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つづき。
Parallèles Jacques Berrocal (Alga Marchen, 2001[1976]) |
フランスの前衛トランぺッター、ジャック・ベロカルの1stソロ。ほんとうにひさかたに聴きましたけど、これはかっこよく、そしておもしろいアルバムですね。電子音とフリーミュージックとポエトリーリーディングとその他その他がぐしゃぐしゃにまざったアルバム。ヴァイナルB面は「ルッソロへ」と副題が付けられた曲にまるまる充てられている。ちなみにベロカルは、同郷のパスカル・コムラード、ピエール・バスチアン、そしてヤキ・リーベツァイトというものすごい面子といっしょに組んでアルバムを1枚出しております。
Archives 79-81 Maurizio Bianchi (Vinyl-on-Demand, 2006) |
言わずと知れたマウリツィオ・ビアンキの、こちらも言わずと知れたヴァイナル・オン・デマンドからの初期音源コンパイル盤。アマゾンで手軽に手に入るようなもので、かつマストなものはちょっとないようですが、初期のアルバム5枚(このボックスセットの入ってる5枚、ですな)はちょくちょく再発がかけられているので、見つけたら速攻買いましょう。
Cornology Bonzo Dog Band (EMI, 1992) |
「ん? なにゆえにボンゾ?」と思われるかもしれませんが(おれも思った)、70年代のブリティッシュプログレ(いわゆる「カンタベリ系」というやつですね)に見られる「シュルレアリスム的ヒューモア」という文脈で登場します。んでもって、そっからザッパ、という筋書き。ただ、いまでこそノイズと言うとシリアス一辺倒だったり、さもなくば何かおっかないイメジだったりしますが、イギリスノイズ創成期の連中とか、どっか人を食ったヒューモア感覚が濃厚にありますよねえ。ともあれ、ボンゾのこのディスクは、オリジナルアルバム5枚がぎゅっと収められており、とてもお得です。
Super Ae Boredoms (Birdman, 1998) |
Vision Creation Newsun Boredoms (Wea, 2001) |
ボアダムズは、ノイズを扱った本のなかでは名前は挙るでしょうね。ただ、いぶかしいのは、ボアダムズを挙げながらハナタラシにまったくふれていないこと。アルケミーからの2枚(現在入手はきわめてむずかしい、かな)は、日本のノイズシーンを語るうえでやはり外せない音盤だと思うのですが。あと、ボアで挙げる音盤も、ノイズ文脈では1stか2ndではないかと(以前はシミーディスクからこれらが2 in 1で出ていたのだけど、もう手に入らないのかな?)。
PINK BORIS (Southern Lord, 2005) |
ボリスを挙げるなら、ほんとうは小文字のほうと大文字のほうの作品をそれぞれ挙げねば片手落ち、だと思うんですが(それに、ノイズ文脈なら小文字のほうが妥当なのでは、とも)、登場する文脈が「日本のロック」という部分なので、それはそれ、ですかね。いま挙げるなら、ロック的ダイナミズムも、ドローニッシュなエクスペリメンタリズムも、ふたつながら兼ね備えたメルツバウとの競演作Rock Dream ということになるでしょう。
Filosofem Burzum (Misanthropy, 1996) |
ブラックメタルとノイズってのは、やっぱり親和度が高いんですかねえ(とはいえ、Noise/Music でブラックメタルがふれられている文脈は、サタニズムとかそっち系の話で、あんま音がらみのことじゃなかったですが)。ともあれ、このバーザムの音盤は、おれもけっこう繰りかえし聴いている名盤ですが、ノイズリスナーも聴いてすなおにたのしめるのは、やはりWOLDだのVrolokだのということになるのではないかと。
Methodology Cabaret Voltaire (The Greay Area, 2003) |
Red Mecca Cabaret Voltaire (Rough Trade, 1981) |
The Voice of America Cabaret Voltaire (Rough Trade, 1980) |
キャブスは、とうぜん登場しますよねえ。ただ、いわゆる「ノイズ」というかまえで聴くと、ちょっと肩すかしを食うかもしれません(ちょうど、ホワイトハウスやらラムレーやらを聴き漁っていた、中学のころのおれのように)。じゃあ、どういうところがノイズに通ずるのさ?と言うと、一言で言えば、「インダストリアル」ということ、ですかね。まあ、この「インダストリアル」って言葉も問題含みなんですが……(あんま参考にならないかもしれないけど、いちおうこのエントリを)。
Cartridge Music John Cage (Time Records, 1962) |
Imaginary Landscapes John Cage (Hat Hut, 1995) |
Works for Percussion John Cage (Wergo, 1991) |
ケージをノイズのラインで語ることは、じつはちょっと同意できないところがあるんですが、ともあれ、歴史的な文脈においてノイズを語るとなると、やはりふれざるをえないでしょう。しかも、これら音盤の、とくに1枚目「カートリッジミュージック」は、レコードプレイヤーのカートリッジによって日常聴かれる微弱音を増幅させた作品であり、のちのコンタクトマイクを用いたあまたのノイズミュージシャンの先がけを見ることは容易、ですしね(とはいえ、ケージのこの作品自体は、「増幅」と言ってもばりばりにされてるわけではなく、じっさいにこの音盤を聴くと「ん? 何か物音がしてるぞ?」程度だったりします)。ここに挙げられている他の音盤に関しても、「ノイズ」だなんだという文脈を無視してもすばらしい作品だと思うので(とくにImaginary Landscapes !)、ぜひ聴いてください(世の中、「イメージ」としてのケージだけが消費され、じっさいの音を聴いていない人があまりに多すぎる!)。
Monster Movie Can (Liberty, 1970) |
カン、というか、クラウト一般はノイズを語るうえで、感覚的には「外せない」と思いますが、よくよく考えると、どういう点においてそう思うのか、いまいち明確でなかったりします(Noise/Music においては、クラウトにおいてよく聴かれる「反復」というアスペクトを、「あの御仁」の理屈を引き合いに出して語っております)。が、ともあれ、カンの最初の4枚は必聴、ですよね。1枚だけ撰べ、ということになると、やはりTago Mago かな。つうか、何でカンのジャケって、いずれも、こう、「イケてない」んですかね?
"Works for Percussion"は、"She is Asleep"が印象に残っています。ところでこのジャケットの写真のオブジェ、『秘められたる音に』ですね。もしかして、コレもパーカッションとして実際に使っちゃってるのでしょうか(汗)
で、zzyさんのコメントはいつもthought-evocativeで(ところで、全然関係ないのですが、zzyさんの「zzy」は、じっさいに発音するとすればどのようになりますか? というのも、先日メールで読者のかたからのお便りをいただいたおり、そこでzzyさんのことが「じじいさん」と呼ばれていて、「失礼な! でも、たしかにそう読めなくもないな」と思ったもので)、こちらこそたのしまさせてもらっています。これからも問題的なり、「それはちとちがうんでないかい?」ということがありました、これからもガンガン発言してください。長文なんてのはむしろwelcomeですので。
「問題的」→「問題提起」
「ガンガン」→「がんがん」
2点目は、びみょうな訂正、ですが(さらに、いまとなっては「どんどん」のほうがよかったかな、という気もしている)。
僕の名前については、自分でもどう読んでよいか解らないので、どのように発音してくださっても結構です。
ジジイと呼ぶ方もジジと呼ぶ方もジーと呼ぶ方もいます。
『秘められたる音に』、英語表記はたしか、"With Hidden Noise"ですね。
あまりエントリと関係のない話になって申し訳ないですけれど、むかし横浜美術館で見たとき、このオブジェは鏡の上に置かれておりまして、中空に不思議な物体が浮いているように見える展示のされ方をされておりました。
やはりというか、作品には手を触れることは出来なかったので、実際に振って音を聴くことも出来なかったのですけれど。
そういえば、デュシャンはこのような「網膜的効果」からできるかぎり離れようとしていたはずだったように思います。デュシャンの本懐についてはともかく、美術館のこのような展示の仕方が意図的なものかどうかも確認できなかったのですけれど、現代において『秘められた音に』という作品は二重三重の意味において秘められてしまっているんだなぁと感じました。
それから、反復についての話をするなら、クラウトで語るよりミニマル音楽のほうで語ったほうがやりやすいように思いました。
で、「秘められたる音に」の英訳は、withを使ってるんですねえ。たしかに、フランス語のa(じっさいはアクサングラーヴ付き)には英語のwithにあたる用法もあるので、そう言われればそうだな、ですが、こちらにwith的発想がなかったので、新鮮でした。
横浜美術館の「秘められてる音に」の展示に関しては、この作品は下部にも文字が刻んでおり、それを見せられるような苦肉の策、だったのかもしれませんね。ただ、とはいえ、その光景を思いえがいてみると、なるほど、たしかにデュシャンにはそぐわないような気がする。ともあれ、こういう作品はレプリカでも何でも作って、じっさいに振れるように展示してほしいもんです。デュシャンだってそういう挙措には、取りたてて不快感を示しますまい。
反復については、そうですね、ふつうの文脈だともちろんミニマルミュージックをレフェランとして出すのが適当なのでしょうが、ノイズ文脈だとクラウトの「電気増幅音+反復」という合わせ技をもって済ませる方図でいいかな、とも思います。もっとも、そもそもノイズを「反復」という相で(専一にではないにせよ)語っていいものか、というのは、議論があるところかと思います。
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