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素晴らしい。
それだけ言えば、このエントリはもう充分だ、とも思える。
でも、それじゃあこうやって書き始めた意味もないので、音楽を言葉で説明することの無駄さ、無益さというものを噛みしめながら、少し書いてみよう。
このjesuは、GODFLESHをナーヴァス・ブレイクダウンによって解散せざるを得なかったジャスティン・K.ブロードリックが、いくつかのパートワークを経て始動させたパーマネント・ユニットだ。
ジャスティンはその音楽キャリアを、「あの」ナパームデスのギタリストとして始めた。しかし、その1stアルバムが完成する前に「速い音楽には飽きた」とバンドを離れ、HEAD OF DAVIDというスロー&ヘヴィーなバンドを始動させるもまもなく離脱。
そして、その次に始められたのが言わずと知れたGODFLESHだ。
GODFLESHは、ひたすらヘヴィーに、ひたすらスローに、という緊縛サウンドを、硬質なマシーンドラムと、ピッチシフターによってダウンチューニングされたヴォイスと、不協和を奏でるギターと、地を這うベースという構成で叩き出し続けた。
そして、上述のようにジャスティンはバンドを続けられなくなり、GODFLESHは解散を余儀なくされる。
「ドローン」、「ポスト・ロックへの接近」……ネット上でjesuに関するレヴューをいくつか見たなかで、こうした言葉を何度か目にした。
ただ、それだけでは言い尽くせぬものがある、とも思う。
一番感じるのが、GODFLESHであれほどまで重くのしかかっていた緊縛感が、嘘のようになくなっていることだ。
いや、「なくなっている」という言い方は精確ではない。その緊縛具合がGODFLESHのそれとはまるで違っているのだ。
GODFLESHの緊縛感は、凶暴な音塊の前に身を竦ませる、といった体のものだったが、このjesuの緊縛感は、ただひたすらその音塊の間に間にたゆたってればいい、といった開放感を伴っているのだ。
言うなれば、身体は動かない、だが、動かなくともいい、そのままじっとしていればいいのだ、と思わせてくれる音。
今日ぼくはこのアルバムを何回聴いただろうか?
うす曇りの中、部屋の電気も点けずにこのアルバムを聴いていると、何だか何もかもどうでもよく思えてきた。
それは、限りなく後ろ向きな思いではある。だが、そのように全てに背を向け、何もかもを放棄する、というのはこの上なく甘味なものでもある。
そして、そう思わせる音楽もあっていいのだ、いや、是非あらねばならない、と思う。
そのような音楽の、数少ない珠玉の1例である。
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