怠惰、かつ不誠実な聴音生活 [音]

さいきん、買った音盤をじっくり聴き込むということがあまりなく、ほんとうに「消費する」という感じで、これはあかんな、と思っている。

中学・高校時代は、如意になる資金がなかったということと、そしていまのように手軽に情報が得られ、そうした情報源からシームレスに音盤を購入できてしまうという、それだけ取れば「すばらしい」と言える環境がなかったゆえ、1ヶ月に聴ける音盤など知れたもので、ゆえに、それら限られたものをじっくりと、何度も何度も繰返し聴いていた。

それがいまでは、せっかく手に入れた音盤でも、初聴で気に入らなければふたたび聴くことは絶えてなく、あまつさえ「ちょっといいな」と思ったものですら、つぎからつぎへと発売される音盤の波に飲み込まれて、複数回プレイヤーにのることはまれになる。これは、言うまでもなくもったいないことであり、そして、それら音楽を作った人たちに対して失礼なことでもある。

だから、これからはいっそ「これぞ」というもの以外は買うのを止めにして、これまで節操なく収集してきた音盤に、相対的にではあれ、じっくり向かい合いたいとは思うものの、いまこうしている瞬間にも「いまだ聴いたことのない珠玉の1枚」が録音され、そして売られているかもしれないと思うと、そういう挙措にはなかなか出られない。

だいたい、DVD2枚組で、1枚には100分以上の映像、そしてもう1枚には200曲以上のMP3音源が収められたBad Acid（マイスペースなので音が出ます）という雑誌（なのか？）の最新号とバックカタログを注文しちゃってるわけで、その時点でもう、何をか言わんや。