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二日つづけて買い本エントリで心ぐるしいですが、おおむねおれのやってることと言えば「買う(借りる)読む」なので、まあ致し方ありません。


 Mathematical Thought and Its Objects
Charles Parsons
(Cambridge Univ Pr, 2008)

哲学における数学』という直球なタイトルの本でおなじみのパーソンズによる、ながらく待望されていた論文集。

キンドル版もあり、そちらはじゃっかん値段も安く設定されていたので、かなり長いことキンドル版か実体版かどちらを買おうか迷っていたのだけど、キンドル版は数式(論理式)の「組み」が気に入らず、しかも、そもそも高い本であるので、そういう本は実体を有する形態で買ったほうがよいような気がして、けっきょくふつうに買った。

届いたばかりで、まだ目次と序文をさらっと読んだだけだけど、from cover to coverで読んどかなきゃまずそうな本ですな。


 An Introduction to Non-Classical Logic: From If to Is
Graham Priest
(Cambridge Univ Pr, 2008)

このあいだちょっとふれたように、第1版に比べてページ数がほとんど2倍にふくれあがった、グラハム・プリーストによる非古典論理の入門書。

で、なにゆえにそんなにもページ数がふくれあがったのか、と言うと、本書第2版序文でも言われているとおり、当初は第1版の続刊として別個に出版が予定されていた「量化非古典論理」に関する部分を、第1版(を改訂したもの)にくっつけることにしたから、との由。それだったら、その「量化非古典論理」の部分だけすなおに出版してくれよ!と思わないでもないけど、まあそもそもそれほど高いものでもなし、いいことにしましょう。

内容に関しては、ざざざっとスキミングした印象では、ほんとうに「入門編」という感じで、もうちょっとこってりとしたものを期待していただけに、そういう意味ではやや期待はずれ。とはいえ、おれじしん「入門をちゃんとやっとけ!」という具合でもあるので、つつしんで拝読させていただきます。


 Theories of Scientific Method: An Introduction
Robert Nola
(Mcgill Queens Univ Pr, 2007)

このあいだ理工学図書館の新入荷の棚で見かけ、そのときは借りなかったのだけど、さいきんになって「ちょっと読んでみようかな」と思い、借りようとしたら、どこぞかの院生が借出しており、来年の1月まで戻ってこないので、買ってしまった。

内容は、「科学方法論総ざらえ」と言ってもよいぐらいまとめられており、ひじょうにたのしく読めそう。最終パートでは、ぐっと哲学よりに、諸科学方法論とナチュラリズム・プラグマティズム・リアリズムとの関連を論じており、いまのおれのやっていることに関係がないでもない(というか、大あり)。


 Consciousness Explained
Daniel C. Dennett
(Back Bay Books, 1992)

来週学校にデネットが来るので(そして、デネットを囲む朝食会というものが企画されており、それに出るかどうかは、まだ考え中)、あわよくばサインでももらおうかと思い、デネットの数ある著書のなかでもけっこう好きなこれを(ちなみに、翻訳の『解明された意識』という邦題は、ややミスリーディングなような)。


 The Faber Book of Pop
H. Kureishi and J. Savage (eds.)
(Faber and Faber, 2002)

1942年から現在(のちょっと手前)にいたるまでの「ポップの文化史」といった感じのもの。となり町の本屋で安かったので、どういう本だか詳しくは分からなかったけど、とりあえず買い。索引に"Madchester boom"なるエントリを見つけ、死ぬほどなつかしく、そしてこっぱずかしい感慨を味わう。


 Paradox and Paraconsistency: Conflict Resolution in the Abstract Sciences
John Woods
(Cambridge Univ Pr, 2002)

これも、上記The Faber Book of Popを買ったのと同じとなり町の本屋で。

これはタイトルどおり、パラコンがらみの論文をいくつか所収したもので、そこらへんのことをちょっとでも知っていれば、いずれの論文もたのしめるのではないかと。

ちなみに、これは誰でもが読めるものなのかどうか自信がないですが、この本の序文の元になった「ポストモダニズムがどんだけ大ばか野郎か、ってだけのこと?」という、じゃっかん(いや、かなり、か)意地悪な文章がネットで読めます

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Woodsの論文の題名の邦訳がミスリーディングに思います。この場合の「Just」の和訳は一対一にピッタリ合うのがなくて困りますが「そもそもホントのところは、実のところ正確には...」といったニュアンスであり、「~だけ」の意ではなかろうと思います。
4space 2008/09/06(Sat)23:53:58 編集
Woods論文の題名の訳は、ぼくもちょっと迷ったんですが、"Just how stupid is postmodernism"ときてふつうに思いうかぶ「ポストモダニズムって、やっぱ大バカなんじゃん?」(justがhowの強調になる)というものだと、その内容を考え合わせたときにむしろミスリーディング気味になる、もっと言えば、Woodsがpostmodernという言葉に対していだいている多義的で、ゆえに積極的に「ミスリード」を誘うような部分が殺がれるような気がして、英文解釈的には破綻していても、"Just how stupid is postmodernism?"に"Is it just how stupid postmodernism is?"(この場合だと、justはhow以下の節全体にかかる)の風味を重ねあわせ、このようにしました。もっとも、こういう解釈も、ぼくがこの論文を読むまえにすでに"Paradox and Paraconsistency"の序文(本文でも言ったとおり、この序文は"Just how stupid..."を下敷きにしています)を読んでいたからこその「勇み足」であることは否みえず、ご指摘のとおりちょっと遊びすぎかなと思わないでもないですが、たぶん、Woodsはぼくに同意してくれる、そんな気もしています(だからこそ、じっさいにそういうふうに訳した)。
はやし 2008/09/07(Sun)11:36:11 編集
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