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PygmalionSlowdive
この間、久方ぶりにSlowdiveのラストアルバムPygmalion を聴いた。で、聴いてすぐ、「あ、こりゃやばい」と思った。何と言うか、もう、待ったなしの「あっちの音」なのだ。
確かに、このアルバムの前に出された2枚のアルバムも、相当「冥土感」の強いものではあった。とはいえ、それらは曲がりなりにも「ポップミュージック」の体裁を保っていたし、曲自体のきれいさも相俟って、普通の聴取にも十分耐えられるものだった。
でも、このPygmalion は、何かしている後ろでちょっと流すという、バックグラウンドミュージックとしては、不適格、というか、単純に言えばおっかない。たとえば、それほどディープに音楽を聴いているわけではない人に、いやそれなりに音楽を聴いている人に聴かせる、というか、そういう人の面前でさりげなくこれを流せば、十中八九、あまりポジティヴな聞き方でではなく、「これ、何?」と言うであろう。
だが、じゃあこのアルバムは駄作か、と言えば、全くそんなことはなく、むしろ「傑作」に近いものだと思う。
ゆったり、と言うよりも、粘度の高い水溶液の中で蠢くようなテンポに乗せて、深いエコーの底から、歌声、とも何とも知れぬ「声」が立ち上ってくる……その中に身を浸していると、何とも言えぬ安らぎに身を包まれ、ああ死ぬってのはこういうことなのかもしれない、と何の根拠もない想念に襲われる。
そんな「やばさ」が充填されたこのアルバム、今は絶版、というのも、「もったいないなあ」と思う以上に、「ま、そだろな」と頷くしかないのであった。
Slowdiveのその他の音源
Just for a Day |
1st。どの曲も「金太郎飴」と言えばそうなんだけど、やっぱり「いいメロ書くな」と思う。 |
Souvlaki |
2nd。これが一応「代表作」ってことになるのかな。「単調さ」も一つの「藝」として昇華され、これが起伏に富む音だったら逆になあ、と思わせるに足る完成度に至っている。 |
Blue Skied An Clear |
今や押しも押されぬエレクトロニカ/フォークトロニカ系の代表的レーベルとなったmorr musicからの、Slowdiveカヴァーコンピ。おれは、かなり初期からmorrのリリースを追いかけていたのだけれど、これが出たときはのけぞったね、「そ、そうだったのか!」って。ま、おれの感慨なんて、どうでもよろし。morrのアーティストを知るという意味でも、いいコンピです。 |
追記:上記のPygmalion がリイシューされるみたい(なんだけど、高いな)。
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