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ラッセルとホワイトヘッドは『プリンキピア』第1版序論において、そこで数理論理学が果たすべき役割および満たすべき要件をつぎの3つにまとめている。

  1. そこで用いられる概念、および証明プロセスは、あたうかぎり細かく分析できること。さらには、そういう概念およびプロセスは、あたうかぎり少数の「原始概念」および「原始プロセス」に還元できること。
  2. 数学の諸命題を正確に表現できること。そして、そういう正確さと同時に、簡潔さと分かりやすさという要件も満たすこと。
  3. そのシステムは、カントールおよびフレーゲのシステムにおいて現れるようなパラドクスをうまく処理できること。具体的には、型の理論の導入により、そうしたパラドクスの回避、およびその原因の解明をなしとげること。

つまり、上記3点をまとめると、できるだけ少ない概念とプロセスを以て、パラドクスを回避しつつ、数学の諸命題を正確に、簡潔に、そして分かりやすく表現できることが数理論理学に求められる。そして、そうした「道具」を用いることで、「数学の素」を明らかにし、さらには、それまでの数学体系においては漠とした存在諒解しか持たなかった「無限」などの概念を、確固とした基礎の上に築く、というのが『プリンキピア』のobjectiveということになる。

それでは次回より、いよいよ「あんこ」の部分に入っていくことにしよう。

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