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『プリンキピア・マテマティカ』を読む (0'')において、このつづきものは「ほとんど数学についても、論理学についても、そして数学の哲学についても知らないような人たち」に向けて書かれていると言いつつ、前回では「クラス、函数、関係」という「業界用語」を平気で使ってしまった。ゆえに、次回からの命題函数の前に、それら基本用語を解説しておく。

まず、「クラス」とはごく大ざっぱに言って、何かある条件を満たすものの集まり、を言う。たとえば、「0<a<5を満たす自然数a」というクラスは{1, 2, 3, 4}ということになる。

つぎに、函数および関係は、どちらかひとつあればどちらかひとつが説明でき、現代的、つまりは集合論ベースの説明では関係を基本概念なものとして話を進める場合が多い(ように思う)のだが、一般向けには函数を基本概念として話を進めたほうが分かりやすいようにも思い、そして何より、『プリンキピア』からしてそのような道ゆきを採っているので、ここでは函数を基本概念とする。

函数f(x)=yとは、よく知られるように、ある規則に従ってxをyに対応させるもの(より動的に言えば、xを受けとりyを出力するもの)、と言われる。また、函数f(x)が受けとりうるxの集まりを定義域と言い、出力yを値域と言う。よく出される例で言えば、清涼飲料水の自動販売機は、各種通貨をその定義域とし、各種清涼飲料水をその値域とする「函数」と考えられる。さらに、自動販売機のように、函数は「入力」がひとつとはかぎらない。つまり、一般化して書けば函数はf(x1,..., xn)のように、いくつでもその入力を取りうる。こうした入力が複数の函数を多変数函数と言う、とくに変数の数がn個である場合n変数函数と言う。たとえば、f(x,y)は2つの入力を受けとる2変数函数である。

さて、上のような函数の説明を引きついで、関係とは、その値域が{T, F}に限定された多変数函数(多くの場合2変数)と考えることができる。つまり、たとえば、「自然数aは自然数bより大きい」という関係を考えると、これは、f(a,b)として、自然数aが自然数bよりもじっさいに大きい場合「T」、つまりは「正しい」を、そうでない場合「F」、つまりは「正しくない=間違っている」を出力する2変数函数と解釈できる(そして、いっぱんには、この関係を表すために「≦」等が使われる)。こうした二者間の関係はとくに二項関係と呼ばれ、より一般的に、n者間の関係はn項関係と呼ばれる。

これらの概念、とくに函数のそれを用いて、『プリンキピア』での基本概念、「〜ではない」「〜または〜」などが次回では定義される。

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