いろいろなジャンル [音]

自分で作っといてこう言うのもなんだが、このブログに出てきた書籍および音盤を検索するスクリプト（書籍編・音盤編）は、存外におもしろい。

その「おもしろさ」の理由のひとつには、「過去に自分がある書籍もしくは音盤について言っていたこと」から現在の評価との「近さ」と「遠さ」が伺い知れる（たとえば、初出時にはけっこう冷淡だったものに、現在はけっこう入れ込んでいたり、ぎゃくに、当初は「これはいい！　最高！」と大絶賛だったものが、いまはそれほどだったり）、ということがあるが、何より、書籍や音盤のおのおのに付けられた分類名およびジャンル名が、自分で付けたものではないだけに、「不意打ち」とでも言うべきものがたまに散見せられる、ということがでかい。

今日は、そうした「不意打ち」な分類名・ジャンル名のうち、音盤のジャンル名からいくつかを拾って紹介しよう。

まず、全体的な傾向から言えば、書籍あるいは音盤を問わず、該当する対象が多ければ多いほど、それら分類名もしくはジャンル名には、「不意打ち」要素が少なくなってくる。たとえば、該当音盤が10件以上のジャンル一覧を見てもらえれば瞭然だと思うが、ここに属するどのジャンルも、「これにはどういう音盤が当てはまってるんだろう？」と思わさしむるものは、少ない（もちろん、じっさいにそれら「該当音盤10件以上のジャンル」のおのおのの詳細を見てみると、「え、これがこのジャンルに入ってるの？」という、「べつの角度」からの「不意打ち」はあったりするのだけれど）。

こうした傾向、つまり、ジャンル名を見れば、じっさいにそのジャンルにどういう音盤が属しているのかまでは詳らかでなくとも、そのジャンルに属する音盤のだいたいの傾向が推測できる、というのは、該当音盤件数が今現在5件ぐらいのものまでつづくが、それでも5件目あたりから、思わず「ん？」と思いジャンル詳細を見ずにはおれないものが出てくる。

たとえば、Scandinavian Metal。じっさいに詳細を見てしまえば、「ああ、なるほど」というものではあるのだけど、ここいらのバンドを「スカンディナヴィアン・メタル」という括りで観じたことがなかったので、ちょっと新鮮だ。

つづく「ん？」というのは、今現在該当音盤4件のSunshine Popで、これは、どういう音を指しているか、うすぼんやりは分かるのだけど、でも、はっきりとはよく分からない（ただ、上のScandinavian Metalと同様、詳細を見てしまえば「やはり」という感じではある）。

該当音盤件数3を下回るあたりから、「本領発揮」といった体で、Foreign Language RockやらTorch Songsやら、果てはMiscellaneousやら（「その他」って言われてもねえ）、ジャンル名を見るだけでは、そこにどういう音盤あるいはアーティストが属しているのか、さっぱりよく分からなくなってくる。

該当音盤2件以下は、もう「魑魅魍魎の跋扈するところ」で、Handclappingという「これはジャンルなのか？」というものや（まあ、そういう「これジャンルじゃないだろ！」というのは、多いのだけど）、ハワイ、東京、そして北海道という地名もの（地名ものも、じつは多い。でも、「北海道」って言われてもねえ）など、興味は尽きない。

そうした「汲めども尽きぬジャンルの大海」のなかで、これまででいちばん「何これ？」と思い、そして、じっさいにそれに該当する音盤を見て、「そう言われてみればそうかも！」と思わず膝を叩いてしまったものは、これ。いや、何だかよく分からないながらも、このバンド、そしてこの音盤の本質をするどく射抜いているような気がします。