ニーチェを読むアルトーを読むドゥルーズ [電波]

いつの日か、このお題で何か書いてみたいのだが、じっさいにそこにいたるまでの道のりを考えると、なかなかしんどい。

まず、ニーチェとアルトーの関わりということで言えば、この2つの名前をからめて論じた書きものはいくつかあるが（たとえば、最近のものではこれを参照）、ちょくせつにアルトーがニーチェを読んだという物証は、少なくともおれの知るかぎり見当たらないし（もし、アルトーがニーチェに言及している例をご存知でしたら、ぜひ教えてください）、そうでなくとも（というのは、アルトーがちょくせつにニーチェを引きあいに出した事例があろうがなかろうが）『悲劇の誕生』と『演劇とその分身』ぐらいは気を入れて読まなければならないし、そしてそのうえで、ドゥルーズ、とくにその『差異と反復』の、少なくともニーチェとアルトーが濃厚に関わってそうな部分はそれなりに精読しなければならないしで、荷が重い。

だけれども、もしほんとうに『差異と反復』を読もうと思ったら、この道のりはたぶん避けては通れないはずであるし（この不可避性を疑う人は、『差異と反復』において「存在の一義性」が「戴冠せるアナーキスト anarchiste couronné」と呼ばれていることによくよく思いを致すべきである）、それに、なかなかおもしろそうな課題ではあると思うので、死ぬまでにいつか、とは思っている（が、おれのかわりに誰かしかるべき人この三つ巴を扱ったものを書いてくれるのが、いちばんいい。誰かやりませんか？）。