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ル・モンドにブライアン・イーノのインタヴュが載ってた。んで、全部訳しちゃろか、と思ったんだけど、さすがに何の許可もなくそれはまずかろう、というわけで(や、一番の要因は「全部訳すのメンドクセ」ってことなんだけど)、要点、っつーか、「ほう」とか「ん?」とか感じた部分だけ、抜粋、つか、箇条書き。

  • 自分のことをもっぱら「ミュージシャン」とは思わない。それは、自分の数ある活動の内の一部に過ぎない。
  • そうした数ある活動の内の一つとして、近年精力的にイーノが開催しているカンファレンスに通底しているテーマとは「文化の機能/働き」ということ。
  • 文化と科学の違い:たとえば、科学者に「どうして科学を志したのか」と問えば、多分十中八九、「世界を明らかにしたい」というような答えが返ってくるが、アーティストに同様の質問をすればその答えは十人十色なものとなるだろう。
  • さらに問いが「なぜ人はアートを好むのか」というものになると、その答えはもっと多様なものとなるだろうが、イーノはその理由を「現にあるのとは違う世界を想像すること、他人に感情移入すること、そして概念を交換すること」という人間の心的機能にあるとする。
  • そして、そのように多様な現われをする文化を「一つの言葉」で語りたい(たとえば、ジョットやピカソやストラヴィンスキーを語るのと同じ言葉で、リトル・リチャードを語ること)、という気持ちを、イーノはそのキャリアの始めから持っていた。
  • というのも、文化とは、プレダーウィン的な「ハイアラーキー」を為すものではなく、ある文化領域が他の文化領域と、ちょうどクモの巣のように互いに連結しているものだから。つまり、文化は生態系を為している、というか、文化とは一つの生態系なのだ。
  • 「そのようなクモの巣モデルと言えばインターネットが思い浮かべられるが、逆にインターネットの出現というものがそういった文化へのアプローチにどう影響を与えたか」という質問が為され、それに対してイーノは直接的な回答はしていないが、例としてWikipediaとmoveon.orgの例を挙げている。ちなみに、WikipediaのBrian Enoの項は、イーノ自ら書いた部分もあるそう。
  • 音楽に話を限れば、自分の音楽がインターネットの出現によって変わったということはないが、流通面に関しては、自分でオンラインショップを開くことにより中間搾取がなくなり、恩恵を受けている(たとえ、アルバム1枚の売上が200枚であってもペイする、とのこと)。
  • シンセサイザーを好きだったわけは、それが「歴史なき楽器」だったからだ。

……てな具合で、まあ、他にも「イーノ、iPod Shuffle聴きながら散歩してんのか」とか、どうでもいーっちゃどーでもいーんだけど、そういう話をしてたり、って感じです。

うーむ、やっぱり全部訳したくなってきた。ル・モンドにコンタクトでも取ってみるか。って、そんなことをしてる場合ではないのだが。

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ブライアン・イーノってロキシー・ミュージック以降の活動は、よく知らなかったのだけど、はやしさんのこのピックアップで、ワオッ!って感じで興味を惹かれググッてみたら、この人のブログ(<a href="http
それが?Brian Eno on the Long Now?
そしてこの?Long Now?って何だよ?と
? Long now foundation?とやらをクリックしたら、すんごい面白そうなことやってるんだ。「「速く/より安い」から「より遅い/より良い」思考を供給する為に、10,000年のフレームワークの中でその責任を創造的に促進するプロジェクト」だって。はやしさん、忙しそうだけどちょっとチェックしてみてね!
Sita 2005/08/17(Wed)15:46:00 編集
ええ!? シータさん、ロキシー以降のイーノの活動はよく知らないってことは、もしかして&quot;Here Come The Warm Jets&quot;も&quot;Taking Tiger Mountain&quot;も&quot;Another Green World&quot;も聴いていない? もしそうなら、今からでも遅くはない。近くのCD屋に行って、上記3枚をがっつり入手するべき!

……ってことではなく、Long Nowがらみの諸々、チェック済みでやんすよー。Long Now Foundationの首謀者スチュワート・ブランドに関しては、下記のアサヒコムのインタヴュなんか、いいかも知んない。
<a href="http
はやし 2005/08/18(Thu)01:10:00 編集
はやしさん、懺悔してHere Come The Warm Jets&quot;も&quot;Taking Tiger Mountain&quot;も&quot;Another Green World&quot;も買ってちゃんと聞いてみます。すいませんでした。
原作たそがれ清兵衛 2005/08/18(Thu)05:34:00 編集
そーだよね。はやしさんが知らない訳無いな・・・。っていうか暗にもっと、インフォメーション欲しい!って事だったんで、願いは叶った!
「ホール・アース・カタログ」つくった人だったんだ・・・。本気の壮大な遊びだね。イーノが言ってる「文化はひとつの生態系」って、もすごくインスパイアされる言葉。言葉って放たれたものが、自分の中心に届くとホントに違う場所に飛ばしてくれるよね。
Sita 2005/08/18(Thu)11:17:00 編集
何、原作たそがれ清兵衛さんも「イーノ三部作」を聴いていなかったんですか! というか、あんまり聴かれてないんですかねえ……。

ちなみに、おれ個人の好みとしては、ヒアカムとアナザーグリーンが同着1位、ちょーっと順位を落としてテイキングタイガーっつー感じです。ヒアカム1曲目の、つんのめるような勢いとどうしようもない虚脱感が同居した感じとか(間奏のクリス・スペディングのギターがまた……)、アナザーグリーンのセントエルモズファイアの狂おしいリリカルさとか(ここでのロバート・フリップのギターがまた……)、もうタマンナイです。
はやし 2005/08/18(Thu)19:49:00 編集
「1万年時計」とか、ほんと「本気の壮大な遊び」。やるならやる。絶対手を抜かない。そういうのって、やっぱり素敵だと思うなあ。それに、ヴィジョンをぶちあげるだけじゃなくって、ちゃんとファイナンスとかして実行に移すところもすごい。にしても、マウンテンクロックの費用、10億から100億かかるって、かなり幅があるなあ。

それで、イーノの「文化は一つの生態系」、おれけっこう「エコロジー=生態系」っていう言葉に身構えちゃうふしがあるんだけど、まあ、ここでの文脈で言えば「そうだよな」と。何より、何らかの言葉の「一般的インプリケーション」って事は度外視して、あくまで「自分の中でそれがどう共鳴するか」ということが大事でもあるし、レヴィ=ストロース的に言えば、そういう「共鳴」こそが文化を生むんだ、ということでもあるし……それは、「言葉」に限らずね。
はやし 2005/08/18(Thu)20:02:00 編集
恥ずかしながら、私は、ロックに関して哲学に負けず劣らず「もぐり」「裏口入学」の口でありまして・・・(但し、対はやしさん比)。  実は、ブライアン・イーノのこの3作、タイトルは知っていたのですが、なぜか家にCDがない!!!。 CDは、家内+私で1000枚はあるにもかかわらず。(言い訳がましいですが、1000枚あっても、はやしさんより少ない!!!)  で、本当は多分聞いていると思います。 ただ、苦手では決してないのですが、どうも「ロック」というより、「音の追求」という感じが強くてそれでCDは買ってないのだと思います。 だって、デビット・ボウイの「ロー」を聞いたらいつも寝ちゃうのですから。 
原作たそがれ清兵衛 2005/08/19(Fri)12:02:00 編集
 イーノといえば、ビフォア・アンド・アフター・サイエンスとヒアカム〜しか持ってなくてビフォアが大好きだったなとか、後は誰かと共作した奴がすきやったけどあれはだれだったかなとかその程度の関わりなので書き込むのもどうかと思ってたのですが、私は「ジギー・スターダスト」を聞いてたら寝ちゃいます。ではでは。
めむひ 2005/08/19(Fri)18:54:00 編集
本当に人畜無害で私が眠くなるのは、例えばこんな音楽であります。<a href="http
「ロー」はそれとは全く違って美しくて眠くなるという感じですか。ちょーど、眠いときにモーツアルトを聞くと、よーく寝られるのと同じ感じです。
イーノは勿論好きですし、「ロー」も勿論大好きです。しかし、寝る暇がない人間には天敵以外のなにものでもない。聞いたら寝てしまって、あとで大変なことになるからです。
ああ、俺にもっと睡眠時間を・・・・・。
脱線ですが、極度のいらいらに、ツェペリンは特効薬です。皆様、一度お試しを。
原作たそがれ清兵衛 2005/08/19(Fri)23:57:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん、ロックに「もぐり」も「裏口入学」も何もないでしょー。ただ、まあ、ぼくの場合、親がもともとその手の音楽をがっつり聴いていたということと、自分自身の気質からしても、ちょっと「カタログリスナー」的なところがあるので、無駄に音源を集めていもし、オーセンティックどころから裏街道まで網羅気味、というか、そうせずにはいられない衝動があったのですが、さすがに最近はNMEとかのチャートをチェックして……というのもメンドクサくなってきました。

それで、確かにベルリン三部作は「音の追求」なアルバムでもあったし、その後のイーノ自身の活動を見ても、アンビエントシリーズだとか、いわゆる「ロック=ポップミュージック」(この定式化には異論があろうとは思いますが、ぼくは基本的にロックとはポップミュージックに他ならないと思っています)というラインからは外れたイメージがあると思いますが、件の「イーノ歌もの三部作」に関しては、職人気質的な「音の追求」と、極上のポップ感覚が見事に融合した、ほんとの傑作だと思います。

それはそうと、ぼくの場合、シガーロスなんかのダウナー系の静かなものより、激しいやつの方が眠くなってきちゃうんですよね。

で、ぼくはそもそもイライラすること自体あんまないんですが、トランキライザー的には、すげー月並みですけどバッハのパルティータとか無伴奏チェロ曲とかよく聴くかもしれません。それで、ツェッペリンの、具体的には何を? やっぱり1枚目とかですか?
はやし 2005/08/20(Sat)02:44:00 編集
そういえば、イーノはコラボレーションアルバムでもけっこう名作を残してますよねえ。有名どころとのだけでも、ロバート・フリップとのは別格として、ディヴィド・バーンとやったやつとかディヴィド・シルヴィアンとやったやつとか、ちょっと知名度的には落ちるけどジャー・ウーブル(ex.PIL)とやったやつとか、さらに知名度は落ちるけどハロルド・バッドとやったやつとか……いずれもそれぞれ味わい深い、「傑作」とまではいかないまでも、粒ぞろいの佳作だと思います。

で、ジギースターダスト、寝ちゃいます? おれ、けっこう大盛り上がりしちゃうなあ。
はやし 2005/08/20(Sat)02:49:00 編集
トランキライザーは何と言ってもイーライリリー社のジプレキサが最高だと思います。陰性症状に効く夢みたいな薬です。ちゃうやろ!だーれもそんなこと聞いてないって。ツェッペリンの前期のいかにもツェッペリンって曲は、いらいら止めに最高です。本当に即効性があります。理由は、見た目のうるさい感じと裏腹に1曲の中での曲の連続性が極めて強いことにあると思います。一度猫になったつもりで「にゃあー にゃあー」いいながら歌ってみてください。曲の連続性が実感できると思います。
実は、本日、私のロック「裏口」「もぐり」ぶりの動かぬ証拠が発覚。なんと25年間、本気でジミーページがツェッペリンのボーカルもやっていると本気で信じていました。なんか、この思い込みって、すげーーーーーーーーーーーーーーの世界です。あのきんきん声って、ロバートプラントだったんだ。なぜか素直に驚いています。
原作たそがれ清兵衛 2005/08/20(Sat)16:14:00 編集
ええ!? ツェッペリンのヴォーカルはジミーペイジって、本気で言ってたんですか!? おれはてっきり引っかけというか、ネタとかばかり思っていました……。
はやし 2005/08/21(Sun)12:58:00 編集
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