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今日、書庫(としか言いようのない感じになっている部屋)で探し物をしていたら、情況2003年12月号「特集・『千のプラトー』を読む」が出てきたので、「これはこれは」という感じでぱらぱら読み返してたら、以前にちょっとネタにしたことがある財津さんの「講義」が載っていた。
で、全体的に見ても、「よくもまあ」というぐらいに無防備に「突っ込みどころ満載」な話をしているんだけど、その中でも特に、「これはちょっとなあ」とおれが思ったところ。
……『シネマ』の第1巻第2章に、ちょうどコンピュータのOS理論、たとえば最近主流になったUNIX理論でもそうですが、そのOS理論における「情報の入れ子」という考え方ときわめてよく似た考え方が提出されており、映画構成のひとつの論理として説明されています。ドゥルーズは、ある面で、UNIX理論に先行していたのではないかとさえ思われます。
……ね? ひどいでしょ?
もうほんと、「どっから突っ込めばいいのか……」って、逆に途方に暮れさせられるけど、箇条書きしてみると、
- 最近主流になったUNIX理論?
- だいたい、「UNIX理論」って、何だ?
- OS理論における「情報の入れ子」? Lispとかの再帰函数とかのことか?
- ケン・トンプソンがUNIXを実装したのは1969年だから、1983年刊行の『シネマ』のドゥルーズがUNIXに先行のしようもないと思うのだが……。
って感じで、財津さんが真摯であることは疑い得ないんだけど、それにしたってこんな初歩的なとこで間違えちゃうような、知ったかぶりをかます人の言うことに(って、こんな「知ったか」をかましちゃうような人は、あんま「真摯」ではないか)、あまり耳を傾けようという気は起こらないことは確か。
それはそうと、『シネマ』の翻訳はどうなったんでしょうか? 結局誰の手に渡ったんです、あれ? まだ宇波さんが握ってる? 何か、もう、駒場の人たちにまかせちゃえよ、って思ったりも。ま、どーでもいいや。
それで、版権自体は版権エージェンシーから出版社が取得する、というのが普通なんですが、版権を取った出版社としても、頼んだ仕事が「待てど暮らせど」だとちょっと代替を考えんでもないだろうし、そういう動きを聞きつけた人たちとしても、当初の訳者が投げ出すかもしれない、という思惑の下、翻訳を別個進めちゃったり、ということもあるわけです。
『シネマ』自体、の話ですが、別段「超超難解」ではないですよ。というか、ドゥルーズの本としては分かりやすい部類に入ると思います。ただ、何しろ「長い」ってのと、扱われてる題材、つまり、取り上げられている映画を知らなければ、「?」となっちゃう、っていう、理論的な難しさとは違う「難しさ」があるとは思いますが。
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