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読んだり書いたりしながら流していた音。
Drosophila Road Polytoxicomane Philharmonie (Nasoni, 2006) |
何も言われずに聴かされたら、ぜったいに1970年代ぐらいのバンドだと思ってしまいそうな、Polytoxicomane Philharmonie(こりゃ「頭をひねりすぎて失敗した」というたぐいの名前だな)の2006年の作。詳細、というか、どういう音かは、こちらのオフィシャルページをご覧になっていただければ、だいたいの察しはつくのではないかと。いや、でも、わるくないです(というか、ほかにもこの人たちの音源を入手しようかと、考え中)。
Baby Sex The Residents (--, 1971) |
レジデンツが1971年にオレゴンのラジオ局のスポットを全部買い取って、一日中流していた問題の音源。もちろんブート、かつ、ジャケがとてもではないけど載せられないようなもの。ほんと、何だってこの人たちはこんなにも悪意の塊みたいなんでしょか? ともあれ、ザッパのカヴァーである"King Kong"は、もしかしたら原曲よりも好きかも。というわけで、クオリティ自体はけっして低くありません。もっとも、いつもの「レジデンツ・クオリティ」でのことですが。
Warner Brothers Album The Residents (--, 1971) |
もいっちょ、レジデンツのブート。これは、レジデンツが正式デビュー前に匿名でワーナーブラザースに送りつけたデモテープ。このデモがけっきょく不採用となり(後年このテープは、大々的に「再構築」のうえ、WB:RMX として公式発表された)、レジデンツ側に送り返されるとき、前述のとおり匿名で送っていたので宛名が分からず、"To Residents(住居人さまへ)"となっていたのでバンド名がThe Residentsになったことはつとに有名。この項、ぜんぶ体言止め。
A Handjob from the Laughing Policeman Nurse With Wound (ICR, 2006) |
Soundpooling の限定版におまけで付いてきたディスク。「おまけ」のわりに、本編より好きかもしれない。音的にはちょっとトライバル(って何?)っちいポストロック(って何?)という感じ。
Nihilist Spiritual Front (Hau Ruck! SPQR, 2003) |
ちょっと趣向を変えて、というか、NWW→C93→ネオフォークという連想で、こいつを。ただ、転向後のC93のやつも含めて、「ネオフォーク」と呼ばれているものって冷静になって聴くと、しょうじき「どうかな?」という感じがしないでもないですね。ただ、この人たちはテクノイズ(と乱暴にくくってしまおう)の老舗レーベルCold Meat Industryから、これまた冷静になって聴くとびみょう(とおれは思う)なOrdo Rosarius Equilibrioといっしょにアルバムを出してるので、機会があれば聴いてみよう。つうか、アマゾンではSpiritual Frontの名前がクレジットされてなくてかわいそう。
Crowleymass Current 93/Hilmar Örn Hilmarsson (Maldoror, 1987) |
つわけで、本家本元(?)Current 93の、Hilmar Örn Hilmarssonとのタッグ作1発目のこれを(ちなみに、タッグ2作目のIsland にはぶじょるくが参加)。しっかし、これもびみょうな音源だよなあ。
Medieval Mosquito Electric Peace (Barred Records, 1987) |
ここいらでちと方向性を変えて、いまでは誰も知らなさそうな、というか、当時もほとんど誰も知らなかったと思われるこの音盤を。これはたしか、中学生ぐらいのときに西新宿のレコ屋のどっか(たぶんVinylあたり)の「ジャンク」とかいう投げやりな名前の棚から発掘したんだと思いますけど、あのころ、そういうふうにまったく情報がないまま、ジャケの感じやらレーベルやら録音エンジニアやらから音を想像して品定めした挙句、買って聴いたら「何だよこれ!」なものもけっこうあったりして、そういうことをなつかしく思いだします。
んで、いきおいで昔語りのおやじっぽいことを言ってしまうと、いまは買う前に音源が試聴できたり、試聴できずとも何らかの情報はネットでいくらでも得られるので、すごく便利になった反面、おれが中高生のころにレコを買い漁っていたときのような「イマジネイティヴなレコ買い」がほぼ死滅してしまい、それはそれで何かさびしいことだよな、と思ったり。とはいえ、ノイズ系、というか、マイナーな音源はいまだに試聴もままならず、おまけに情報もテキトーだったりするので(某有名ノイズレコ屋の情報もぜんぜん当てにならない!)、けっきょく状況はあんま変わらんかったりするんですが。
Rainclown Pub (Talent Hoover, 2007) |
「趣向を変えて」だの「方向性を変えて」だの言いつつ、けっきょくあんま変わってないよなあ、ということで、思いきって(いや、べつに思いきることもないんですが)電子ものを導入。で、このパブ、アマゾンではほとんど該当がなかれども(アロヴェインがリミックスしているSummer はあった。が、品切れ)、端正なたたずまいの音を聴かせてくれます。まあ、その「端正」ってのは、「安易で工夫がない」ことの謂いだったりもするんですが。とはいえ、安心して聴けることはたしか。
6 Degree F Skyquake Stephen O'Malley/Attila Csihar (Editions Mego, 2008) |
もう、「趣向」とか「方向性」とか、そういうことはいっさい考えないことにします。つわけで、おなじみSunn O)))のスティーヴン・オマリーが、もうほとんどSunn O)))の正式メンバーと言ってもいいような元(ではなく「現」じゃヴォケ!というご指摘を、どこのどなたか存じ上げませんが、もらいましたので訂正。ありがとうございました。でも、コメントでも申しましたとおり、これぐらいのバイオのまちがえ程度では、「したり顔をせせら笑う」底意地のわるい姿勢は矯正するにはおよびますまい)メイヘムのアッチラ・シハーと組んでメゴからついこのあいだ出たこいつを。予想はしてましたが、ものすごく静謐な音。ただ、何と言うか、じゃっかん「すごみ」が足りないような気がしますね。静謐であるがゆえの「そらおそろしさ」とでも言うようなものが表現しきれていない。これを、どれだけの人が「分かった顔」をして大絶賛かますのか、そういういじわるなたのしみが今後に控えております。
Bliss Torn from Emptiness Nadja (Profound Lore, 2008) |
つわけで、上記にいささか物足りないものを感じてしまったので、ナジャの、2005年に50枚限定(!)で出されたものの、リマスター再発盤で返り討ち。まだ要所要所、音像に「隙」があるけど、でも、そういった瑕疵をおぎなってあまりあるほどのトータルな完成度で、まったくもってロケンロー。このあいだのFear Falls Burningとのコラボもすばらしかったし、ナジャはリリースコンプ目指そうかな。
Fragile Movements in Slow Motion Aidan Baker (Universal Tongue, 2008) |
で、そのナジャのメンバー(つっても、夫婦2人組、なんだけど)のエイダン・ベイカーの、このあいだ出たばかりのソロ作を。これは、上記ナジャの作品とは打って変わって、ひじょうに静かな作品です。上のBliss Torn from Emptiness に圧倒されたばかりで、それゆえ少し贔屓目が入っているかもしれませんが、これもじつにいいです。もしかしてこの人、スティーヴン・オマリーより才能あるんじゃないか?と思ったりもする。
というわけで、聴音はまだまだつづきますが、記事としてはここいらでいったんおしまい。これから夜中にかけて、これとかこれとかで気分をもりあげていこう、と思っています。
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