Stranger Than Fiction [映画]

夕方、飯を食ったあと、どうにも眠くなってきた、というほどではなかったので、今回は「映画観に行こうぜ！」という友だちの誘いにほいほい乗って、映画を観てきました。

（以下、映画の核心に触れる部分があるかも、なんで、そういうの気にする人は読まないほうが良いと思われます）

目指す映画館は、昨日行ったボーリング場よりは手前だけど、それでも十分に「遠いなあ」と思うにたる距離で、また行く道すがら、しょーもないような、高邁なような話をしながらひたすら歩く。

観た映画は、Stranger Than Fictionという、公開されたばかりの映画で、ご都合主義爆発の心温まるラヴコメディ。あらすじは、国税局のようなところに勤める主人公ハロルド・クリックが突然電波を受信し始め、その電波の声の主はじつは著名な作家の声であって、その作家の考える筋書きどおりに行くと自分は死んでしまう運命にある、ってんでさあ大変、という、これだけ聞くと思わず脱力脱糞脱腸してしまうようなもの。

で、この主人公ハロルドは、歯を磨く回数だのバスまでの歩数だのをきっちり数えてしまうような、まさに「規格化」されたような暮らしを送ってるんだけど、じつは、彼の内奥にはパンクな精神が潜んでいて、ラヴロマンスのお相手の、ハーヴァードロースクールをドロップアウトして今はパン屋を営んでいるアナーキストなヒロイン（すげー設定じゃ）とは、おたがい逆方向から歩いてきて道の真ん中で出会う、という寸法。ハロルドがこのヒロインの家にお呼ばれして、リヴィングにあったギターでWreckless Ericの"Whole Wide World"（1stアルバムに所収）を弾き語りして、それがゆえに2人の仲が急接近するシーンは、「んなわけあるかい！」と激しくツッコミをせざるを得ない、かなり相当クサいシーンではあるんだけど、ふしぎに感動的に思ってしまったりしたおれの負け。

ちなみに、マギー・ギレンホール演ずるヒロインは、一緒に映画を観に行った、年齢も国籍も違う3人のいずれからも、チャーミングである、と好評でありました。