっこう来ているんですが、今年のラインナップはしょうじきいまいちかなあ、と思いました。今年は呼び屋役(スカした言い方だと「キュレーター」っつうんですか?)を Godspeed You! Black Emperor がつとめるということでちょっと期待していたんですが、「見たいなあ」と思うのは Jaga Jazzist と Son Lux と、あと Lightning Bolt ぐらいなもんで。いや、ふつうに考えると、GY!BE 以外にも Television(!)とか Yo La Tengo とか Swervedriver とかも来るんで、豪華ではあるんですが。

あと、去年まではチルウェイブ系とかウィッチ系がちらほらいたのに、今年はほとんどいないのは、これらのジャンルが本格的に下火になったのか、あるいは、GY!BE の好みなのか。
ぼくが最初に買ったレコードはスレイヤーの『レイン・イン・ブラッド』だという話はこのブログでも何回かしたと思うのだけど、そういう縁もあって、レコードを買いはじめたころはスラッシュ系や、そこから派生してふつうのメタルの音盤をけっこうよく聴いていた。ただ、レコードを買いはじめてからほどなくして「ジャンク」と日本では呼ばれていた音楽にどっぷりとはまり、そこからノイズやらなにやら一般性のよりない方向に行ってしまったので、メタルを聴いていた時期というのはそれほど長くない。それでも、そのころ聴いていた何枚かはいまでもたまにふと思い出しては聴いている。そんな、いまでもたまにふと思い出しては聴いているメタルのレコードを、いくつか。
デイヴィド・グラッブス初の単行本『レコードが風景を破壊する』を読んでいたら、「パブリック・イメージ・リミテッドの『デス・ディスコ』をどの回転数で再生すればいいのかすぐには分からなかった」というエピソードが出てきて、さらに、「ただしい」回転数を突きとめはしたのだけど自分の好みは「まちがった」回転数のほうだったと書いてあって、ものすごく「ある! ある! そういうことある!」となりました。

ぼくの場合、すぐには「ただしい」回転数が分からなかったレコードというと、バットホール・サーファーズ『へアウェイ・トゥ・スティーヴン』、サン・シティ・ガールズ『ブライト・サラウンディングス・ダーク・ビギニングス』、そしてウィーン『ピュア・グアヴァ』あたりがぱっと思いうかびますが(『へアウェイ・トゥ・スティーヴン』は誰でもさいしょは迷うと思う)、とくに『ピュア・グアヴァ』にかんしては、だいぶ経ってからCDで聴いて、それまで「まちがった」回転数でずっと聴いていたことが判明してびっくりした覚えがあります。

いまだと、音楽はデジタル形式で供給されることが多く、よほどトリッキーなことをしていなければいやおうなく「ただしい」かたちですぐさま聴くことができ、そういう意味では便利で「まちがいがない」とも言えますが、そのいっぽうで、「どの回転数で聴けばいいんだろう」と試行錯誤することもレコードを聴くたのしみのひとつでもあり、さらに、たとえそれが「まちがった」ものであろうと、再生速度を自分で決められるという意味でレコードのほうが「自由度」が高いよなあと思ったりもします。(もっとも、レコードの再生速度にしたって、基本は二種類しか用意されていないので、それほど自由度が高いわけでもないですが)

もちろん、デジタル形式の音楽でも、何らかのアプリを使うことでレコードのそれ以上の自由度をその聴取にあたって得ることはできますが、そういうちょっと「特殊」とも言える方図をとらずとも、日ごろ使っている音楽再生アプリにお手軽な再生速度調整機能が付くようになればいいんですけどね。(そして、メジャーな音楽再生アプリにこぞってそういう機能が付くようになり、デジタル音源をリリースする側でも、デフォルトでは「ただしい」速度で再生されず、聴く側に試行錯誤が要求されるようになると、めんどうだけどたのしいと思う)
センター試験が2週間後に迫った年明けの夕方、ぼくはむしょうに本屋に行きたくなっていた。いまだったら、それこそ元旦から開いている本屋ですらそれほどめずらしくはないだろうけど、ぼくが受験生だったころはそんな本屋はほとんどなく、年始から開いている本屋を求めて電車に乗り、「あそこだったら開いているかもしれない」という本屋にあたりをつけて途中下車をくりかえさなければならなかった。さいわい、三回目の途中下車で開いている本屋を見つけた。店内はとうぜんのように誰もおらず、「なんで年明け早々バイトなんだよ」というオーラを全身から漂わせている人が気だるげに店番をしていた。その本屋はなかなかに品ぞろえもよく、それなりに本屋欲も満たされ、さてそろそろ帰るかなと思ったそのとき、店内に "Strawberry Fields Forever" が流れはじめた。ぼくは巨大な空洞に撃ち抜かれた。あるものが永遠に失われているのだけどそれが何かは分からない、そんな絶対的な取り返しのつかなさとからっぽさ。そんな感じにおそわれた。だからいまでも、"Strawberry Fields Forever" を聴くたびに、それら喪失感と空虚が揺曳するのを感じる。
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