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取り立てたる目的もなく、丸の内オアゾの洋書フロアをうろついていると、哲学書の棚でバディウの現時点での最新刊(だと思う)『世界の論理 Logiques des mondes 』が目にとまった。

リンク先Amazon.frを見てもらえば分かる通り、この本はバディウの主著とも言える『存在と出来事 L'être et l'événement 』の第2部という位置付けなのだが、その前著のぶち切れぶりを裏切らない、またしても突っ走った内容。『存在と出来事』では主に「存在」の在り方、つまり「存在は互いに無差別な多である」というテーゼを打ち立てることを目的としていたが、今度の本では、そうした存在が、この確定的世界にどのように立ち現れるのか、ということが探求されるのだそうだ。

で、それはいいのだが、その「探求方法」がバディウの場合問題で、『存在と出来事』でもそうだったのだが、今回もそれに輪をかけて数理的フォーマライゼーション爆発! バディウ的には相当内的必然性があるらしいのだけど、有り体に言えば、胡散臭さを増量させているだけ。たとえば、『世界の論理』ではなく『存在と出来事』を例にとってその「胡散臭さ」の一端を紹介すると、ゲーデルが登場しちゃうのは言うに及ばず、な、何と、コーエン(もち、フォーシングのコーエン、です)に関してそれなりに長大な一章が当てられており、さらに頭が痛くなることに、これがラカンのforçage(言うまでもなく、forçageというのはforcingの仏訳であるわけだが)に繋げちゃったりして……。

結局、値段も値段だったんで『世界の論理』は買わなかったけど、『存在と出来事』は大分前に買って持ってるんで、ちょっと息抜きに読んでみようかな、と思ってます。にしても、こういう人がENSの校長とはねえ……。

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