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この間の「買った本紹介エントリ」で、「ほんとはあと一冊、『小ぶりで薄い』どころではなく、『重厚長大』もいいとこな『兇器本』を買ってるんだけど、それは企業秘密」だなんて秘密めかしちゃったけど、今日はその「兇器本」について。

で、その「兇器本」はMain Currents of Marxism っていう本なんだけど、これがインデックスなどを含めると1,300ページぐらいの、ほんとに兇器になりうるくらいの重量のあるもの。それを、外出の際にも携行して、電車の中とかの隙間時間に拾い読みしてるんだけど、これが実に面白く、かつよく分かる。

構成としては大きく三部に分かれていて、そのそれぞれが「創始者たち」、「黄金時代」、そして「崩壊」と名づけられているんだけど、ページ数もすごいだけあってスコープも広い。「創始者たち」ではマルクスについてのみならず、マルクスに先立ち、マルクスの思想に流れ込む潮流を、古代ギリシアからざざざっとサーヴェイしている。ただ、ポーランド語原書の刊行が1978年とやや古いだけあって、あまり最近のマルクス主義者動向についてはちょっと薄い。とはいえ、最近のことは何となく朧げに知っていたりもするから、全然問題なし。

なにぶん、本当に「拾い読み」しかしていないので、まとまった記述に関して云々はできないけど、書きっぷりについてだけ言うと、「客観描写」と「意見の表明」がかなりストリクトに分けられているので安心して読める。もちろん、1,300ページほどの本とはいえ、その領域やそれに関わるあれやこれや勘案すると、一つひとつの出来事をそれなりに突っ込んで、というわけにはいかないわけだけれど、それが逆に全体の見通しをよくさせていると思う。

この本、翻訳出せばそれなりに売れると思うんだけど、出さないのかな? それとも、おれが知らないだけで、ひっそりと出ていたりするんだろうか?

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