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なもんで、現在仕込みの真っ最中。しかも、単発で終わらせなければならず、想定対象も100-200レヴェル(つまり、学部1年から2年にかけて)ということなので、あまり欲ばらず、「数学的対象の存在」を軸に、それについてformalismとかintuitionismとかの各流派はどういうアプローチ、および態度を採ったのか、ということを軽く流す程度にとどめておこう、と思っています。

つうか、そろそろハンドアウトを作りはじめねば。

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カントの「『7+5=12』は総合的かつア・プリオリな判断である」という言明について考えていたら、カントは「数学」というものをどのように考えていたのか?という問いに逢着した。この問いに答える手がかりとして、1762年の論文「自然神学と道徳における弁別原理に関する考究」(以下「考究」と約す。英訳はD. Walford and R. Meerbote. eds. 2002. Theoretical Philosophy, 1755-1770. New York: Cambridgeに所収。日本語訳は、たぶん岩波カント全集の第1巻第2巻第3巻に入っている、はず)を読んでいる。それはいったいどのようなものか? 以下に、「考究」を読みながら、ある程度公開することを念頭においてとった読書ノートを掲げるので、気になる向きは参考になるのなら、どうぞ。

「7+5=12」のような数学的判断は総合的でかつア・プリオリである、とカントは言う。言うまでもなく、『純粋理性批判』第2版序論でのことである。

先日スカイプ上で行った「数学の哲学」講義に関する書誌を、参考のために挙げておく。あまりマニアックにならないよう、リーダビリティや入手可能性についてはいちおう気を配ったが、題材が題材だけに、そうした配慮にも限界があることを最初にお断りしておく。

「哲学と数学」という、たいていの人は思わず身をかたくしてしまうような、これら二者のかかわりあいをあきらかにするにあたって、まずは「哲学とは何か?」ということからはじめよう。

お前はどういうことを勉強しているのか、という問いに、哲学と数学にまたがったようなことをやっている、と答えると、日本ではほぼかならず、哲学と数学にどういう共通項があるのか、と訝しげな顔をされる。向こう(アメリカ)では、ロジックだよロジック、とでも言っておけば、ああなるほど、と(とりあえずは)納得してくれるのだが、日本ではそうもいかない。

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