ギリシア・ラテン引用語辞典 [本]

昨日の「日本語好きの100の質問」に答えながら思った、「辞書自慢してー」というのを、有言実行。第一弾は、「ギリシア・ラテン引用語辞典」（岩波書店）。

これを購入したのは、確か大学の1年か2年の頃。ギリシア語とラテン語の授業を取っていたので、何か短いもので、読解の練習になるようなものはないだろうか、と探していたところ、まさにうってつけ、という感じのこれを見つけ、一も二もなく即座に購入したのだった。

とはいえ、あまり「読解の練習」という用途に用いられることはなく（読解の練習には、これに収められているような短文ではなく、やはりある程度の纏まりがないとダメだ、ということに気付いたのだった）、ただひたすら楽しみの為に読んでいた。何を調べるでもなく、漫然と1ページを開く。そうすると、

finis alterius mali, gradus est futuri.（一つの禍の終は来たらんとする禍の階段なり）

という、ワインバーグの「ルバダガの法則」（だっけ？　追記：「ルタバガの法則」だった）を思わせるものにぶち当たったり、

credo te flere.（私は汝が泣くと信ず）

という、イマイチ何でこれを取り上げたのだか理解に苦しむようなものまであり、飽くことがない。

「引用語の集積」という意味では、ギリシア語編の方が格段に面白いのに、量的に言うと断然ラテン語編の方が多いのがちょっと不満といえば不満だけど、そんなことは些細なこと。

秋の夜長のお供に是非。