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「毀誉褒貶相半ばする」という評言がぴったりな(いや、じゃっかん「毀」と「貶」がまさってるかな)シャマランの、これまた毀誉褒貶相半ばする『ハプニング』を、こちらでの劇場公開前から気になっていたくせに、いまごろやっと観た。

(以下、映画の核心にふれるようなことがヨユーで書いてありますので、そういうのを気にする人は読まれないほうがよろしいかと)

で、感想、ですけど、おれはシータさんのよりも小僧のそれにやや近く、「何だかよく分からないことがよく分からないまま起こっている」という「出来事 happening」をそれなりによく描けていたんじゃないかな、と思う(ただ、「何だかよく分からないこと」と言いつつ、その「出来事」は、「環境破壊に対する植物の復讐」という「何じゃそりゃ!」という線でほぼ確定的なんだけど)。オチの付け方も、映画のごく最初に暗示されていたとおりで(主人公の教え子の言ったことを想起)、しかも、「シャマランと言えば、ラストのどんでん返し」という予見をみごとに裏切り(『シックス・センス』は言うに及ばず、『ヴィレッジ』なんかもおれはわるくないと思う。世評が散々な理由もよく分かるんだけど)、「最初の予想通りの平凡な終わり方」というのもシャマラン的には新しいのではないかと思ったりも。

ただ、惜しむらくは、「ハチ」のテーマ系をもうちょっと展開させたほうが、映画としての統一感が出たんじゃないかな、と思う。もちろん、「出来事」の原因がハチだった、ってのは何がなんぼでもアウトだけど、でも、最初の授業シーンでハチの大量消滅の話をして、そのすぐあとのカットで主人公の奥さんの携帯をせっかくハチの羽音のように鳴らしてるんだから、もう少しく、「そんなん言われなければ分かんないよ!」と言う程度でもいいから(というか、その程度のつつましさで)通奏低音として「ハチ」を使って欲しかった。あと、「平原から見えるパワープラント」「モデルハウス」そして「ベッドに横たわる不気味な人形」あたりに(かなり分かりやすい)象徴的な意味が込められているような気もするんで、そこももう一押しすればよかったのでは(いや、これでじゅうぶん、という気もするけど)。

でも、まあ、いちばんのhappeningというかsurpriseは、シャマランの出演が、主人公の奥さんの浮気相手役(携帯ごしで、声だけの出演。ちなみに、言わずもがなだけど、この「奥さんの浮気」というのも、映画冒頭で主人公の教え子が設定した映画全体のテーマの変奏、だね)だよな。そんなん、最後のクレジット見るまで分かんなかったよ!

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