『批判的探求』誌2008年冬号紹介文献より (1) [本]

シカゴ大から出ているジャーナルCritical Inquiry 2008年冬号の本紹介コーナーより、気になった本をピックアップ。けっこうたくさんあるので、何回かに分けて掲載。

• Karen Barad, Meeting the Universe Halfway, DUke Univ.
  「量子力学の哲学」もの。副題に「物質と意味のからみあい the Entanglement of Matter and Meaning」とあるとか、索引を見るとDeleuzeだのDerridaだのが立項されているとか、不安要素がもりだくさんです。というか、「量子力学の哲学」ものだと、さいきんヤンマーのこれが復刊されるみたいですね。めでたい。
  
  
• Greg Bottoms, The Colorful Apocalypse, Univ. of Chicago
  副題「アウトサイダーアートへの旅」。どういうものだかいまいちよく分からないのですが（シカゴ大出版のページに概要あり）、図書館に所蔵があるようなので、見てみます。
  
  
• Constantin V. Boundas (ed.), Columbia Companion to Twentieth-Century Philosophies, Columbia Univ.
  これは、刊行されて間もなく図書館に入ってきていたので、すぐさま確保し、そしてそのまま借出し延長を繰りかえしていまにいたっているわけですが、ペーパー版が出たら買ってもいいかな、と思っています。
  
  
• Julian Bourg, From Revolution to Ethics, McGill-Queen's Univ.
  「五月革命」もの。468ページということですから、けっこうextensiveにあの出来事 événement のことを扱ってるのでしょう。図書館に所蔵があるようなので、要チェック。
  
  
• Cornelius Castoriadis, Figures of the Thinkable, Stanford
  カストリアディスの迷宮の辻シリーズの6巻目。目次を見ると、アイスキュロス、ソフォクレス、資本主義、民主主義、精神分析、なんて語が一堂に会していて、何とも言えず胡散臭い。
  
  
• Hélène Cixous, Dream I Tell You, Columbia Univ.
  シスーは、じつはいちどもちゃんと読んだことがないので、何かしら1冊読まねばな、とずーっと思いつつ、けっきょく何も読まずにいまにいたってしまっている。読むなら、まずはこれかこれから、かな（これも気になるけど）。
  
  
• P.T. Clough and J. Halley (eds.), The Affective Turn, Duke Univ.
  副題「社会を理論化する Theorizing the Social」。動名詞です。それはともかく、"Affect"とという語句づかいといい、序文をマイケル・ハートが書いてることといい、どういう本だかなぁんとなく分かってしまう。
  
  
• Alice Crary (ed.), Wittgenstein and the Moral Life, MIT
  寡聞にしてまったく知らないのですが、Cora Diamondという人への献呈論文集。ちなみに、このタイトルとまったく同一の副題を持つ『哲学抜きの倫理』という本もあることに検索してて気づいたのですが、こっちのほうがむしろ気になる。