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ふと頭のなかで"Suecide"が鳴り響いたので、ひさかたぶりにアレク・エンパイアのLimited Editions 1990-94 を聴いた。たんにおれが古臭いだけだろうが、やっぱりこのころがいちばんいいな、と思う。
アレク・エンパイアと言えば、のちのDHRでの活動、つまりソロ作The Destroyer や、そしてもちろんアタリ・ティーンネイジ・ライオットに聴かれるような「ドシャメシャビートにビヨビヨベース」という激情的な音像を思いうかべるのが一般的なのかもしれないが、おれのイメージは少し違う。もちろん、ある意味「激情」と言えばそうとも言えるのだが、その語感から受ける外にぶちまけるイメージよりも、もっと静謐で内に秘めた、たとえて言うといじめられっ子が放課後校舎の裏で「あいつら殺してやる」とくちびるを噛みしめながら呟くような、そんな印象を受ける。
また、彼のミル・プラトー時代の曲をコンパイルした3枚組CDのブックレットはたしか「すべては終わった」という文言から始まっていたように記憶しているが、なるほど彼の音には、「意志」と呼ぶにはあまりに揺動的な、とはいえ無意識の産物ではさらさらない、「終わりつづけること」へのつよい何かがある。終わるわけでもなく、終わったわけでもなく、現在進行で終わりつづけること。「終わりとは、新たな始まり」という甘い予断を断ち切きりながら、絶対不定の寄る辺なさに留まりつづけること。
そんなわけだから、その音はけっして明るいわけではない。しかし、じゃあ暗いのか、といったら、そういうことは全然なく、たとえば前述のLimited Edition 1990-94 2曲目の"Sweet"には、リチャード・D.ジェイムズが初期のEPで見せたような、ふしぎな平穏さとよろこびがある。ありきたりな喩えで言うと、人類滅亡後の廃墟にとり残された壊れたテレコから流れてくる曲としてはベストトラック。そんな感じ。
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