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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0674015436/hayashinoblog-22/ref=nosim ある亡霊が世界を彷徨している、抽象化という亡霊が。……われわれハッカーは抽象化を生業とする。われわれは、新しい概念を、新しい知覚を、そして新しい感覚を、生のデータをハックして取り出す。……ハックする、とは、異なること。……ハッカーは一つの階級であるが、それは抽象的な階級としてある。抽象化を為す、そして、抽象化されたものとしての階級……ハッカー階級のスローガンは、世界の労働者workersを団結させるunitedことではなく、世界の働きworkingsを解きほぐすuntiedことである。



以前新刊紹介で取り上げた『ハッカー宣言』、やっぱり気になるので買ってみた(おれはこっちの元ヴァージョンを買いました)。

で、パラパラっと眺めてみてまず思ったのが、当然のことなんだけど、「やっぱりドゥボールだなあ」ということ。『スペクタクルの社会』と同様に、この『ハッカー宣言』も断章形式であるというフォーマット的な面もさることながら、上にも引用したように、「世界が抽象化で覆われている」という現状認識は、まさしくドゥボールのそれである。

まだ全部に目を通したわけではなく、ほんと「拾い読み」をしたに過ぎないんだけど、かなりキャッチーなフレーズがバンバン目に飛び込んでくる。ただ、字面のキャッチーさに「ほんとのとこ、それどうなのよ?」ということへの応答が覆い隠されているような感じもなきにしもで、注意深く読む必要がある(んだけど、そんなことをしている場合ではないのが苦しい)。

そういう観点から、当然一番に問題とされるべきは、果たして「ハッカー」なるものが著者ワークの言うようなものであるのか、つまり普通に言われるような意味での「ハッカー」を斯様に特徴づけ、そして一つの階級として取りまとめることが妥当であるのか、ということだろうけど、まずもってキーポイントとなる「抽象化」というものからして問題含みで……だって、周到なんだかいわゆる「ポモ」っちい目くらましなのか、ドゥルーズの「抽象化は何も説明しない、逆に、その抽象化というもの自体が説明されるべきものである」なんていう言を引っ張ってきちゃうんだから。

ともあれ、プロヴォケイティヴな本ではあるし、何より読んでて楽しいんでおススメ、です。ちなみに、著作権蹂躙活動&息抜きがてら、オンライン読書会の方に訳文上げちゃおうかなあ、なんて考えていたりするんで、ドントミスイッだぜ!(が、そんなことをしている場合ではない……って、そればっか)

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