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きのう、けっこう集中的に「ノイズ」と総称されるうるような傾向を持つ音盤(ああ、じつにまだるっこしい物言いである)を聴いたので、それの紹介。
Keio Line Richard Pinhas and Merzbow (Cuneiform, 2008) |
メルツバウと、何とエルドンのリシャール・ピナスのタッグ作。じつは、聴いたときの気分がハーシュっぽいものを聴きたいそれだったので、ディスク1枚目の1曲目でつぎのディスクに移ってしまったのだけど、そういうハーシュ乗りではないときに聴いてもいける、どちらかと言うと「アンビエント」と言っても過言ではない出来になっているのではないかと(ただし、おれが聴いた曲以降、じょじょに激しくなってくる可能性も否定できず、というか、まずまちがいなく後半にゆくにしたがって盛りあがるであろうことはかくじつに思われるので、日をあらためてちゃんと聴きとおそう)。
Anicca Merzbow (Cold Spring, 2008) |
メルツバウ単独名義では最新作、になるのかな? ともあれ、この作では秋田昌美自身によるドラムが大々的にフィーチャーされ、だいぶ聴きやすいものになっている。ただ、個人的好みを言えば、ノイズ+ドラムという組み合わせは、ライヴではめっぽう盛りあがるのだけど(たとえば、秋田さんがドラムで参加した非常階段のライヴとか、すごかった)、ノイズをじゅんすいに楽しみたい向きには、ドラムがちょっと邪魔に感じる瞬間もないではない。
Day of Seals Merzbow (Dirter Promotions, 2006) |
毒食わば皿まで、というわけではないけど、買ったまま放置だったメルツバウのこの4枚組みを。この作はギターサウンドが「フィーチャー」されているのだけど、ドラムとちがってギターの音はノイズにとてもよくなじんでいる。しかも、そこにかぶるEMSのなまめかしさと言ったら! こういうのを聴くと、やっぱりディジタルでノイズって限界あるかもなあ、と思ってしまう。
There Is a Part of Me That You [12 inch Analog] Wolf Eyes (Hospital, 2008) |
上記24 Hours A Day of Sealsは、とてもよい作品であるのだけど、「ハーシュ気分」を満足させるにはやや足りなかったので、やはり買うだけ買って未聴だったWolf EyesとSicknessのコンビ作であるこれを。ただ、たしかFlesh and Boneなんかで聴かれたSicknessの高速カットアップ的なハーシュっぷりを想像してしまっていたので、これでもやや物足りなさがのこった。
The Hidden Family/+White+ Kites (Load, 2004) |
じゅんすいに「ハーシュ」という括りでは(もっと言えば、「ノイズ」という括りでも)語れないけど、何やよう分からんけったいな音塊があっちに行ったりこっちに来たりにぎやかしい、こいつを。Kitesの新しいのも、聴かなきゃな。
最近のメルツバウはラップトップを使ったデジタルノイズばっかりですよね。ここ一年で3回ほど彼のライブをみましたが、最近発表の音源のようにデジタルなノイズのリフレインの応酬でいまいち心からノれません。YouTubeでニコ(中国の弦楽器?)を使ったハーシュなノイズが披露されていますが、僕はああいった感じのアナログでハーシュなノイズの方が好きです。マゾンナなんかがすごい好物です。
マゾンナは、ぼくも好きなんですが、名前で損をしてるんじゃないか、と思うことがあり、何かちょっともったいないですよね(そういう「色物視」される傾向というのは、日本のノイズシーンにはけっこう昔からあって、それはそれでまあいいんですけど、そういう見方一辺倒で接されるとややつらいかな、とも)。
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