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政治的な側面についてはともかく、それ以外のことに関して、おれはかなり保守、というか、守旧的な人間だと思う。

それはほんとうに色々なことについて、折にふれ思うのだけど、とくにいちじるしいのが食い物に関すること。まず、外食の場合で言えば、行く店もだいたい決まっているし、そして、そのそれぞれの店で頼むものもほぼ決まっている。いま、「だいたい」、「ほぼ」とお茶をにごすような物言いをしてしまったが、思いきってそれらを外してもいい。それぐらいのものだ。

たとえば、これは外食というのからはみびょうに外れるかもしれないのだが、いつもよく行くスーパーでヨープレイトのヨーグルトが10個いくらとかで売っていて、ヨーグルトは体にもいいし買っとくか!と、色々な種類をおりまぜて買ってきた。しかし、けっきょくは特定の種類しか食わず、今日またそのスーパーに行き、その特定の種類だけ10個買ってきた、という始末(ああ、まだ残っているグアバ味のやつとかパッションフルーツ味のやつとかピニャコラーダ味のやつとか、いったいどうなってしまうのだろうか?)。

また、食べ物以外のこと、たとえば音楽についてもそうだ。もちろん、新しい、聴いたこともないような音を聴くたのしみというのは、音楽に接するたのしみのひとつではある。しかし、そうした「新しいものに接するたのしみ」が、音楽聴取全体に占める割合を考えると、たぶん2割にも満たないのではないか、と思う。だいたいが、聴きなれた音を、くりかえしくりかえし聴いていることが多い。

こうした音楽聴取における保守的、というか、守旧的な面は、その聴いている音楽のジャンルにも言えることだ。そう言うと、じゃあノイズはどうなんだ?という意見が出てくるかもしれないが、ノイズとははっきり言ってある意味「保守的」な音楽であり、つまり、伝統藝能のようなものである。全体に、何かがある側面で「前衛」と言われようと、その評価はあくまで相対的なものであり、ほんとうに何かが前衛であれば、それはたぶんわれわれのフィルタの目を抜けてしまう(とはいえ、人に「どういう音楽を聴いてるの?」とか聞かれた場合、「前衛的なやつ、かな」とか答えてしまったりするのだが)。

それでは、「保守」という言葉が本来的に使われるであろう政治的側面について言えばどうか? これも最近、まったくの保守、というのではないにせよ、あくまで最大多数の最大幸福的に考えれば、それほどドラスティックな変化など要らないのではないか、と思うようになってきた。もちろん、変えなければならない部分は、それこそ「真砂の数」ほど存在する。しかし、そう言ったからといって、そのことがただちに基底的な部分に関する「ドラスティックな変化」を招致するわけではない。

何だかんだ、昨日よりも今日、という感じに、世の中はかくじつによくなっている。こう言うと、「いやそれは上辺だけのことで、じっさいは以前よりひどいことになっている」と言う人が必ずいる。おれとても、ある「黒い領域」ではその手口が巧妙化し、アングラ化と、そしてあっけらかんとした表面化が同時に進み、それはそれでやばい、と思わないではない。ただ、そのことを考慮にいれても、世の中はよくなっている、とやはり思う。データは嘘をつかない。

それに、おれの性癖からして、声高に「正義」を叫び「理想」に燃えるような人たちよりも、せせこましくも腹黒い人たちのほうに、どちらかと言えば(あくまで、「どちらかと言えば」)親近感を覚えるし、それが人間だ、とも思う。地獄への道は善意で敷き詰められている。

というわけで、何であれ、おれはどっちかと言うと保守なのかもなあ、と思う今日このごろですよ。

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コメント
はやしさんのブログに出入りするまで、べトの保守って人も勿論見たことなかった(そして、そんな人は、未だに見たことない)ですが、べトの革新という人も見たことなかったんです。相も変わらず未だにあの科学的社会主義を党是として(「確か、まだ、党要綱に書いてあるのかなあ?」)いる党の 基礎票をなす人あるいは、あるいはその党員らしき人に出会えたというのは、非常に勉強になりました。何か根底で私の考えのベースに通ずるものがある一方、決定的に袂を分かつ人たちであることもよく分かりました。始めて政治的信条を書くと思いますが、私は、9条改正は必要なし、日本の核武装模索なんて論外 ってのが持論です。だだ、政治の空白を作る原因になる参議院には、もし参議院を存続させるなら解散権を首相に認めるべきでしょう。民主主義において起こりうる最大の不幸は、保守的法案であれ革新的法案であれ、いかなる法案も成立しないという事態であり、これは、保守革新の是非以前の問題であり、民主主義が全く機能していないことを意味しますので。参議院の存在に手をつけるには悲しいですが憲法改正が必要となります。
革新の人の意見を見ていて面白いのが、保守系と見るや、十把ひとからげに 「保守」でくくってしまうこと。勿論 私の >9条改正は必要なし、日本の核武装模索なんて論外 という点なんか全く無視して「ぷっつん大吉は 保守のガチガチ」ときっとレッテルを貼られていると思います。(妄想かな?)
ただ、私のように、「ざっくり言って 保守でもなければ、革新でもない」人に「ガチの保守」のレッテルを貼ってしまうほど、革新の人の鬱憤は溜まっていると思います。
この原因は、何が悪いかというと、小選挙区制という選挙制度であり、それを導入したのは革新の人が目の仇にする、小泉さんでなくて(彼の持論は小選挙区反対)、皮肉にも先の参議院で大勝した小沢さん。
少数意見を確実に埋没させるというより、国会の前で門前払いする小選挙区制は、早く何とかすべきです と 革新の人を見て真剣にそう思いました。
そして、革新系の政治意見を持つ人たちの数の人口に占める大きさは、革新系の議員さんの比率より、実際はるかに大きいはずです。
ただ、革新の人が書いておられるのに、いちいち、最近ではちゃちゃを入れる気も失せて、たのむから俺に何も言わないでほしい、いちいち返事を書くのが邪魔くさいから、と 常々感じるようになったのも、書く気がうせてきた原因のひとつでしょう。(むしろ、それは、後付の理由のひとつにすぎず、本当の理由はほかのところにあるような気がしますが・・・・・)
って、とりとめもないことを書いてすいませんでした。はやしさん。
ぷっつん大吉 2007/09/16(Sun)20:18:00 編集
「革新=護憲」というイメージがどうしてもつきまとうわけですが、そういう人たちは1条も含めて「護憲」なんですかね? もちろん、そう言う人たちの言う「護憲」は、おもに9条にまとをしぼったものなんでしょうが、何にせよ、バランスを欠いているよなあ、と思ってしまいます。

もちろん、ぼくとても9条は改正するべきではないし、もっと過激に、9条に則って自衛隊も潰しちまったらどうか、と思ったりもするのですが(だって、あんなもん誰が何と言おうが、どう見ても「軍隊」でしょう)、憲法に関する一番の問題は、9条に限らず、それらがほとんど骨抜きになっていることのように思われます。

ただ、まあ、外側からのレッテル張りの結果として「革新」と呼ばれている人にも「保守」と呼ばれている人にも、当たり前ですが傾聴すべき意見を言う人はいくらでもいるわけだし、また、そのどちらの陣営にも、煮ても焼いても食えないような人はいくらでもいるわけで、ただ、どちらかと言えば、「革新」と呼ばれる人のほうに、バランスを欠いた人、つまり言いかえれば全体の見取り図を見ていない人が多いように見受けられる、そういうことです。
はやし 2007/09/17(Mon)06:51:00 編集
はやしさん ぷっつん大吉さん

こんばんは。お二人がセミナーに来れないのは残念です。まぁ…今回のテーマもまったくお二人には関係ない分野だし…。「JSOX施行後の仕組債評価のあり方」…なんのこっちゃ?

さて、はやしはんじゃなかった<さん>も感じてらっしゃるように、右も左も極端な輩ははなっから他人に意見を聴く気が無いのでヤバイけど…どちらかといえば、左系の人たちの方が支離滅裂な奴が多いとオイラも思います。

オイラなんか、ファッションもトラッドだし保守的なんだけど…しかも周囲からは右翼なんていわれてけど、保守=右っていうのは完璧に判断停止した図式ですね。奇妙なのは、日本ではいまだに<リベラルとは何か?>というかな〜り重要な議論を一部の社会的影響力のない学者だけがチマチマやってるだけだと感じるんでけど…どうでしょう?おそらくマスコミが機能していないとゆ〜ことなんだと思うけどね。

ところで、オイラがまだよく理解できないのは天皇制と平和憲法なんだよね。この問題も推測なんだけど…<民族>とゆ〜玉葱の皮のような概念をどう処理するかにかかっている気がします。<民族>を実体化している限り解決不可能ですね。

最後にお二人に質問ですが…軍備を放棄した場合、他国の侵略に対してどう対処するのがいいでしょうか?日本って資源的魅力は人間以外ないけど、地政学的にはアメリカにとっても中国にとっても不沈機動艦隊なんだよね。中国はアメリカだけが、その艦隊の使用権を持ってるのが気に食わないだと思う。
藤崎達哉 2007/09/17(Mon)19:42:00 編集
藤崎さん
私の9条は、「このままでいい」ということで、つまり 以前のままの解釈でいい という立場で、まさか、非武装中立なんてことは微塵も思っていません。
ぷっつん大吉 2007/09/18(Tue)01:16:00 編集
「軍備を放棄した場合、他国の侵略に対してどう対処するのがいいでしょうか?」という問いについては、ぼくのなかの実験精神がむくむくと頭をもたげ、何もせずにほっといたらどうなるのかな、と思ってしまいます。ただ、とはいえ、こういうふうに思えるのも、「アメリカ」という傘の下に実質匿われてるからこそ、なのかもしれません。
はやし 2007/09/18(Tue)08:15:00 編集
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