聴音日記 [音]

　

• Paavoharju, Laulu Laakson Kukasta (Fonal, 2008)
  1曲目: まとも、2曲目: ややずれてくる、3曲目: Fonal節大爆発、といった、ホップステップジャンプ作。とはいえ、全体として、音質のわるさと、そこはかとなくただようぶきみさに目をつむれば、ふつう、と言えるのではないかと。
  
  
• Eleanoora Rosenholm, Vainajan muotokuva (Fonal, 2008)
  もいっちょFonalもの。じゃっかん一般受容性を高めた音触になりつつも、やっぱり「狙ってんだか素でやってんだかよく分からない」というFonalの音。イスラヤよりも聴きやすいので、「イスラヤは、あの天然アシッドな感じがどうも……」という人にも受入れられるのではないかと。
  
  
• Datassette, Datassette (AI, 2008)
  エイフェックスが引きあいに出されていたり、たしかにそういうところもあるんだけど、全体的にもう一押しほしいかな、と。わるくはないんだけどね。
  
  
• Sic Alps, A Long Way Around to a Shortcut (Animal Disguise, 2008)
  じゃっかんレイドバックしたプッシーガロアというか、レアなガレージバンドの7インチを集めているうちにおかしくなってきたんだろう、というか、まあ、そんな音。いまでは入手困難な7インチとか未発音源とかをコンパイルした、ありがたい音盤。Rawなロックンロールという感じで、たんじゅんにかっこいいですよ（ときたま激烈にフリークアウトしだしたりもするけど）。
  
  
• Bomarr, Freedom From Frightened Air (Loop Disko, 2008)
  Ata Tak的な、ちょっとずれたシンセ音を聴かせたりもするけど、ちょっとヒップホップっちいサンプルがじゃまだったり（これはたんなる個人の趣味か。でも、客観的に言っても、じゃまになっている、と思う）、何より、そのようなシンセ（およびそれで奏でられる旋律）の作り方が、もうひとひねり欲しいところ。
  
  
• Anders Ilar, Sworn (Level, 2008)
  あいかわらずの音。C'est tout!
  
  
• Byetone, Plastic Star (Raster-Noton, 2008)
  おお、これはばっきばきだし、のりのりだし、かっこいいっすな。ただ、やっぱり個人的な好みとしては、もうちとシンプルなほうが（つまり、「ああ、ラスタノトンやね」という音のほうが）いいかな。
  
  
• Declining Winter, Goodbye Minnesota (Rusted Rail, 2008)
  うーん、わるくはないんだけど、何と言うか、ぐっとくるものがないと言うか……。
  
  
• DoF, Red Pine Pasture (Abandon Building, 2007)
  Declining Winterまでの流れが、まあいつものことではあるのだけど、じゃっかんダウナーっぽい感じだったので、DoFの新作（と言っても、去年リリース、だけど）を。けっこうふつうに売れそうな感じにもかかわらず、アマゾンJPでは該当がないので、とりあえずタワーにリンクを張ったのだけど、そこの紹介文で「今回の新曲は、6曲中5曲本人（はやし註: DoFのブルース、のことですな）が歌っていて、これがまたすばらしく美声！」と書いてあり、「それは言いすぎというものではなかろうか？」と思った。まあ、プレーンで聴きやすい、いい声だとは思うけど。ともあれ、やわらかいメロディと、そのうらでだんだんと刻みが細かくなっていくビートの取り合わせは、なかなかよろしいです。
  
  
• Rubens, Carnivalesque (Herb, 2007)
  これは昔なつかしい感じもあり（R&SとかAIシリーズ出しはじめたころのワープとか）、けっこう細かく作り込まれてもいるので、なかなかたのしめました。「すなおになったベドゥインアーセント」と言うか。