NLP for Dummies 1 [雑]

　

句構造文法

句構造文法に従って、単語が句を作り、それら句や他の単語がさらに大きな句を作る。そうしてそれら句から最終的に文が作られる。

句構造文法は、句の範疇（要するに、「動詞」「名詞」などの文法カテゴリーのこと）をあらわす非終端記号と、単語（「動詞」「名詞」などに対応する「走る」「イヌ」など）に相当する終端記号からなる、次のような書換え規則（生成規則、とも呼ばれる）である：

α → β。

α、βは、非終端記号や終端記号からなる記号列である。なお、αは、少なくとも一つの非終端記号が含まれていなければならない。

非終端記号の例

S:=文          PP:=後置詞句
VP:=動詞句  NP:=名詞句
P:=後置詞    V:=動詞
N:=名詞       TENS:=時制

句構造文法の例（書換え規則）

(1) S → PP VP
(2) PP → NP P
(3) VP → PP VP
(4) VP → V TENS
(5) NP → NP の NP
(6) NP → NP と NP
(7) NP → N
(8) N → イヌ | ネコ | 私 | あなた
(9) P → わ | が | を | で | に
(10) V → 鳴k | 走r
(11) TENS → ru | ita

「私のイヌとあなたのネコが走る」の書換え（カッコ内の数字は、上記の規則の番号に対応）

S → PP VP (1)

  → NP P VP (2)
→ NP と NP が VP (5, 9)
→ NP の NP と NP の NP が VP (6)
→ N の N と N の N が VP (7)
→ 私 の イヌ と あなた の ネコ が VP (8)
→ 私 の イヌ と あなた の ネコ が V TENS (4)
→ 私 の イヌ と あなた の ネコ が 走r ru (10, 11)