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本屋をぷらついても、各種新刊案内の冊子を見ても、「おお、これは」と思わず手に取りレジに走ってしまうような(もしくは「ショッピングカートにいれる」、「レジに進む」、「注文を確定する」という操作を何の躊躇もなくスルーで行ってしまうような)本が近頃ない。
もちろん、「あ、オモロそうだな」という本はある。だが、そういう本を手にとってみはすれど、「これ読むんだったら、すでに持っているあの本を読めば十分かな」とか「書名から思い浮かべた内容と違うな」と、結局書棚に戻してしまう、ということが大半だ。
これにはもちろん、「(あくまで自分にとって)あんまり面白い本が出版されていない」という環境側の要因もあるだろうが、主たる要因はこちら側にあるのだろう。
それは、漠然と書物に対する志向性が低下している、ということかもしれないし、ある特定の軸に傾向が偏っているので間口が狭まっている、ということもあるかもしれないし、もっと下世話に金銭的な要因(金銭、というのは基本的に、人の心を豊かにする、と思う)、ということもあるかもしれない。
と言いつつ、以下に性懲りもなく新刊をずらずら挙げる。
Scrivani-Tridd (Ed.), The Greenwood Encyclopeda of Rock History , Greenwood
この全6巻、お値段約7万という本を買う、という、全然「ロック」でないような、ある意味非常に「ロック」なような行為をしでかしてください。内容は、第1巻の「ロック初期(1951-1959)」から第6巻の「グランジとポスト・グランジ」まで、という感じです。
David Coady (Ed.), Conspiracy Theories , Ashgate
「陰謀論」についての哲学的考察。賛否両陣営からの議論が収録されている、みたいです。もしかすると読んじゃうかも分からん。
Ross Brady, Universal Logic , CSLI
やっと出る、みたいです。おれのアマゾンのショッピングカートには、最初に刊行がアナウンスされた2003年7月から、この本が入りっぱなしになっています。
Greg Restall, Logic , Routledge
ま、普通の一階述語論理の入門書、だと思うんだけど、そこはAn Introduction to Substructural Logics のRestallのこと、他の入門書とは何かちょっと違う風味があるのではないか、とも思われる。Logical Pluralism も楽しみです。
Antonella Corrandini et al. (Ed.), Analytic Philosophy without Naturalism , Routledge
自然主義なき分析哲学は可能か? って、何かフツーに可能なような気もするんだが……突っ込んでくと色々難儀なことが噴出してくるんだろうな。Plantingaとかvan Inwangenとかも寄稿。
Eve Gaudet, Quine on Meaning ,
「翻訳の決定不能性」擁護本。クワイン説に纏わる誤解を解きつつ、擁護、という感じらしいです。つか、クワイン(の言ったこと)を巡って色んなことが飛び交ってたりするけど、実際のところどういうこと言ってたのよ?ってのがよく分かんなかったりするよな。
Christopher Norris, Truth Matters , Edinburgh Univ. Press
真理を巡る実在論と反実在論の争いを、「第三の道」を提示することで調停? 2002年にハードバックで出たもののペーパーバック版、らしいんだけど、何かおれ、ハードバック版を持っていたような気も……。
R. Braidotti and J. Thompson, Trasposition , Polity Press
副題「ノマド倫理について」。カヴァーも含めてポモっちい風味がぷんぷん。ま、こういうの嫌いではないんですが。
Daniel Attas, Liberty, Property and Markets , Ashgate
リバタリアニズム批判。とはいえ、頭ごなしの批判、というわけでもなさそう。
Andrius Bielskis, Towards a Post-Modern Understanding of the Political , Palgrave Macmillan
あまりよくない意味で要注意。系譜学的ではなく解釈学的、それもトミスム的伝統におけるそれがオルタナティヴだそうです。
Richard J. F. Day, Gramsci is Dead , Pluto Press
現代左翼におけるアナーキズムの復興、について? もちろん、ネグリラインの話も出てくるみたい。
Jaap Hage, Studies in Legal Logic , Springer
Deontic Logicとか、そこいらの話かな?
Peter Buse et al., Benjamin's Arcades , Manchester Univ. Press
『パサージュ論』読解。おれ、原本も持ってるくせに、ほとんど読んでない……。ちなみに、おれが読んだことのある『パサージュ論』読解本としては、鹿島茂さんの『パサージュ論』熟読玩味が秀逸、だと思います。
Claire Colebrook, Philosophy and Post-Structuralist Theory , Edinburgh Univ. Press
副題「カントからドゥルーズへ」。著者のコールブルックさんは今までにドゥルーズ本をけっこう出してますが、おれは一冊も読んだことがありません。
Alberto Toscano, The Theatre of Production , Palgrave Macmillan
書名からしてどういう本であるか、明らか。ちなみに副題は「カントとドゥルーズにおける、哲学と固体化」。カントとドゥルーズって、けっこうペアで扱われがちだよね。この本とかも。
Claude Jaeqle, Portrait oratoire de Gilles Deleuze aux yeux jaunes , PUF
若人の眼に映った「語る人」ドゥルーズ。何だろ、「ドゥルーズ言行録」、みたいなもの? もしそうだとしたら、下世話に面白そ。
Simon O'Sullivan, Art Encounters Deleuze And Guattari , Palgrave Macmillan
アート、ドゥルーズ=ガタリに出会う。「また、しょーこりもなく……」という感じが濃厚なのだが、買ってしまいそうな自分を否定できない。
Detlef Krause, Luhmann-Lexikon , Uni-TB
第4版なのに、今までこんなのが出てるの、知らなかった。不覚。それはそうと、アマゾン、品切れにするの、早過ぎ。
Salomo Friedländer, Kant für Kinder , Olms
子どものためのカント。1924年に出た本の復刻、ということらしいけど、面白そうだよね。
Lorenzo Vinciguerra, Spinoza et le signe , Vrin
ふむ。
疲れた。とりあえずこんなもんで。次回、続きは言語/言語学、藝術関連の新刊を。
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