愚にもつかないこと [雑]

これが、いざ書こうとしてみるとあんがいむずかしいことに気づいた。

もちろんそれは、おれからは「愚にもつかないこと」なんてこれっぽっちも出てこないぜ！ということではまったくなく（そういうことを「素」で言えたら、どれだけすばらしいだろう）、そもそも「愚にもつかないこと」を狙って書こうとするその姿勢そのものが問題なのだ。言うなれば、そのような姿勢は「愚にもつかないこと」に対してメタ的な視座に立ってしまっている。そうなると、それは立派に「批評的」な文章になってしまい、「愚にもつかない」どころのさわぎではなくなってしまう。

だから、何も考えずに、ごくフラットに何かを書こうと試みるのだが、今度は「愚にもつかない」というより、「今日はSpring Breakのあおりでバスが夕方までしか走っていないから、早めに買い物に行こうと思う」というような、端的に「どうでもいい」ことしか出てこない。もっと、上向きにせよ下向きにせよ、それを読むものをして「そんなこと言われてもなあ」という感慨と、そして真正面からその文章に向かいあうのを忌避させてしまうような、そんなものが書ければいいのだけど。

……と、こう書きついできて、これはこれでけっこう「愚にもつかない」ものになっているように思えるので、これにて当座の目標は果たせたことにする。