弩級の科学基礎論書 [本]

Foundations of the Unity of Science: Toward an International Encyclopedia of Unified Science/Volumes 1 & 2 (O. Neurath, R. Carnap, and C. Morris eds.) (Univ. of Chicago Pr., 1971)

このあいだ理工学図書館をぶらついていてたまたま見つけたもので、その内容の豪華さにすぐさま注文。その豪華さすごさは、こちらの目次を見てもらえればすぐさま諒解されると思う。

どの章も、単独で刊行されていてもおかしくない密度の書きものばかりで（じじつ、これらはいずれも分冊でも刊行されている）、どれも必読。全部読みとおすのがむずかしければ、少なくともその概要ぐらいはどの論文に関してもおさえておきたい。

書名に「科学 science」と付いていることで、とくに日本では「自然科学」についてexclusiveに論じられていることがイメージされてしまい、ゆえにその対象読者層を有意にせばめてしまいそうだけど、この本で議論されているのはそうした自然科学にかぎられない、社会科学、そして人文科学をも含み込むあれやこれや、つまり、ひろく「学問」と呼ばれている領域に関するものなので、なんらかのかたちで学問に携わっている人は、読まない手はない。

上記リンク先アマゾンJPだと、あたかも二巻組で5,000円ちょいみたいな書きぶりだけど、たぶんこれは第2巻だけの販売であり、第1巻も買おうというのなら、本家アマゾンで買ったほうがよい、と思う。送料も込みで1万円もしないぐらいであろうから（おれは、古本で2冊5,000円ちょいで買った）、心ある読書家の書架にはワンセット揃えるべき、です。