「ブラックメタル」とか何とか以前に果たしてこれは「メタル」なのか？ [音]

そういうふうに思ってしまう音源は、俗に「ブラックメタル」と言い習わされているものにけっこうあり、それもあってその手の音を聴くことが止められないのだが、今回聴いたWoldという人たちのScreech Owl というアルバムもすごかった。

まず、劈頭1曲目の反復系ノイズにやられる。たしかに、それにかぶさるヴォイスは、ブラックメタルでよく聴かれるそれに聴こえないこともないが、それよりもむしろ、この感触は「パワーエレクトロニクス」と言われているものに近い。

ただ、純粋にハーシュっぽい肌触りなのは最初の1曲ぐらいで、あとは湿り気を帯びた、もしくは、へんに明るい感じのストリングスをドシャメシャに歪ませた音像が全体を支配していて、何とはなしにハナタラシの1枚目を思い出したりもする。

とにかく、いい意味でなかなか微妙な代物なので、機会があれば一聴をおすすめします。