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それが「通俗的」なものか「高踏的」なものかにかかわらず、電子音楽にはカバーや再演というものが少ない。「通俗的」なものにかんしては、「リミックス」というものがあるけれど、それらをカバーや再演として捉えるのはちょっとむりがある。(こういう状況にあって、特筆すべき例外はAlarm Will Sound という室内楽団によるエイフェックス・ツインの楽曲のカバー集だろう。こころみとしておもしろいだけではなく、それそのものとして、とてもいい)

よりいぶかしいのは、「高踏的」な電子音楽の場合だ。それらには、たいてい楽譜が存在している。ということは、再演が積極的に推奨されているかどうかはともかく、楽譜が存在する電子音楽を再演することはそれほどの原理的困難はともなわないはずだ。それなのに、「再演された電子音楽」は、作曲者じしんによるものをのぞけば、極端に少ない。その理由としては、「ある種の音楽作品にあって、楽譜はあくまで『イデア』としてそこにあるのであり、それは再演のためにあるわけではない」という中ザワヒデキの指摘が思いうかぶけど、それにしたって、せっかく楽譜があるのだから、もっと無責任に電子音楽の再演が試みられてもいいはずだ。

だから、ぼくはいつか、シュトックハウゼンの『コンタクテ』を、あたうかぎりその楽譜に忠実なかたちで、とはいえ、その現れとしてはシュトックハウゼンじしんによるものとはまったくべつなものとして再演したいという夢を持っている。
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