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和風メイド喫茶を出てから、じゃあどこかゆっくり出来るところ、たとえばファミレスなぞで談笑でも、というお定まりのパタンに、誰が言い出すでもなく成りいったので、適当な場所をさがしてまだそぼれつづける雨のなか彷徨すると、ほどなくして「Coco's」という、少なくともおれの活動圏内では見たことがないファミレス風の飲食店が見つかった。
そこは、お代わり自由のドリンクバーもあればメニューも「それ風」で、名前は馴染みはあらねどまさしく「ファミレス」であったのだが、ただ、来ている客があまり「ファミリー」という感じではなく、まあもちろん、どこのファミレスにしたって客層はむしろ「ファミリー以外」というのが常態なのだろうけど、それにしても、おれが知っているどのファミレスの雰囲気とも異質なものだった。デートクラブの引き合わせのような集団、ゲームのキャラデザインをしているやつら、腐女子系の作品論評会……。
そういう場にわれわれは、じつに5時間近くも滞在していたのだが、何かについて主題的に語る、というよりも、ある話題について語られていても、話者にも予想のつかない飛躍、不意の沈黙による中断、などにより絶えず断ち切られ滞り、それがまた何とも言えぬ味わいになっている、という風情だった(この味わいを伝えるには、その場の音声を録音するしかない、と思い、ザウルスのボイスレコーダでそれを実現しようと思ったのだが、それなりの全方位型マイクロフォンがなければちゃんとした録音はできぬことが分かり、断念した)。なので、そこで語られたことのいちいち、たとえば「革命」についてだとか「イヤなこと」についてだとかをここに書き記すのではなく、それを語る話者、つまりシータさん、永遠小僧さん、そしてまるきについて、おれが感じたアトモスフィアを記そうと思う。
シータさんは、存外に「コア」のある人だ。ただ、そのコアは、何か実体的に「それ」と名指せるような何ものか、ではなく、「〜ではなく〜でもない」と、謂わば否定の果てに見いだされるような、そんな「何か」である印象を受ける。シータさんはその、もしかしたらそもそも言語化可能ではないかもしれない「何か」を懸命に言語化しようとし、手探り手探り(ときには、「命がけの跳躍」で)突き進む。ときに分かりづらいことを言ったりもするが、そうしたときこそ、そうした「コア」にもっとも近づいている瞬間なのだろう。そういう瞬間こそ、こちらも食い下がり、煙たがられるぐらいにことばをおっかぶせていかなければならない。
永遠小僧さんはその発言のいちいちが、もっともらしくはあるものの、突っ込んで考えると、いや、それどころかその発言がなされたそばから、「ほんとかよ?」という感慨を催さしむる。つまり、そうした発言そのものの妥当性ということが専一に問題になるというよりも、よしそれらの発言が一定の妥当性をもつとしても、それを永遠小僧さんが本気でそう思って言っているのか、よく分からないところがあるのだ。だが、そうした想いをいちばんつよく感じているのはじつは、永遠小僧さん本人なのかもしれない。こうした自己表出にあたっての「ゆれ」をもっともよく象徴していたのは、ファミレスでは「(自分のブログを)嫌悪感を感じさせるぐらいどうしようもないものにしたい」と言っていたくせに、帰りの電車のなかでは「いい人に書いてくださいよ」と自分の書かれぶりについておれに注文をつける、という、自己背反的なもの言いであろう。別れ際の、度を超して丁寧な物腰も気になる。
まるきは、根はどうしようもないぐらいのんべんだらりとしているのに、ヘンに生真面目なところが問題だ。抱えている案件自体はシンプルなものなのに、そうした側面がことの解決を阻害している。この際、方向性をどちらかに固定化し、やりたいことはやる、やりたくないことはやらない、でいいではないか、と思うのだが、そうした決定すら怠惰と生真面目さに阻まれてしまうのだろう。今後は「やくざなドラマー」としての道を往くらしいので、途中で引き返してくる予感も濃厚にするが、面白半分冷やかしていこう。ま、がんばってください、テキトーに。
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