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何だかここのところ、いつもに増してとっちらかった読書をしている観がある。そういう、とっちらかった、ぐしゃぐしゃな状態を、そのまま。
まず、この前買った神武庸四郎『経済史入門』(有斐閣)にみちびかれて、大塚久雄『欧州経済史』(岩波書店)、ヒックス『経済史の理論』(講談社)という経済史もの、そして『日本の歴史をよみなおす』(筑摩書店)という日本史ものを。とくに、一番最後の網野さんのは、いままで敬遠していた、というか、食わず嫌いなところがあったのだけど、やはりものすごく面白い。西洋史関連の書物はいままでも、致し方ない「お勉強」の一環として不承不承読んではいたのだけど、西洋史に限らず、いっぱんに「歴史もの」というのは、どこか乗り切れない部分があったし、それはいまもある。それが、日本史ともなると、まったくもってどうでもよい、という感じであったのだが、この網野さんの本はあくまで、「いま」という視点を基調にして書かれている。そこがいい。『欧州経済史』と『経済史の理論』は、たんじゅんに「勉強になる」という点以外にも、何と言ったらいいのか、叙述における対象との距離感がいいと言うか……って、分かりにくいな。ともあれ、これらも楽しんで読めます。ちなみに、『経済史入門』自体は、「システム論からのアプローチ」ということもあって期待してたんですが、そういう面はあんまり前面に出てない感じでしたね。フォーマルな記述もほんとちょろっとだけで。それらも含めて、やや物足りない感じでした。
お次は、ミシェル・アンリ『現れの本質』を読みながら、現象学との対決という課題を通して、ハイデガー、という流れを。まずは『フランスにおけるハイデガー』というタイトルの2巻本。Récit(お話)と銘打ってるだけあって、めちゃんこ読みやすく、そして面白いです。もちろん、面白いだけではなく、ハイデガーのフランスにおける受容状況を、その後の顛末も含めて分かりやすく書いてあります。また、2巻目は、色んな人(アクセロス、デリダ、ラクー=ラバルト、マリオン、モラン、ナンシーなど)のインタヴュが収められており、それぞれのハイデガー受容の内実がかなり率直に語られており、これまた面白く、かつ興味深い。もちろん、本家もちょろちょろ読み進めていますが、こういう議論の「益体もなさ」というのはやっぱりいいですね。とはいえ、やはり長い……。そういう意味ではこれのほうが短く、かつそれなりに完結していておれは好きです。
現象学との対決という面では、やはりPost-Continental Philosophy を。以前に紹介したように、この本ではドゥルーズ、バディウ、アンリ、そしてラリュエルが扱われており、その共通項として「現象学との対決」、つまりは「超越的なるものとの訣別」が挙げられているのですが、そもそもおれ自身、なにゆえに現象学および超越的なものが哲学においてそこまで忌避されなければならんのか、実感として分かっていない。ゆえにそこを知りたい、というのがでかいです。ただ、それを度外視しても、アンリ、そしてラリュエルという「知られざる」哲学者を知るためにもいい本だ、と思います。
あとは、阪本昌成『「近代」立憲主義を読み直す』を通じて、ヒューム、そしてスミスの読みなおし……と話は進むわけですが、これを話しだすとまた長くなるので、日を改めて……つうか、こう書いてみると、あんま「とっちらかった」読書でもないですな。反省。
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