聴音日記 [音]

ワルシャワの新譜情報のなかから、すでに持っている、あるいはアマゾンディジタル販売などで容易に入手可能なものを聴き倒す。

Trlingual Dance Sexperience Dorian Concept (Affine Records, 2009)

アマゾンのディジタル販売で200円ほどだったので、ものはためしと購入。ピッチベンドをかましまくったシンセのラインはなかなかおもしろいが、どの曲にもこういうシンセが入っているとちょっと一本調子なのではと思ったり（すくなくとも、今回聴いた2曲入りシングルでは、どちらの曲も似た感じに思えてしまった）。ただ、前のめりなグルーヴ感は評価したいところなので、機会があれば今年出たアルバムも聴いてみようかと。

Drift Nosaj Thing (SOUP-DISK/CORDE, 2009)

ジャケの感じがベンベキュラ（だっけ？）を思いおこさせたので聴いてみたが、ちょっと淡々としすぎ。どちらかと言えばおれは「淡々としてもの」が好きだけど、たとえば何か読みながらバックで流していると、何の引っかかりもなく全編が終わってしまう。（もっとも、「何か読みながら」という、音楽に全身全霊かたむけて向かい合っていない姿勢こそが批判されるべきなのかもしれないが）

追記
後半に行くにつれ、だんだんよくなってきた。

Whiskey Leaves Green Blossoms (Digitalis, 2009)

大好きなレーベルDigitalisからのリリースで、けっこう期待して聴いたんだけど……ちょっといまいち。その「いまいちさ」は、全体に「衒いのなく」やろうとして、そのことがぎゃくにある種の「衒い」を出現させてしまっていることに起因するように思われる（そして、そういう事例はことのほか多い）。ワルシャワでは「ツジコ・ノリコとか好きな人におすすめ！」と書かれていたけど、ツジコ・ノリコが好きであればあるほど、ものたりなく感じると思う。

A Little Bliss Forever White Hills (Drug Space Records, 2008)

新譜情報にこれが載っているのを見て、これって新譜か？といぶかしく思ったら、どうやらセカンドプレスが入荷したそうで……それはともかく、音は「けだるいディープ・サイケ」ですんでしまうようなもので、もちろんそういう音はきらいではないのだけど、どこか物足りない印象を受けてしまうのもたしか。少なくとも、「PiLミーツCan、もしくはLes RallizesがThe Stoogesと乱闘しているような」という、ほんとうにそうだったらものすごいであろうようなものではないです。

Found Songs Olafur Arnalds (Erased Tapes, 2009)

しょうじき、退屈でした。お前の音楽的感性が摩耗しているだけなのだ、と言われれば、まあそうかもしれんけど。（ちなみにおれは、ヘリオスは大好きだけど、ゴルトムントは何とも思わないクチです）

Get Color Health (Lovepump United, 2009)

これはけっこう好み。たとえて言うと、アグレッシヴになったマホガニー、といった感じか。もちろん、この人たちのことを好きなあなたにもおすすめです。まあ、何にせよ、おれはこういう茫としたヴォーカルものによわいんだよね。

追記
後半に行くにつれ、かなりノーウェーヴ風味もつよくなってきた。何にせよ、好みです。

Mister Pop The Clean (Morr, 2009)

可もなく不可もない……おれのなかでもはやMorrは、「出たら買う」というレーベルではないのかもしれない。